The Move : Singles (Part 1) 作成:2001年11月5日/更新:2019年8月7日
ザ・ムーヴが発表したシング ルから、1966年〜1969年までの作品をご 紹介。
1 : Night of Fear

(UK) DERAM DM-109
Release : 1966.12.9.
UK CHART : #2
Producer : Denny Cordell
(資料提供 : Tさん)
[The Move #1]
🔵 Carl Wayne (Vocals)
🔵 Roy Wood (Vocals,guitar)
🔵 Chris 'Ace' Kefford (Bass,vocals)
🔵 Trevor Burton (Guitar,vocals)
🔵 Bev Bevan (Drums,Vocals)
A : Night Of Fear
Word & Music : Roy Wood

 The Moveのデビュー・シングルで、邦題は「恐怖の夜」1966年12月9日にリリースされ、全英チャート第2位を記録。1965年暮れのバンド 結成当初は、当時のモッズ・グループ同様にR&Bのカヴァー中心でし たが、オリジナル曲はRoy Woodがメイン・ソングライターとなり、ギター・リフ等にClassicの要素を感じさせる。この曲ではチャイコフスキーの「1812年」の後半部分のフレーズが登場する(※情報提供 : S輔君)。

 歌詞も当時ラヴ・ソングや若者の不満等題材にされる事が多 かった中、この曲では不吉や恐怖がテーマに。ヴォーカルは最初カール・ウェインとロイ・ウッドの2人が歌い、サビで4声ハーモニーに、「Just about to flip yor mind〜っ♪」でエース・ケフォードのソロ・パートになる。


各種ヴァージョン/テイク :

1 : Mono Single Version
 シングルで発表された、オリジナルのモノラル・ ミックス。大半のCDはこのミックスで収録されていますが、CDによって音の状態は様々で(曲後半の音揺れ、疑似ステレオっぽいものなど)、1997年〜 2009年に発売されたものは比較的良好。

2 : 2007 Stereo Mix
🔵 2007年に初ステレオ化。
🔵 Monoでは深いリバーブがかけられていたのに対し、Stereoではルーム・エコーが過剰に響く。
🔵 サビ : Stereoではコーラス・パートがエフェクト処理で2重に加工。
🔵
エンディング : Monoよりも長い。
(主な収録アルバム)
『The Move
(Deluxe 2-CD Expanded Edition)(イ ギリス)Salvo SALVODCD-207/2007年)
『The Move
(3CD Deluxe Edition)(EU盤)Esoteric Recordings ECLEC 325362016年)

3 : Alternate Take
🔵 2008年に発掘された別テイク(1966年10月22日@ロンドン・Advision Studio)で、Single Versionと同日に録音されましたが、こちらのテイクはやや粗めな演奏。
🔵
音 の大半は中央で、ステレオ・リバーブが薄くかかる。サビのコーラスの一部がダブルトラック化され、左右に振り分けられている。
(主な収録アルバム)
『Anthology 1966-1972』(イギリス)Salvo/Fly Recirds SALVOBOX-406/2008年)
『Move (3CD Deluxe Edition)』((EU盤) Esoteric Recordings ECLEC 32536
2016年)
『Night of Fear (50th Anniversary) EP』(iTunes配信版2016年?)

4 : Vocal Session

🔵 2008年にSALVOの特設サイト(現 在は閉鎖)のみで公開されていたアカペラ・ヴァージョン。
🔵 基本的にSingle Versionと同一のヴォーカルですが、サビのパートはシングルトラック(ダブルの片方が欠落している)。
(主な収録アルバム)
『Night of Fear (50th Anniversary) EP』(iTunes配信版2016年?)
B : Disturbance
Word & Music : Roy Wood

 ロ イ・ウッドの作品で、邦題は「動乱」。アップ・テンポでファズ・ギターとハイトーンのコーラスが 入ったビート・ナンバーで、曲後半でTony Secunda(マネージャー)とDenny Cordell(プロデューサー)による不気味な悲鳴が入る。リード・ ヴォーカルは1st&3rd Verseがカール・ウェイン、2nd&4th Verseがロイ・ウッド、「Will they carry me away〜♪」でエース・ケフォードに替わる。


各種ヴァージョン/テイク :

1 : Mono Single Version
 シングルで発表された、オリジナルのモノラル・ ミックス(註:ステレオ・ミックスは無し)。大半のCDはこの音源で収録。

2 : Undubbe Alternate Version (1)
🔵 1997年発表のイギリス盤ボックス・セッ ト『Movements』で発表された初期段階別ヴァー ジョン。
🔵 まだ未完成の状態で、後半部分の「Understand!!」の叫びは無し。
(主な収録アルバム)

『Movements』(イギリス)WEST SIDE WESX 3021997年)
『The Move』(ドイツ)Repertoire REP 4690-WY(輸入国内盤仕様)Vivid Sound VFCD-26221998年)
『The Move+16』((日本)ビクター・エンタテインメント VICP-613132001年)

3 : Undubbe Alternate Version (2)
 基本的には上記と同じですが、冒頭にエンジニアの "Take 1"の アナウンスが入る。
『Anthology 1966-1972』(イギリス)Salvo/Fly Recirds SALVOBOX-4062008年)
『Move (3CD Deluxe Edition)』((EU 盤) Esoteric Recordings ECLEC 325362016年)
『Night of Fear (50th Anniversary) EP』(iTunes配信版 /2016年?)


カヴァー・ヴァージョン :
◉Carl Wayne『Spotlight On The 60's』

2 : I Can Hear The Grass Grow

(UK) DERAM DERAM DM-117
Release : 1967.3.31.

UK CHART : #5
Producer : Denny Cordell

A : I Can Hear The Grass Grow
Word & Music : Roy Wood
 1967年3月31日発表のセカンド・シングル(全英第5位)で、邦題は「緑の草原」アップ・テンポなビートとClassic風のギター・リフが印象的で、メロディ・ラインや歌詞にサイケデリックの要素が。リード・ヴォーカルは Carl Wayneで、「Can't seem to pass around the signs〜♪」でRoy Wood、「Get a hold of yourself now baby〜♪」でAce Keffordに替わる。

各種ヴァージョン/テイク :

1 : Single Version
🔵 シングルで発表された、オリジナルのモノラル・ミックス。この後登場するバリエーションは全てテイクは同一で、フェイド・アウトの長さが異なります。
🔵 フェイド・アウト : 歌のパートが終わり、ドラム・ フィルが入る前に曲が終わる。トータル・タイムは約3分6秒。
(主な収録CD)
『THE BEST OF THE MOVE』((アメリカ)A&M CD-3625)
『The Move』((ドイツ)Repertoire REP 4285-WY/1993年)
『The Move』((ドイツ)Repertoire REP 4690-WY(輸入国内盤仕様) Vivid Sound VFCD-26221998年)
『The Move+16』((日本)ビクター・エンタテインメント VICP-613132001年)
『HITS & RARITIES SINGLES A'S & B'S」((ドイツ)Repertoire REP 4665-WR/1999年)
『The Move (Deluxe 2-CD Expanded Edition)((イ ギリス)Salvo SALVODCD-2072007年)
『Move (3CD Deluxe Edition)』((EU盤) Esoteric Recordings ECLEC 32536
2016年)

2 : Short Version
🔵 フェイド・アウト :  早めに始まり、アウトロに差し掛かる所で曲が終わるショート・ヴァージョン。トータル・タイムは約2分59秒。
(主な収録CD)

『THE COLLECTION』((イギリス)CASTLE CCSCD-135/1986年)
Roy Wood『Singles』((イ ギリス)Connoisscur Collection VSOP CD 189/(輸入国内盤仕様)MSI MSIF 3367)1993年)
『Movements』((イギリ ス)WEST SIDE WESX 302/1997年)
『Omnibus』((イギリス)Edsel EDCD-616(輸 入国内盤仕様)MSI MSIF 3666)
『THE COMPLETE SINGLES COLLECTION & MORE』((イギリス)CRIMSON CRIMCD-233/2000年)

3 : Enhanced Stereo Version (1)
🔵 疑似ステレオ・ミックス。音が3重に聞こえ、騒々しい印象。
🔵
フェイド・アウト :  1のMonoより若干長く、ドラムのフィルが入って曲が終わる。
(主な 収録アルバム)
Roy Wood『The Definitive Album...』((Sweden)BR Music BRCD 50/1989年)
『The Very Best Of The Move((イギリス)Salvo SALVODCD-1052009年)
『I Can Hear the Grass Grow 50th Anniversary EP(iTunes配信版2017年)

4 : Full-Length Version
🔵 未編集の全長版。冒頭にエ ンジニアのアナウンスが入り、演奏が完全に終わるまで収録。トータル・タイムは約3分16秒。
(主な収録アルバム)

『Anthology 1966-1972』((イギリス)Salvo/Fly Recirds SALVOBOX-4062008年)
『I Can Hear the Grass Grow 50th Anniversary EP(iTunes配信版2017年)


カヴァー・ヴァージョン :
◉Blues Magoos
『Basic Blues Magoos』(1968年)
◉Carl Wayne『Spotlight On The 60's』

Status Quo『Don't Stop』(1996年)
◉The Grip Weeds『The Sound Is in You』(1998年)
◉The Vanguards『Vanguards Special (1963 - 2003)』
◉The Fall『Fall Heads Roll』(2005年)
◉Bicycle Face『The Remastered Bastards』(2008年)
◉You Am I『Hourly Daily』(2013年)
◉The Happy Tunes『1』(2014年)

B : WAVE YOUR FLAG AND STOP THE TRAIN
Word & Music : Roy Wood

 Roy Woodの作品で、邦題は「旗を振って汽車 を止めろ」The Monkees「恋の終列車」のパロディ・ソング で、一部の人から「THE MOVEはTHE MONKEESのように演奏しないで歌っているだけ」と疑われたのをきっかけにこの曲が作られたら しい(註:The Monkeesは1967年以降、自分達で演奏している曲 もある)。ちなみに両面共にアルバム未収録曲で、音源はMono Mixのみ。
(主な収録アルバム)

『THE COLLECTION』(イギリス)CASTLE CCSCD-135/1986年)
『THE BEST OF THE MOVE』((アメリカ)A&M CD-3625)
『Movements』((イギリス)WEST SIDE WESX 302/1997年)
『Omnibus』((イギリス)Edsel EDCD-616(輸 入国内盤仕様)MSI MSIF 3666/1999年)
『Anthology 1966-1972』((イギリス)Salvo/Fly Recirds SALVOBOX-4062008年)
『The Very Best Of The Move((イギリス)Salvo SALVODCD-1052009年)
『The Move』((ドイツ)Repertoire REP 4285-WY/1993年)
『The Move』((ドイツ)Repertoire REP 4690-WY(輸 入国内盤仕様) Vivid Sound VFCD-26221998年)
『The Move+16』((日本)ビクター・エンタテインメント VICP-613132001年)
『The Move (Deluxe 2-CD Expanded Edition)((イギリス)Salvo SALVODCD-2072007年)
『Move (3CD Deluxe Edition)』((EU 盤) Esoteric Recordings ECLEC 32536
2016年)
『Magnetic Waves Of Sound The Best Of The Move』((EU盤) Esoteric Recordings ECLEC 22554/2017年)

3 : Flowers In The Rain

(UK) Regal Zonophone RZ-3001
Release : 1967.8.25.
UK CHART : #2
Producer : Denny Cordell
Strings,brass and woodwind arrengements
: Tony Visconti

🔵 1967年7月、プロデューサーのDenny Cordellと共にEMI傘下のレーベル・Regal Zonophoneへ移籍。8月にサイケ&フラワー・ポップ調のサード・シングル「Flower In The Rain」を 発表。マネージャーの奇を衒った宣伝方法が裁判沙汰に発展する騒動があったものの、時代の雰囲気にマッチしたこの曲は全英第2位の大ヒットを記録。メン バーの衣装もギャング風からサイケデリック調に変化。ちなみにこのシング ルから、後にT.RexやDavid Bowieのプロデュースを手がけるTony Viscontiが管楽器とストリングスのアレンジで参加。特にB面は後のELOにも通ずるサウン ドが聴ける。
A : Flowers In The Rain
Word & Music : Roy Wood
B : (Here We Go Round)The Lemon Tree
Word & Music : Roy Wood
『MOVE』の 項目参照。
(Cancelled) : CHERRY BLOSSOM CLINICB : VOTE FOR ME

(UK) Regal Zonophone RZ-3010
Release : -
Producer : Denny Cordell

🔵 「Flower In The Rain」に続くシングルとして予定されていましたが、精神病院を扱った歌詞が問題視され、発売中止に。その後A面はアルバム『Move』(1968年4月)で発表。しかしB面曲はその後30年間お蔵入りする運命を辿る。
B : Vote For Me
Word & Music : Roy Wood
 Roy Woodの作品。シングルのB面用に2度レコーディングされましたが、ボックス・セット『Movements』(1997年)で発掘されるまでお蔵入り に。ヴォーカルはトレヴァー・バートンで、一部ロイ・ウッドに替わる。

各種ヴァージョン/テイク :
 2つのテイクと
複数の ミックス違いあり。

1 : Version 1/Stereo Mix (1)

🔵 ややこしいくなりますが・・・(笑)。1967年8月録音の初期テイク。ここでは便宜上"Version 1"とします。
🔵 基本的に音は全て中央で、ステレオのルーム・エコーがかけられている。
🔵 些細な違い : 冒頭にカウントの 「4〜!」が消されずに残っている。
(主な収録CD)
『Movements』((イギリ ス)WEST SIDE WESX 302/1997年)
『Omnibus』((イギリス)Edsel EDCD-616(輸 入国内盤仕様)MSI MSIF 3666)
『The Move』((ドイツ)Repertoire REP 4690-WY(輸 入国内盤仕様)Vivid Sound VFCD-26221998年)
『The Move+16』((日本盤)ビクター・エンタテインメント VICP-61313)
『The Move (Deluxe 2-CD Expanded Edition)((イ ギリス)Salvo SALVODCD-207/2007年)

2 : Version 1Stereo Mix (2)

🔵 些細な違い : 冒頭に残されていたカウントが消されている。
(主な 収録CD)
『Anthology 1966-1972』((イギリス)Salvo/Fly Recirds SALVOBOX-406/2008年)
『Move (3CD Deluxe Edition)』((EU 盤) Esoteric Recordings ECLEC 32536
2016年)

3 : Version 1Mono Mix

🔵 1の音源をモノラル変換し、冒頭のカウントをカットしたもの。
(主な 収録CD)
『HITS & RARITIES SINGLES A'S & B'S」((ド イツ)Repertoire REP 4665-WR/1999年)
『THE COMPLETE SINGLES COLLECTION & MORE』((イ ギリス)CRIMSON CRIMCD-233/2000年)

4 : Version 2/Alternate Take

🔵 1967年11月1日に改めて録音された別テイク。こちらは2007年に発掘。
🔵 イントロのギターがワウペダルを使ったものに変更。
(主な 収録CD)
『The Move (Deluxe 2-CD Expanded Edition)((イギリス)Salvo SALVODCD-2072007年)
『Move (3CD Deluxe Edition)』((EU 盤) Esoteric Recordings ECLEC 32536
2016年)

4 : Fire Brigade

(UK) Regal Zonophone RZ-3005
Release : 1968.1.26.
UK CHART : #3
Producer : Denny Cordell

🔵 A面は学生時代の恋話を歌ったポップなビート・ナンバーで、全英第3位のヒット。B面は"Trip"に対する警鐘を歌ったサイケ・ポップ・ナンバー。両面 共にその後ファースト・アルバム『MOVE』(1968 年4月)に収録。そしてこれがオリジナル・メンバーでの最後のシングルに。
A : Fire Brigade
Word & Music : Roy Wood
B : Walk Upon The Water
Word & Music : Roy Wood
『MOVE』の 項目参照。
5 : Wild Tiger Woman

(UK) Regal Zonophone RZ-3012
Producer : Denny Cordell
Release : 1968.8.30.
UK CHART : -
[The Move #2]
🔵 Carl Wayne (Vocals)
🔵 Roy Wood (Guitar,Vocals)
🔵 Trevor Burton (Bass,Vocals)
🔵 Bev Bevan (Drums,Vocals)
[Additional Musicians]
⚪️ Nicky Hopkins (Piano/Side A)

🔵 デビューから順調にヒットを連発したムーヴでしたが、4人編成初となるこのシングルとライヴEP『Something Else from The Meve』(1968年6月)は、何故かチャート・インを逃す。時期的にはファースト・アルバムのヒットから僅か 3〜4ヶ月後。やはりAce Keffordの脱退が大きな打撃となったのでしょうか。
A : Wild Tiger Woman
Word & Music : Roy Wood
 Roy Woodの作品。1968年になるとサイケ色は一段落し、このシングルではBlues寄りなロックン・ロールが聞ける。リード・ヴォーカルはカール・ウェインで、「As she began to wail I grabbrd her by the tail...♪」でトレヴァー・バートン、 「I'd never find another girl〜♪」でロイ・ウッドに替わる。オペラ風のコーラスは後のQueenを彷彿とさせる。また、この曲からトレヴァー・バートンがベースに替わったほ か、ニッキー・ホプキンスがピア ノでゲスト参加。

各種ヴァージョン/テイク :

1 : Mono Single Version
 
一般流通している、オリジナルのシングル・ヴァージョン。モノラルで収録されている場合はこれと思っていただけると。

2 : UK Single Edit
 
2008年発表のボックス・セット『Anthology 1966-1972』に"UK Single Edit"と称されたヴァージョンが収録されていますが、フェイド・アウトが微妙に早い程度。
(収録CD)
『Anthology 1966-1972』((イギリス)Salvo/Fly Recirds SALVOBOX-406/2008年)

3 : Early Undubbed Mix/"Wild Tiger Woman Blues"
🔵 ボックス・セット『Movements』(1997年)で発掘された、ダビング前の別ヴァージョン(モノラル)。ちなみに"Wild Tiger Woman Blues"は曲の原題。
🔵 ヴォーカルに深いリバーブがかかっている。
🔵 ギターやバック・コーラスの一部が、ダビング前のため入っていない。
🔵 フェイド・アウトがSingle Versionより若干早い。
(収録CD)
『Movements』((イギリス)WEST SIDE WESX 302/1997年)
『Looking On』((ドイツ)Repertoire REP 4692-WY(輸入国内盤仕様)Vivid Sound VFCD-2624/1998年)
『Looking On+10』((日本盤)ビクター・エンタテインメント VICP-61315/2001 年)

4 : 2007 Stereo Mix
🔵
2007年に初ステレオ化。
🔵 フェイド・アウト : Single Versionよりも長い。
(収録 CD)
『Shazam (Deluxe Expanded Edition)((イギリス)Salvo SALVOCD-012/2007年)
『Shazam (2CD Deluxe Edition)((EU盤) Esoteric Recordings ECLEC 225382016年)
B : Omnibus
Word & Music : Roy Wood

 Roy Woodの作品。B面は従来路線のビート・ナンバーで、リード・ヴォーカルはRoy Wood、途中の「Sweet southen meadows〜♪」でCarl Wayneに替わる。ギターはアコースティック、エレキのリズム・ギターに、チェロを思わせるフレーズが重なる。曲後半はワウペダルを駆使したサイケデ リックなギター・ソロが続く。1968年3月21日@オリンピッ ク・スタジオでの録音。


各種ヴァージョン/テイク :

1 : Mono Single Version
 
一般流通している、オリジナルのシングル・ヴァージョン。モノラルで収録されている場合はこれと思っていただけると。

2 : Enhanced Stereo Mix
 
1972年発表の編集盤LPに収録されていた疑似ステレオ・ミックス。音が回ったような音像。
(収録CD)

『Anthology 1966-1972』((イギリス)Salvo/Fly Recirds SALVOBOX-406/2008年)

3 : 2007 Stereo Mix/full-length version
🔵
2007年に初ステレオ化。
🔵 "full-length version"とクレジットされ、Monoよりも約10秒長い。
(収録CD)

『Shazam (Deluxe Expanded Edition)((イギリス)Salvo SALVOCD-012/2007年)
『Shazam (2CD Deluxe Edition)((EU 盤) Esoteric Recordings ECLEC 225382016年)


カヴァー・ヴァージョン :
◉Mail『Omnibus』(1971年)
6 : Blackberry Way

(UK) Regal Zonophone RZ-3015
Producer : Jimmy Miller (A)
Denny Cordell & Tony Visconti (B)
Release : 1968.11.29.
UK CHART : #1
(資料提供 : Tさん)
[The Move #2]
🔵 Carl Wayne (Vocals)
🔵 Roy Wood (Guitar,Keyboards,Vocals)
🔵 Trevor Burton (Bass,vocals)
🔵 Bev Bevan (Drums,Vocals)
[Additional Musicians]
⚪️ Richard Tandy (Harpsichord/Side A)
A : Blackberry Way
Word & Music : Roy Wood
 Roy Woodの作品で、邦題は「黒いちご」レ コーディングの直前、プロデューサーのDenny Cordellが渡米で途中降板したため、新たに当時TrafficやThe Rolling Stonesを手がけたJimmy Millerを起用、1968年9月18日に制作が開始され、1968年11月29日にリリース。

 彼女に去られ途方に暮れる男を描いた歌詞、タイトルは…架空の通りの名前? これはいまだによく分からない。サウンドは重いテンポでイギリス的な翳りを感じるメロトロンとハープシ コード(後のELOメンバー・Richard Tandyが演奏)が重なり、Carl WayneとRoy Woodがユニゾンで歌う。サビで大合唱も出来る親しみやすさは、その後登場するグラム・ロックへと受け継がれますが、元々BluesやR&R志 向のTrevor Burtonは、商業性の強いこの曲に不満を抱き「ポップ・スターにはなりたくない」と反発。これが翌年2月の脱退へと繋がる事になりますが、このシ ングルは全英チャートに12週ランク・インし、翌1969年1月に見事No.1を記録。The Moveの最大のヒットに。カヴァーも複数発表され、近年ではチープ・トリックがアルバムWe're All Alright!』(2017年)で取り上げています。

各種ヴァージョン :

1 : Single Version

  オリジナルのシングル・ヴァージョン(モノラル。Stereo Mixは存在せず)で、トータル・タイムは約3分 41秒。ちなみにCDによって音質やピッチにバラつきがあり、マスター・テープを使用したものは2008年以降のCDに収録。
(主な収録CD)
『THE BEST OF THE MOVE』((アメリカ)A&M CD-3625)
Roy Wood『Singles』((イ ギリス)Connoisscur Collection VSOP CD 189/(輸入国内盤仕様)MSI MSIF 3367)1993年)
『Looking On』((ドイツ)Repertoire REP 4285-WY/1993年)
『Looking On』((ドイツ)Repertoire REP 4692-WY(輸入国内盤仕様)Vivid Sound VFCD-26241998年)
『Looking On+10』((日本盤)ビクター・エンタテインメント VICP-613152001年)
『HITS & RARITIES SINGLES A'S & B'S』((ド イツ)Repertoire REP 4665-WR/1999年)
『Anthology 1966-1972』((イギリス)Salvo/Fly Recirds SALVOBOX-406/2008年)
『The Very Best Of The Move((イギリス)Salvo SALVODCD-1052009年)
『Shazam (2CD Deluxe Edition)((EU盤) Esoteric Recordings ECLEC 225382016年)
『Magnetic Waves Of Sound The Best Of The Move』((EU盤) Esoteric Recordings ECLEC 225542017年)

2 : Short Version

🔵 主にイギリス盤CDに収録されているショート・ヴァージョンで、トータル・タイムは約3分32秒。
🔵 1のSingle Versionは、サビの4回目で曲が終わる→2のShort Versionは、
サビの3回目の途中で曲が終わる。
(主な収録CD)
『THE COLLECTION』((イギリス)CASTLE CCSCD-135/1986年)
『Movements』((イギリス)WEST SIDE WESX 302/1997年)
『OMNIBUS』((イギリス)EDSEL EDCD-616/1999年)
『THE COMPLETE SINGLES COLLECTION & MORE』((イギリス)CRIMSON CRIMCD-233/2000年)

3 : Enhanced Stereo Mix

 "Alternate Mix"と表記のあるCDもありますが、実際は音が回ったような音像の疑似ステレオ・ミックス。トータル・タイムは約3分38秒。
(主な収録CD)

Roy Wood『The Definitive Album...』((Sweden)BR Music BRCD 501989年)
『Shazam (Deluxe Expanded Edition)((イギリス)Salvo SALVOCD-012/2007年)

4 : 2011 Version

 2011年に作成された別ヴァージョン。オーケストラがオーヴァー・ダビングされています(次のページPart 2で改めて触れます)。

カヴァー・ヴァージョン :
◉ Hardy Kingston『Die Große Schlagerparty Vol. 2』
The New SeekersBeautiful People』(1971年)
◉ Casino Steel & Gary Holton『III Edition』(1982年)
◉ Russ Abbot『Songs of Joy』(1990年)
◉ Gotthard『Open』(1999年)
Carl WayneSpotlight On The 60's』
◉ Et Cetera Feat. Carl Wayne『Blackberry Way』
◉ The Wonder Stuff『From the Midlands with Love』(2012年)
◉ Red Shoes『All the Good Friends』(2012年)
◉ The Flashcubes『Sportin' Wood: A Tribute to Roy Wood』
(2012年)
◉ Audio Idols『It Takes Two: 60's Mega Mixtape』(2013年)

◉ Cheap Trick『We're All Alright!』(2017年)

B : Something (=A Certain Something)
Word & Music : David Morgan

 B面は初の外部作品で、同郷のDavid Morganの作詞作曲。ちなみに2007年以降のCDでは「A Certin Something」と改題されています。Carl Wayneのヴォーカルを前面に活かしたポップな曲調で、どちらかというとソロ・ナンバーといった趣き。Denny Cordellと共同プロデュースのTony Visconti弦楽器と木管楽器のアレンジを担当。イタリア語版も制作され(当時は未発表)、「Blackberry Way」が誕生しなければこちらがA面になる予定だったようです


各種ヴァージョン/テイク :

1 : Demo Version
🔵 2007年に発掘されたDemo Versionで、タイトルは「That Certain Something」となっている。恐らく1968年4月頃の録音。
🔵
編成はCarl Wayne (ヴォーカル)/Trevor Burton (リード・ギター)Dave Morgan (ギター)Richard Tandy (ベース)で、ドラムは不明。
🔵
Demo段階では同時期のアメリカン・ロック風で、レコードのテイクには含まれていない Trevor Burtonのリード・ギターが聞き所。
(収録CD)
『Shazam (Deluxe Expanded Edition)((イ ギリス)Salvo SALVOCD-012/2007年)
『Shazam (2CD Deluxe Edition)((EU盤) Esoteric Recordings ECLEC 225382016年)

2 : Mono Single Version
 
一般流通している、オリジナルのシングル・ヴァージョン。モノラルで収録されている場合はこれと思っていただけると。

3 : Italian Language Version
🔵 1997年に発掘されたイタリア語ヴァージョン。シングル・ヴァージョンより もピッチが高い(逆にSingle Versionが遅くなっている可能性も…)。
🔵 アウトロで「ラッラッラッラーララララーラー〜っ♪」と歌うパートが登場する。 Single Versionでは無し。
(収録CD)
『Movements』((イギリス)WEST SIDE WESX 302/1997年)
『Looking On』((ドイツ)Repertoire REP 4692-WY(輸入国内盤仕様)Vivid Sound VFCD-2624/1998年)
『Looking On+10』((日本盤)ビクター・エンタテインメント VICP-61315/2001年)
『HITS & RARITIES SINGLES A'S & B'S』((ド イツ)Repertoire REP 4665-WR/1999年)

4 : 2007 Stereo Mix
🔵
2007年に初ステレオ化。ただし現行Esoteric Recordings盤では未復刻(註:2017年現在)。
🔵 モノ ラル・ミックスよりもピッチが早く、30秒程フェイド・アウトが長い。
🔵 アウトロで「ラッラッラッラーララララーラー〜っ♪」と歌うパートが登場する。Single Versionでは無し。
(収録CD)
『Shazam (Deluxe Expanded Edition)((イ ギリス)Salvo SALVOCD-012/2007年)

5 : Early Piano Version;Rough Mix
🔵 ピアノを全面に出 した、初期段階ラフ・ミックス(ステレオ)。
🔵 弦楽器 & 木管楽器が含まれていない。

(収録CD)
『Anthology 1966-1972』((イギリス)Salvo/Fly Recirds SALVOBOX-406/2008年)

7 : Curly

(UK) Regal Zonophone RZ-3021
Producer : Mike Hurst
Release : 1969.7.18.
UK CHART : #12

[The Move #3]
🔵 Carl Wayne (Vocals)
🔵 Roy Wood (Guitar,Keyboards,Vocals)
🔵 Rick Price (Bass,vocals on Side-B)
🔵 Bev Bevan (Drums,Vocals)
🔵 前作「Blackberry Way」の大ヒット後、Trevor Burtonが1969年2月に音楽的相違の末に脱退。当初予定のアメリカ・ツアーは10月に延期。Roy Woodは以前から交流のあったJeff Lynneに参加を打診するも、当時The Idle Raceで活動中のためこの時は断念。ベーシストは同郷のバンド・Sight And SoundからRick Priceが参加。
A : Curly
Word & Music : Roy Wood

 前作から半年以上のブランクを経て発表されたシングルで、全 英第12位のヒット。リコーダーがフィーチャーされ、途中で入るメロトロンが当時のBritish Popを強く感じさせる。リード・ヴォーカルはCarl Wayneで、一部Roy Woodに替わる。ちなみにCarl Wayne在籍時のシングルはこの曲で最後。次のシングルではまた違った展開を見せます。次回PART 2へとつづく。


各種ヴァージョン/テイク :
1 : Mono Single Version

 
一般流通している、オリジナルのシングル・ヴァージョン(モノラル。ステレオ・ミックスは無し)。一部例外を除き、大半のCDに収録されているのはこの音源。

2 : Early Alternate Mix/"Curly Where's Yours Girly"
🔵 ボックス・セット
『Movements』(1997年)で発発掘れた初期別ミックス。CDによってはワーキング・タイトルの「Curly Where's Yours Girly」と表記されたものも。
🔵 曲全体のピッチ(テープ・スピード)が遅く、半音近く低い。
🔵 出だしのヴォーカル : イコライジング処理が無い。
🔵 メロトロン : 無し。
(収録CD)
『Looking On』((ドイツ)Repertoire REP 4285-WY/1993年)
『Looking On』((ドイツ)Repertoire REP 4692-WY(輸入国内盤仕様)Vivid Sound VFCD-2624/1998年)
『Looking On+10』((日本盤)ビクター・エンタテインメント VICP-61315/2001年)
『HITS & RARITIES SINGLES A'S & B'S』((ド イツ)Repertoire REP 4665-WR/1999年)

3 : Enhanced Stereo Mix
 CDには"Alternate Mix"とクレジットされていますが、Single Versionを疑似ステレオ処理したもの。音が回ったような音像。
(収録CD)
『Shazam (Deluxe Expanded Edition)((イ ギリス)Salvo SALVOCD-012/2007年)
『Shazam (2CD Deluxe Edition)((EU盤) Esoteric Recordings ECLEC 225382016年)
B : This Time Tomorrow
Word & Music : David Morgan

 David Morgan提供作品2曲目で、新加入のRick Priceがリード・ヴォーカル。アコースティック調のサウンドで、アウトロで逆回転ギター・ソロが登場する。


各種ヴァージョン/テイク :

1 : Mono Single Version
 
一般流通している、オリジナルのシングル・ヴァージョン(モノラル)。

2 : Demo Version
 2007年8月に発売された『Shazam (Deluxe Expanded Edition)の中で発表されたDemo Version。こちらはカール・ウェインがリード・ヴォーカル。
(収録CD)
『Shazam (Deluxe Expanded Edition)((イ ギリス)Salvo SALVOCD-012/2007年)
『Shazam (2CD Deluxe Edition)((EU盤) Esoteric Recordings ECLEC 225382016年)


カヴァー・ヴァージョン :
◉ Wishful Thinking『Hiroshima』(1971年)

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