The Move : Singles (Part 1) | 作成:2001年11月5日/更新:2019年8月7日 | |
・ザ・ムーヴが発表したシング ルから、1966年〜1969年までの作品をご 紹介。 | ||
1 : Night of Fear | ||
(UK) DERAM DM-109 Release : 1966.12.9. UK CHART : #2 Producer : Denny Cordell (資料提供 : Tさん) |
[The Move #1] 🔵 Carl Wayne (Vocals) 🔵 Roy Wood (Vocals,guitar) 🔵 Chris 'Ace' Kefford (Bass,vocals) 🔵 Trevor Burton (Guitar,vocals) 🔵 Bev Bevan (Drums,Vocals) |
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A : Night Of Fear
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Word & Music : Roy Wood
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The
Moveのデビュー・シングルで、邦題は「恐怖の夜」。1966年12月9日にリリースされ、全英チャート第2位を記録。1965年暮れのバンド
結成当初は、当時のモッズ・グループ同様にR&Bのカヴァー中心でし
たが、オリジナル曲はRoy Woodがメイン・ソングライターとなり、ギター・リフ等にClassicの要素を感じさせる。この曲ではチャイコフスキーの「1812年」の後半部分のフレーズが登場する(※情報提供 : S輔君)。 歌詞も当時ラヴ・ソングや若者の不満等題材にされる事が多
かった中、この曲では不吉や恐怖がテーマに。ヴォーカルは最初カール・ウェインとロイ・ウッドの2人が歌い、サビで4声ハーモニーに、「Just
about to flip yor mind〜っ♪」でエース・ケフォードのソロ・パートになる。
◎各種ヴァージョン/テイク : 1
: Mono Single Version 2
: 2007 Stereo Mix 🔵 2008年に発掘された別テイク(1966年10月22日@ロンドン・Advision Studio)で、Single Versionと同日に録音されましたが、こちらのテイクはやや粗めな演奏。 🔵 音 の大半は中央で、ステレオ・リバーブが薄くかかる。サビのコーラスの一部がダブルトラック化され、左右に振り分けられている。 (主な収録アルバム) ◉『Anthology 1966-1972』(イギリス)Salvo/Fly Recirds SALVOBOX-406/2008年) ◉『Move (3CD Deluxe Edition)』((EU盤) Esoteric Recordings ECLEC 32536/2016年) ◉『Night of Fear (50th Anniversary) EP』(iTunes配信版/2016年?) 4 : Vocal Session 🔵 2008年にSALVOの特設サイト(現 在は閉鎖)のみで公開されていたアカペラ・ヴァージョン。 🔵 基本的にSingle Versionと同一のヴォーカルですが、サビのパートはシングルトラック(ダブルの片方が欠落している)。 (主な収録アルバム) ◉『Night of Fear (50th Anniversary) EP』(iTunes配信版/2016年?) |
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B :
Disturbance
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Word & Music : Roy Wood
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ロ イ・ウッドの作品で、邦題は「動乱」。アップ・テンポでファズ・ギターとハイトーンのコーラスが 入ったビート・ナンバーで、曲後半でTony Secunda(マネージャー)とDenny Cordell(プロデューサー)による不気味な悲鳴が入る。リード・ ヴォーカルは1st&3rd Verseがカール・ウェイン、2nd&4th Verseがロイ・ウッド、「Will they carry me away〜♪」でエース・ケフォードに替わる。 ◎各種ヴァージョン/テイク :
1 : Mono Single Version 3
: Undubbe Alternate Version (2) ◎カヴァー・ヴァージョン : ◉Carl Wayne『Spotlight On The 60's』
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2 : I Can Hear The Grass Grow | ||
(UK) DERAM DERAM
DM-117 Release : 1967.3.31. UK CHART : #5 Producer : Denny Cordell |
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A : I Can Hear The
Grass
Grow
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Word & Music : Roy Wood
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1967年3月31日発表のセカンド・シングル(全英第5位)で、邦題は「緑の草原」。アップ・テンポなビートとClassic風のギター・リフが印象的で、メロディ・ラインや歌詞にサイケデリックの要素が。リード・ヴォーカルは
Carl Wayneで、「Can't
seem to pass around the signs〜♪」でRoy Wood、「Get a hold of yourself now
baby〜♪」でAce Keffordに替わる。 ◎各種ヴァージョン/テイク : 1
: Single Version 2
: Short Version 3
: Enhanced Stereo Version (1) 4
: Full-Length Version ◎カヴァー・ヴァージョン : ◉Blues Magoos『Basic Blues Magoos』(1968年) ◉Carl Wayne『Spotlight On The 60's』 ◉Status Quo『Don't Stop』(1996年) ◉The Grip Weeds『The Sound Is in You』(1998年) ◉The Vanguards『Vanguards Special (1963 - 2003)』 ◉The Fall『Fall Heads Roll』(2005年) ◉Bicycle Face『The Remastered Bastards』(2008年) ◉You Am I『Hourly Daily』(2013年) ◉The Happy Tunes『1』(2014年)
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B :
WAVE
YOUR FLAG AND STOP THE TRAIN
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Word & Music : Roy Wood
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Roy Woodの作品で、邦題は「旗を振って汽車
を止めろ」。The Monkeesの「恋の終列車」のパロディ・ソング
で、一部の人から「THE MOVEはTHE
MONKEESのように演奏しないで歌っているだけ」と疑われたのをきっかけにこの曲が作られたら
しい(註:The Monkeesは1967年以降、自分達で演奏している曲
もある)。ちなみに両面共にアルバム未収録曲で、音源はMono Mixのみ。 |
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3 : Flowers In The Rain | ||
(UK) Regal Zonophone RZ-3001 Release : 1967.8.25. UK CHART : #2 Producer : Denny Cordell Strings,brass and woodwind arrengements : Tony Visconti |
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1967年7月、プロデューサーのDenny
Cordellと共にEMI傘下のレーベル・Regal Zonophoneへ移籍。8月にサイケ&フラワー・ポップ調のサード・シングル「Flower In The Rain」を
発表。マネージャーの奇を衒った宣伝方法が裁判沙汰に発展する騒動があったものの、時代の雰囲気にマッチしたこの曲は全英第2位の大ヒットを記録。メン
バーの衣装もギャング風からサイケデリック調に変化。ちなみにこのシング
ルから、後にT.RexやDavid Bowieのプロデュースを手がけるTony Viscontiが管楽器とストリングスのアレンジで参加。特にB面は後のELOにも通ずるサウン
ドが聴ける。 |
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A : Flowers In The Rain
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Word & Music : Roy Wood
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B :
(Here
We Go Round)The Lemon Tree
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Word & Music : Roy Wood
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→『MOVE』の 項目参照。 | ||
(Cancelled) : CHERRY BLOSSOM CLINIC / B : VOTE FOR ME | ||
(UK) Regal Zonophone RZ-3010 Release : - Producer : Denny Cordell |
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🔵 「Flower In The Rain」に続くシングルとして予定されていましたが、精神病院を扱った歌詞が問題視され、発売中止に。その後A面はアルバム『Move』(1968年4月)で発表。しかしB面曲はその後30年間お蔵入りする運命を辿る。 | ||
B : Vote
For Me
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Word & Music : Roy Wood
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Roy
Woodの作品。シングルのB面用に2度レコーディングされましたが、ボックス・セット『Movements』(1997年)で発掘されるまでお蔵入り
に。ヴォーカルはトレヴァー・バートンで、一部ロイ・ウッドに替わる。
◎各種ヴァージョン/テイク : 1 : Version 1/Stereo Mix (1) 🔵 ややこしいくなりますが・・・(笑)。1967年8月録音の初期テイク。ここでは便宜上"Version 1"とします。 2 : Version 1/Stereo Mix (2) 🔵 些細な違い : 冒頭に残されていたカウントが消されている。 3 :
Version 1/Mono Mix 🔵 1の音源をモノラル変換し、冒頭のカウントをカットしたもの。 4 :
Version 2/Alternate Take 🔵 1967年11月1日に改めて録音された別テイク。こちらは2007年に発掘。 |
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4 : Fire Brigade | ||
(UK) Regal Zonophone RZ-3005 Release : 1968.1.26. UK CHART : #3 Producer : Denny Cordell |
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A面は学生時代の恋話を歌ったポップなビート・ナンバーで、全英第3位のヒット。B面は"Trip"に対する警鐘を歌ったサイケ・ポップ・ナンバー。両面
共にその後ファースト・アルバム『MOVE』(1968
年4月)に収録。そしてこれがオリジナル・メンバーでの最後のシングルに。 |
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A : Fire Brigade
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Word & Music : Roy Wood
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B : Walk Upon The
Water
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Word & Music : Roy Wood
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→『MOVE』の
項目参照。 |
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5 : Wild Tiger Woman | ||
(UK) Regal Zonophone RZ-3012 Producer : Denny Cordell Release : 1968.8.30. UK CHART : - |
[The Move #2] 🔵 Carl Wayne (Vocals) 🔵 Roy Wood (Guitar,Vocals) 🔵 Trevor Burton (Bass,Vocals) 🔵 Bev Bevan (Drums,Vocals) [Additional Musicians] ⚪️ Nicky Hopkins (Piano/Side A) |
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デビューから順調にヒットを連発したムーヴでしたが、4人編成初となるこのシングルとライヴEP『Something
Else from The Meve』(1968年6月)は、何故かチャート・インを逃す。時期的にはファースト・アルバムのヒットから僅か
3〜4ヶ月後。やはりAce Keffordの脱退が大きな打撃となったのでしょうか。 |
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A : Wild Tiger Woman
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Word & Music : Roy Wood
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Roy Woodの作品。1968年になるとサイケ色は一段落し、このシングルではBlues寄りなロックン・ロールが聞ける。リード・ヴォーカルはカール・ウェインで、「As she began to wail I grabbrd her by the tail...♪」でトレヴァー・バートン、
「I'd never find another girl〜♪」でロイ・ウッドに替わる。オペラ風のコーラスは後のQueenを彷彿とさせる。また、この曲からトレヴァー・バートンがベースに替わったほ
か、ニッキー・ホプキンスがピア
ノでゲスト参加。 ◎各種ヴァージョン/テイク : 1 : Mono Single Version 2 : UK Single Edit 3 : Early Undubbed Mix/"Wild Tiger Woman
Blues" 🔵 2007年に初ステレオ化。 🔵 フェイド・アウト : Single Versionよりも長い。 (収録 CD) ◉『Shazam (Deluxe Expanded Edition)』((イギリス)Salvo SALVOCD-012/2007年) ◉『Shazam (2CD Deluxe Edition)』((EU盤) Esoteric Recordings ECLEC 22538/2016年) |
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B :
Omnibus
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Word & Music : Roy Wood
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Roy
Woodの作品。B面は従来路線のビート・ナンバーで、リード・ヴォーカルはRoy Wood、途中の「Sweet southen meadows〜♪」でCarl
Wayneに替わる。ギターはアコースティック、エレキのリズム・ギターに、チェロを思わせるフレーズが重なる。曲後半はワウペダルを駆使したサイケデ
リックなギター・ソロが続く。1968年3月21日@オリンピッ
ク・スタジオでの録音。
◎各種ヴァージョン/テイク : 1 : Mono Single Version 2 : Enhanced Stereo Mix ◎カヴァー・ヴァージョン : ◉Mail『Omnibus』(1971年) |
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6 : Blackberry Way | ||
(UK) Regal Zonophone RZ-3015 Producer : Jimmy Miller (A) Denny Cordell & Tony Visconti (B) Release : 1968.11.29. UK CHART : #1 (資料提供 : Tさん) |
[The Move #2] 🔵 Carl Wayne (Vocals) 🔵 Roy Wood (Guitar,Keyboards,Vocals) 🔵 Trevor Burton (Bass,vocals) 🔵 Bev Bevan (Drums,Vocals) [Additional Musicians] ⚪️ Richard Tandy (Harpsichord/Side A) |
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A : Blackberry Way
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Word & Music : Roy Wood
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Roy Woodの作品で、邦題は「黒いちご」。レ
コーディングの直前、プロデューサーのDenny Cordellが渡米で途中降板したため、新たに当時TrafficやThe
Rolling Stonesを手がけたJimmy
Millerを起用、1968年9月18日に制作が開始され、1968年11月29日にリリース。 彼女に去られ途方に暮れる男を描いた歌詞、タイトルは…架空の通りの名前? これはいまだによく分からない。サウンドは重いテンポでイギリス的な翳りを感じるメロトロンとハープシ コード(後のELOメンバー・Richard Tandyが演奏)が重なり、Carl WayneとRoy Woodがユニゾンで歌う。サビで大合唱も出来る親しみやすさは、その後登場するグラム・ロックへと受け継がれますが、元々BluesやR&R志 向のTrevor Burtonは、商業性の強いこの曲に不満を抱き「ポップ・スターにはなりたくない」と反発。これが翌年2月の脱退へと繋がる事になりますが、このシ ングルは全英チャートに12週ランク・インし、翌1969年1月に見事No.1を記録。The Moveの最大のヒットに。カヴァーも複数発表され、近年ではチープ・トリックがアルバム『We're All Alright!』(2017年)で取り上げています。 ◎各種ヴァージョン : 1 :
Single Version
オリジナルのシングル・ヴァージョン(モノラル。Stereo Mixは存在せず)で、トータル・タイムは約3分
41秒。ちなみにCDによって音質やピッチにバラつきがあり、マスター・テープを使用したものは2008年以降のCDに収録。 2
: Short Version 🔵
主にイギリス盤CDに収録されているショート・ヴァージョンで、トータル・タイムは約3分32秒。 3 : Enhanced Stereo Mix "Alternate
Mix"と表記のあるCDもありますが、実際は音が回ったような音像の疑似ステレオ・ミックス。トータル・タイムは約3分38秒。 4 : 2011 Version ◎カヴァー・ヴァージョン : |
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B :
Something
(=A Certain Something)
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Word & Music : David
Morgan
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B面は初の外部作品で、同郷のDavid Morganの作詞作曲。ちなみに2007年以降のCDでは「A
Certin Something」と改題されています。Carl Wayneのヴォーカルを前面に活かしたポップな曲調で、どちらかというとソロ・ナンバーといった趣き。Denny
Cordellと共同プロデュースのTony Viscontiが弦楽器と木管楽器のアレンジを担当。イタリア語版も制作され(当時は未発表)、「Blackberry Way」が誕生しなければこちらがA面になる予定だったようです。
◎各種ヴァージョン/テイク : 1
: Demo Version 2 : Mono Single Version 4 : 2007 Stereo Mix 5
: Early Piano
Version;Rough Mix |
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7 : Curly | ||
(UK) Regal Zonophone RZ-3021 Producer : Mike Hurst Release : 1969.7.18. UK CHART : #12 |
[The Move #3] 🔵 Carl Wayne (Vocals) 🔵 Roy Wood (Guitar,Keyboards,Vocals) 🔵 Rick Price (Bass,vocals on Side-B) 🔵 Bev Bevan (Drums,Vocals) |
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🔵 前作「Blackberry Way」の大ヒット後、Trevor
Burtonが1969年2月に音楽的相違の末に脱退。当初予定のアメリカ・ツアーは10月に延期。Roy Woodは以前から交流のあったJeff Lynneに参加を打診するも、当時The
Idle Raceで活動中のためこの時は断念。ベーシストは同郷のバンド・Sight
And SoundからRick Priceが参加。 |
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A : Curly
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Word & Music : Roy Wood
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前作から半年以上のブランクを経て発表されたシングルで、全 英第12位のヒット。リコーダーがフィーチャーされ、途中で入るメロトロンが当時のBritish Popを強く感じさせる。リード・ヴォーカルはCarl Wayneで、一部Roy Woodに替わる。ちなみにCarl Wayne在籍時のシングルはこの曲で最後。次のシングルではまた違った展開を見せます。次回PART 2へとつづく。
◎各種ヴァージョン/テイク : CDには"Alternate Mix"とクレジットされていますが、Single Versionを疑似ステレオ処理したもの。音が回ったような音像。 (収録CD) ◉『Shazam (Deluxe Expanded Edition)』((イ ギリス)Salvo SALVOCD-012/2007年) ◉『Shazam (2CD Deluxe Edition)』((EU盤) Esoteric Recordings ECLEC 22538/2016年) |
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B : This Time Tomorrow
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Word & Music : David
Morgan
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David Morgan提供作品2曲目で、新加入のRick Priceがリード・ヴォーカル。アコースティック調のサウンドで、アウトロで逆回転ギター・ソロが登場する。 ◎各種ヴァージョン/テイク : 1 : Mono Single Version ◎カヴァー・ヴァージョン : ◉ Wishful Thinking『Hiroshima』(1971年)
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