C.M.C. 作成 : 2000年7月8日/更新 : 2023年11月1日


[Side 1]
1. C.M.C. (作詞:大江慎也/作曲:The Roosters)
2. カレドニア (作詞:大江慎也
/作 曲:The Roosters)
[Side 2]
3. Drive All Night (作詞・作曲:Elliot Murphy)
4. Case Of Insanity (Live) (作詞・作曲:大江慎也)

発売日 : 1983年7月1日
12inch : Shan-Shan YW-7416 (初盤) Columbia COJA-9333 (2018年再発盤)
CD : Columbia 30CA-1780 ("INSANE+IN NURNBERG+C.M.C."/1987年)
配信版 : Columbia COKM-44607 (2023年11月1日)
大江慎也 (vocal,guitar)
花 田裕之
(guitar,synth Guitar,vo on 3)
井上富雄
(bass,piano,chorus)
池畑潤二
(drums,perc,Lynn ds)

(Additional Musicians from 1984)
安藤広一
(keybords)
井嶋和男
(sax)
下山淳
(Guitar solo on 3)
Produced By Shozo Kashiwagi
Engineered By Yuichi Sato
Recoeded at A.M.S. in Half 1982, May 1983
Mixed at Starship
Cover Art ; Tomone Kaburagi
Art Directio ; TZTOM TODA
Graphic Design ; Media Information Inc.
Typography ; T・Y・D・I・X
1982年10月〜1983年7月

[1982年10月 : 一 時停止]

 (前回『In Nurnberg』からの続き)大江・池畑出演の映 画バースト・シティ(爆 裂都市)』の公開(3月)、挿入歌「レッツ・ロック」のシングル発売(3月)、別ユニット"1984"初 ライヴ(5月)、ホールでの初ワンマン・ライヴ(7月4日)を行った1982年。レコード・デビューから3年が経ち、ライヴの観客動員も徐々に増え、サウンドも短期間で驚異的な進化を遂げたルースターズでしたが、ここでアクシデン トが・・・。

 レ コーディング・セッション終了直後の1982年10月上旬、大江慎也が神経衰弱に陥りダウン。他のメンバーが大江の変調に気付いたのは『ニュールンベルグでささやいて』用のフォト・セッション中だっ たという(※1)大江慎也は福岡の病院へ入院、しばらく音楽から距離を置き、静養生活 へ。

 12月下旬に一度退院(※2)。大江は東京へ向いますが、時期尚早だったようで再度入院。残されたメンバーは大江抜きで11月4日までライヴを行なうもの の、以降 ルースターズとしての予定は全てキャンセルされ(その中には初期BOØWYとの学園祭も含まれていた)、 活動を別ユニット・1984に 移行。花田裕之は課外活動としてファッション誌のモデルやテレビCM(※3)に出演したほか、翌年にはARBサポート・ ギタリストとして東北ツアーに参加(※4)

 予定外の一時停止はメンバー間の結束力を 弱め、井上富雄は(リーダーの求心力の低下を理由にしつつも)自身の音楽を模索し始め、池畑 潤二は12月に福岡に帰省してしまう。これにより12月31日@新宿LOFTで予定されていた"1984+ゲスト:柴山俊之" のプ ランは急遽変更。柴山俊之+ザ・ロケッツ+花田裕之という編成でサンハウス・ナンバーを演奏(※5)。これが翌年のサンハウス再編へと繋がります。


[1983年1月〜6月 : 下山淳合流→大江慎也ステー ジ復帰]

 その一方でもう一つの動き が。1982年9月、映画『爆 裂都市(バースト・シティ)』で監督を務めた石井聰亙(現・石井岳龍)が、バンド"石井聰亙 & バチラス・アーミー・プロジェクト"を結成。その際、友人を介してリハーサル・スタジオに顔を出し たのが、山形県出身のギタリスト・下山淳。当の本人は誘われ るままになんと なく来たつ もりが、その場でメンバーに参加させられ、翌日には急遽曲を作らされテレビ出演まで果たしたという…(笑)

 バチラス・アーミー・プロジェクトは翌1983年1月(6日 頃?)に博多でライヴを行ない、そこでルースターズ or 1984のメンバーと初対面。こうした経緯を経て、バチラス・アーミー・プロジェクト は柏木省三プロデュースのもとアルバム『アジアの逆襲』を制作(発表は1983年9月)。やがて下山淳は安藤広一からの電話をきっかけに1984に合流し、1983年5月にはルースターズのレコーディングにもゲスト参加。大江慎也も復帰の準備が整い、まず1983年6月14日、新宿LOFTで1984名義のライヴでステージ 復帰。6月19〜21日にはIggy Popの来日公演の前座を務めます。


[1983年7月 : 『C.M.C.』リリース→池畑潤二脱退]

 1983年7月、ルースターズは 本格活動再開前に12インチ・シングル『C.M.C.』(本 作)を発表。A面2曲は前作のセッションから。現在も人気の 高いタイトル曲「C.M.C.」のほか、B面では初の打ち込 み+レコードでは初の花田裕之ヴォーカル曲「Drive All Night」1981年12月のライヴ録音から「Case Of Insanity」を収録。さらに1984から安藤 広一(k)、井嶋和男(sax)、下山淳(g)がゲスト参加…と、"Before & After"が一枚のレコード内に同居した内容に(※6)

 ちなみに(1) : どこな虚ろげな大江慎也の肖像画を描いたのは、1982年以降ルース ターズや大江ソロ(80年代後半)関連の ジャケット・デザインを手がけた鏑木朋音(余談 : 鏑木さんと言えば2015年頃、テレビでインタビューを受けているのを偶然見かけて驚いた憶えが…(笑))。後に『Good Dreams』の歌詞カードにも同じ絵が使用されますが、 そちらは文字入れ前の原画ヴァージョン。

 ちなみに(2) : 下山淳は(合流以前に)友人からルースターズのファースト・アルバムを聴かされたり、石井聰亙経由で聴いた『ニュールンベルグでささやいて』のパワフルなリズム隊に感銘を受け、こ の編成でルースターズに…と思いを抱きますが、予想に反してここで池畑潤二が脱退(※7)。ニュー・アルバムのレコーディングを控えていたルースターズ は、この頃北九州から上京していた灘友正幸に声をかけ、1983年8月、大江慎也(vo)/花田裕之(g)/井上富雄(b)/安藤広一(k)/下山淳(g) /灘友正幸(d)の新編成で再スタートします(次回『DIS.』へとつづ く)。

[注 釈]
※1 大江慎也の体調不良 :

 「コンサート前は集中してリハーサルをする。神経がすりへるくらいね。」(大江:『ロッキンf』1982年8月号)
「大 江は具合も悪かったのだろうが、本当にヒトコトもしゃべらないで、歌詞を書いたノートをニラみ続けていた。」(山名昇:『Player』1982年12月号)と、複数の雑誌で入院直前の様 子が伝えられています。

 主な原因について当人から語られる事は少ないものの、複合的な要因が積み重なった結果のようで、出版物やドキュメンタリー番組等では精神性体調不良や肝炎と伝えられる事が多い。それ以前、高校卒業頃に自律神経失調症になったというコメントも(註:『宝島』1986年11月号より)。

※2 一時退院

 『音楽専科』(1983年2月号)で写真付きで 報告されたものの、翌3月号では「快復に向かっていた大江君は無理がたたり、2月まで静養、活動開始は3月くらいになりそうです。」と訂正文が掲載され ています。

※3 花田裕之CM出演 :

 1983年春頃放送の丸井のCMに出演(内容は男女が直立不動で立っているだけ…)。当の花田さんはバンド活動停止期間中に嫌々受けた 仕事だったよう です。(Thanks : BBSでの投稿より)

※4
ARBのサポート・ギタリスト :

 正確な日程は不明ですが、花田裕之は田中一郎脱 退〜斉藤光浩正式加入までの期間中、東北ツアー(山形県酒田市他数カ所)のライヴに参加したとのこと。ひょっとしたら花田さんがこのまま…なんて想像が頭 をよぎります が、結果はご存知の通り。

※5
1982年12月31日@新宿LOFT :

 この時の写真がLOFT関連書 籍に掲載されたほか、
映像がVHSビデオ『PREVIOUS LIVE』として非公認リリー ス(現在は廃版)。

※6
: ルースターズは計4枚のアナログ12イン チ盤をリリースしていますが、その全てが何故か(バンド内外の)人事異動のタイミングと一致する。

※7 池畑潤二の脱退 :

 当時は「家庭の事情」とアナウンスされていましたが、雑誌『音 楽と人』(OCTOBER 2008)で本人が語った事が真相に近いと思われます。

 脱退後、音楽を離れ別の職に就きましたが、誰も"あのドラム"を放っておくはずもなく、1984年、山部善次郎 & Midnight Specialで復帰。その後、HI-HEEL(blue tonicの源流バンドの一つ)や十字軍の元メンバーと共に自身のバンド・ZEROSPECTRE(ゼロスペクター)を結成。ルースターズ時 代とは異なる、ファッショナブルなルックスと音楽性を展開し、1988年4月まで在籍(→池畑潤二 PART 1へ)。

アナログ盤

🔵 帯の表側に 記載されたキャッチコピーは「あの名曲『ケース・オブ・インサニティ』のラ イ ヴ・ヴァージョン、花田がヴォーカルをとる"エリオット・マーフィ"の『ドライヴ・オール・ナイト』、そして新曲2曲を加えた、ルースターズの超重量級ア ルバム!!」

🔵 帯の裏側に掲載の ディスコグラフィで、『THE ROOSTERS』の曲目表記に何故か当時未発表のはず の「Little By Little」が。この曲目表記は『Good Dreams』の帯でも見ることができますが、何故「Little By Little」が含まれているかは現在も謎のまま。
🔵 2018年6月20日、初盤以来となる復刻盤が発売。帯の裏側の広告を含め極力復刻され、黒ベタ白 抜き文字の丸いステッカーが貼られているのが再発盤の特徴。

 あとこれは余計な話として…音楽市場の主流がレコード盤だった80年代と現代では状況も異なり、近年は生産工場・生産量も限られているため、その分価格 設定も30年前より 上がっています…と、念のため。もし今レコード・プレーヤーが手元にない…な場合、安価なものだと タワレコやHMVの各店舗等に置いてある場合があります。 最近ではUSB端子付きの機種もあるので、パソコンに接続したりと聴き方も色々。それはいつかの楽しみにして、先に盤をGETして、ジャケットを部屋に 飾って楽しむのもアリかと…(笑)
各種CD
1 : 『INSANE+IN NURNBERG+C.M.C.』COLUMBIA 30CA-1780 (発売日 : 1987年9月1日)

● 歌詞 : あり(ブックレットに掲載)
● インナー・カード(曲目表) : あり
● 裏ジャケットの復刻 : なし
● アナログ盤時代の解説書の復刻 : 元々なし
● ボーナス・トラック : シングルB面曲や12インチ・シングルを追加
  初CD化は1987年9月、『INSANE』 『ニュールンベルグでささやいて』にアルバム未収録曲「Hey Girl」を加えた形で リリース。

 アートワークは表ジャケットのみ復刻され、「Rosie」の歌詞が一部修正されている点を除けば、3作まとめて一気に聴けるCDでした。
2 : 『Official Perfect Box "Virus Security" Sub Over Sentence.』TRIAD(COLUMBIA) COZA-91〜122 (発売日 : 2004年9月29日)

● 歌詞 : あり(ブックレットに掲載)
● LPデザインをミニチュア化した"紙ジャケット"付き
● 帯の復刻 : なし
● アナログ盤時代の解説書の復刻 : 元々なし
● ボーナス・トラック : なし
 2度目は2004年発表のボックス・セットの一部としてCD化。デジ タル・リマスター、オリジナル通り4曲収録。左の画像はボックス内のトレーにCD盤がはめ込まれた状態で、これとは別に"紙ジャケット"を付属。ただし帯 は無し。
主な配信版 (COKM-44607/2023年11月1日配信開始)
iTunes/Apple Music ◉ mora ◉ OTOTOY (ファイル形式選択可)
mysound ◉ LINE MUSIC ◉ レコチョク ◉ Spotify
Amazon Music/mp3 ◉ TOWER RECORDS MUSIC ◉ YouTube
● 2023年11月1日、紆余曲折を経てルースターズの主要作品118曲の配信がスタート(註 : シングル用音源、解散後に発掘された各種レア・トラックを除く)。なおこの配信に合わせ、コロムビアが特設サイトをオープンしています。https: //columbia.jp/roosters/

● ←のリンクは個人的把握内でリストアップしてみましたが、実際にはもう少しあると思われます。定額制のストリーミング配信、1曲から購入可能なダウンロード版等種類も様々。(掲載 : 2023年11月1日)
『C.M.C.』(収録曲へ移動)Menu
web拍手 by FC2
inserted by FC2 system