PECULIAR 作 成 : 2000年7月29日 / 微調整 : 2020年12月5日

1. Say Hello! (作詞:Norico 作曲:柏木省三、重藤功)
2. Tonight (作 詞・作曲:柏木省三)
3. Silence (作 詞:大江慎也 作曲:1984)
4. Peculiar (作 詞:大江慎也 作 曲:重藤功)
5. Get Happy (作 詞:大江慎也  作曲:重藤功)
6. THE COUNTRYSIDE (作詞:大 江慎也 作曲:大江慎也)
7. The Air (作詞: 大江慎也 作曲:富永保)
8. I Call Your Name (作詞:西 脇龍二 作曲:富永保)
9. Crystal Ship(水晶の舟) (作 詞・作 曲:The Doors 日本語訳:大江慎也)
10. Early In The Park (作 詞・作曲:JAMES McCORMACK 日本語訳:大江慎也)

(ボーナス・トラック)
11. Say Hello! (English Version) (作詞:Norico 作曲:柏木省三、重藤功)
発売日: 1989年4月25日
[各種フォーマット]
LP :
Japan Records 28JAL-3184 
(アナログ盤/1989年4月25日)
CT : Japan Records 28J-2184 
(カセット・テープ/1989年4月25日)
CD : Japan Records 32JC-401 
(旧規格盤/1989年4月25日)
CD : Japan Records TKCA-30729 (再発盤/1992年12月21日)
CD : Japan Records TKCA-70482 (再発盤/1994年9月25日)
CD : Japan Records TKCA-72878 (リマスター盤/2005年)
UHQCD : Japan Records TKCA-10545 (UHQCD盤/2020年11月25日)
[配信版]
レコチョク配信版
[再びメジャー・レーベルへ]
 1988年6月@仙台でのライヴを最後に
1984 featuring Shinya Oheとしての活動が終了。7月にはかつて在籍していたThe Roosterzの解散ライヴにゲスト出演。その他公私共に様々な変化が起きる中、1989年にJapan Records(徳間ジャパン)と契約、再びメジャー・シーンに返り咲きこのアルバムをリリースします(オリコン・チャート最高第71位)。レコーディン グは1984のメンバーやDATE OF BIRTHを中心に福岡のスタジオで行なわれ(※1)、打ち込みによるユーロ・ビート風サウンド(※2)を 前面に打ち出しています。収録曲のうち大江慎也が作曲しているのは6「THE COUNRYSIDE」僅 か1曲で、作詞が5曲、訳詞が2曲。作曲は柏木省三のほ富永保 (1984)、重藤功(DATE OF BIRTH)。

 このアルバムのリリースに合わせ、大江慎也の全 キャリア中最長となったライヴ・ツアーが組まれ、インタビューでは 「今回徳間ジャパンから全く新たな気持ちでスタートする事になりました。僕は至って元気です。」と発言していた大江さんですが、実際のところはどうだった のかと疑問も…。

 ライヴでは1986〜88年頃の体調不良が嘘だったかのように元気よくギターを弾きながら歌う姿があったものの、雑誌やテレビのインタ ビュー中に缶ビールを飲む場面が目立つようになり(ロックンローラーなら酒くらい飲んで当たり前とは思いますけど)、かかりつけの医師からの勧めや「リ ラックスするんです。」(
『R・IDEA VOL.2』より)とも答えていた反面、後の1999年には「…アルコール飲んでやってましたからねぇ。」(『ROCKIN'ON JAPAN (OCTOBER 1999 VOL.175)』より)と 別の意味合いで答えていたり。自身の意思とは違うところで周囲が動き、 それに従うしかなかった・・・と。大江さんが当時よく聴いていた洋楽から周囲がヴィジョンを汲み取って作り上げた作品とも言えるし、そこから聞こえてくる 声は大江慎也以外の何者でもなく。ルースターズを含む全キャリア中でこのアルバムは最も遠い所に来てしまった感がある中、「Get Happy」この時代の大江慎也を象徴するような忘 れ難い一曲に。
[注釈]
※1
・・・この頃、石井聰亙監督による
『STONE』 という映画にランナー役として出演するオファーがあった事もあり、大江さんは自宅からスタジオまでランニング をして通っていたというエピソードがありましたが、諸事情により映画はお流れになっています。

※2 : ユーロ・ビート・・80年代半ば頃にヨーロッパ圏から広まった、コンピューターの打ち込みによるダンス・ ミュージック。日本ではバブル全盛&昭和〜平成へと移り変わり、『ザッツ・ユーロ・ビー ト』なるオムニバス盤CDシリーズが人気を博していた時代でした。
[アナログ盤LPにつ いて]
 昭和から平成に変わった1989年は市場がアナログ盤からCD中心になった時期と重なったため、プレス枚数も少ないようで す。CDより1曲少ない10曲入りで、帯は元々な し。

[CDにつ いて]
 CDはこれまでに5種類が確認されており、1992年の再発盤(TKCA-30729)で はインナー・カードの写真はカットされ、曲目だけになっている。1994年のQ盤シリーズ(TKCA-70482)ではCDシングルでよく使用される薄い ケースを採用。2005年のリマスター盤は1992年再発盤を元に復刻。ライナー・ノーツ付き。2020年11月25日にはUHQCD盤で再発売。
収録曲
1. SAY HELLO!(作詞:Norico 作 曲:柏木省三、重 藤功)

 1曲目から打ち込みによるユーロ・ビート・サウンドでまず大きな変化を感じさせられる。DATE OF BIRTHのNORICOと重藤功の作品。そのDATE OF BIRTHが後に
「HELLO! HELLO!HELLO!」とタイトルを変更して発表しています。
2. Tonight
(作詞・作曲:柏木省三)

 柏木省三による明るいタッチの作品。

3. SILENCE (作詞:大江慎也 作曲:1984)

 大江慎也作詞、1984作曲。60年代初期のR&Bバラッドを思わせるミディアム・テンポのナンバー。
4. Peculiar (作詞:大江慎也 作曲:重藤功)

 アルバムのタイトル・ナンバーで、歌詞がなんとも陰鬱。この作品も後にDATE OF BIRTHが
「STRANGE DAYS」とい うタイトルで発表しています。
5. Get Happy (作詞:大江慎也 作曲: 重藤功)

 本作の代表曲の一つで、恐らく大江慎也の全キャリア中特に悲痛な歌詞ではないでしょうか。サウンドは前年発表の
12インチ・シングル『GREAT BIG KISS』(1988年4月)のB面「It's The Same Old Song」のバック・トラックの一部から発展させたと思われます。この曲はプロモーション用7インチ・シングルが存在するほか、過去の写真を取り混ぜたプロモーショ ン・ビデオ・クリップも印象的でした。この作品も1991年にDATE OF BIRTHが歌詞とサビのメロディを替え、「After The Happy」というタイトルで発表(同名タイトルのアルバム、及びベスト盤『ゴールデン☆ベスト』に収録)。

追記 :
長らく封印状態な印象もある曲ですが、2013年12月24日@高円寺 HIGHで行なわれた大江慎也のライヴで、バンド・スタイルにアレンジが改められて久々に演奏。翌2014年には大江慎也の新バンド、SHINYA OE AND THE CUTTERSのレパートリーの一つとなり、2018年9月30日@新宿LOFTでの大江慎也還暦ライヴでも再演。
6. THE COUNTRYSIDE (作詞:大江 慎也 作曲:大 江慎也)

 
アルバム中唯一の大江慎也の作曲で、スカ・ビートが印象的。
7. The Air (作詞:大江慎也 作曲:富永 保)

 
レゲェを基調としながらもサビでは8ビートになる中々の佳作。
8. I CALL YOUR NAME (作 詞:西脇龍二 作 曲:富永保)

 
ギターのアルペジオが印象的な明るいポップ・ナンバー。ちなみ にライヴ・ヴァージョンが『Human Being』の再発盤CD(1991年と2005年盤)のボーナス・トラックに収録。
9. CRYSTAL SHIP(水晶の舟) (作詞・作曲: THE DOORS 日本語訳:大江慎也)

 The Doors
のファースト・アルバム『The Doors』(1967年)から幻想的な作品を大江慎也が日本語訳でカヴァー。
10. EARLY IN THE PARK (作詞・作曲: JAMES McCORMACK 日本語訳:大江慎也)
 
 アナログ盤LPではこの曲がアルバムの締めくくりでした。大江慎也が日本語訳を手がけていますが、提供曲 or カヴァーかは不明。

11. SAY HELLO! (English Version)(作詞:Norico 作曲:柏木省三、重藤功)

 
CDのみのボーナス・トラックで、アナログ盤には未収録1曲目の英語ヴァージョンで、打ち込みのバランスも多少異なっている。
一部参考文献・ 資料
『FOOL'S MATE』(1989年5月号)
『R・IDEA VOL.2』(1989年8月頃)
『A True Story』(1989年/VHS)
『ROCKIN'ON JAPAN』(OCTOBER 1999 VOL.175)
『words for a book』(2005年)
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