φ (PHY)
(Part 1) |
作 成 : 2000年3月18日/更新 : 2023年11月4日 | ||
(Side 1) 1. Vénus (作 詞:柴山俊之/作曲:花田裕之) 2. Come On (作詞:大 江慎也,M.Alexander/作曲:大江慎也) 3. Down Down (作詞:柴山俊之/作曲:花田裕之) 4. Heavy Wavy (作詞:大江慎也/作曲:下山 淳) 5. Broken Heart (作詞:柴山俊之/作曲:花 田裕之) |
(Side 2) 6. Femme Fatale (作詞・作 曲:Lou Reed) 7. Street In The Darkness (作詞:柴山 俊之/作曲:花田裕之) 8. Message From・・・・・Come On,Love My Girl (作 詞:柴山俊之/作曲:花田裕之) 9. Last Soul (作詞:大江慎也/作曲:下山淳) 10. Music From Original Motion Picture "Punishment" (作曲:花田裕 之,下山淳) |
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発売日 : 1984年12月21日 | |||
[各種フォーマット] LP : COLUMBIA AF-7334 (アナログ盤LP/1984.12.21.) MT : COLUMBIA CAR-1337 (カセット・テープ/1984.12.21.) CD : COLUMBIA 30CA-1782 (初盤CD/1987.9.1.) CD : COLUMBIA COCA-12578 ("CD文庫1500"/1995.5.20.) CD : TRIAD COCP-50263 (2000年盤"紙ジャケット"仕様/2000.3.18.) CD : TRIAD COCA-50757 (2003年盤"紙ジャケット"仕様/2003.9.10.) UHQCD : COLUMBIA COCP-40425 ("CD文庫1500"/2018.7.25.) 配信版 : COLUMBIA COKM-44610 (2023年11月1日) |
Produced
by Shozo Kashiwagi for OUR JOY Arranged by The Roosterz Engineers : Yasuyuki Moriyama Recorded and Mixed at Star Ship by Yasuyuki Moriyama,Shozo Kashiwagi Original Album Cover Art Direction : Tomone Kaburagi and Michimasa Itaya Cover Art : Tomone Kaburagi Graphic Work : Ritsuko Nakamura Photography : Kaoru Ijima Microscope Specialist : Takehiko Hayashi Cover Comcept : Shozo Kashiwagi |
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大江慎也 (vocal) 花田裕之 (guitar,vocal,chorus) 下山淳 (guitar,bass,chorus) 灘友正幸 (drums) 安藤広一 (keyboards,chorus) | |||
◎The Roosterz : 1984年4月〜12月 | |||
アルバム『Good Dreams』(1984年4月)発表後のルースターズは精力的にライヴ
活動を行い、数々のイベントや学園祭等に出演。7月15日には初のライヴ・ビデオ『Paranoiac Live』を制作(発売は10月)、8月下旬には新宿LOFTで初の7日間連続ライヴ『PERSON TO
PERSON』を施行。観客動員数も増え、東北で熱狂的な盛り上がりを見せる一方、大
江慎也の精神的不調はさらに深刻化。やがてメンバー間との会話も減り、バンド内部は決して順調とはいえない状況だったようで
す。 また、7日間連続ライヴ終了直後の1984年9月、大江慎也は再び入院。並行してレコード会社から次のアルバムの要請があったものの、この時点で用意出 来た の はカヴァー曲「宿命の女」や大江慎也のオリジナル「Come On」等数える程で、後に「Vénus」と なる曲も歌詞が未完成。大江慎也主導によるアルバム制作は事実上不可能に。 [アルバム"φ(PHY)"] そうした状況の中、プロデューサーの柏木省三の提案で"60年代後半のサイケデリック/フラワー・ムーヴメント"を一つのモチーフにしてアルバム制作 を開始。主な 作曲を花田裕之が担 当、歌詞は柴山俊之に依頼(5曲)。ベーシック・トラック録音後、歌詞が仕上がった 時点で安藤広一がイミュレーター(サンプリング・シンセサイザー の一種)で音を重ね、下山淳は時間の許す限りギターを重ねたほかベースも兼任。そしてレコーディングの後半は大江慎也の歌入れに費やされる事 に。 バンドにとって不本意な状況でしたが、完成したアルバムは、同時代のイギリスのバンドや60年代サイケ作品にも通じる、美しくも儚いサウンドに。大江慎 也が(都合上)ほぼ歌に徹した分、ヴォーカルの存在感、各メンバーの個性が以前より浮かび上がる。サウンドの透明 感とは対照的に、詞の世界観は陰鬱なものが多い。ちなみにアルバム・タイトルは大江慎也のアイデア。 現在も(変化の激しいバンドだった故に)聴き手側の好みの分かれるアルバムですが、発表時は音楽誌で高く評価 され、以降も出版物の日本のロック 特集記事ではファースト・アルバムと共に度々登場。また「Venus」のCMタイアップ効果も相俟って翌1985年1月には品切れ状態に。『DIS.』以降、初期とはまた別の世界を築いたルースターズでしたが、しかし本作もまだ通 過点に 過ぎず。翌1985年3月、再び変化が(次回『SOS』へつづく)。 (Thanks : Mさ ん、No.007さん、Iさん、Tさん、Sさん etc.) |
[抜粋 : インタビュー記事より] 大江慎也「(タ イトルについて)それほど深い意味は……ただ、『φ』です。"空集合"っていうか、 前から曲のタイトルにしたいって話はあったんです。」 (『ミュー ジック・ ステディ』1985年1月 号より/資料提供:No.007さん) 下山淳「『φ』の レコーディングはほんと、時間が凄くかかったけどね。2ヶ月かかったんだけど、それまでは殆ど1ヶ月で全部終わってたから、ルースターズのレコーディング は。花田と2人で録ってたの。ほんとは1ヶ月かからないで出来たんだけど、肝心のヴォーカルの人が、来ないの。今日は1行録れたか、みたいな感じだったか ら…(中略)…だから時間がどんどん過ぎていって、2ヶ月のうち1ヶ月は彼の時間だったからさぁ(笑)」 (『Rockin' On Japan』1988年9月号より/資料提供:Sさん) 花田裕之「僕は割と自分の作った曲を大江 がどう歌っているかが楽しみで、作曲している部分が多いんですね。"VENUS"だって考えてた以 上に良くなったパターンなんです。最初僕が狙ってたところよりも」 (抜粋:『Rockin' On』1985年2 月号よ り) 花田裕之「あのアルバムのレコーディング の時、 大江は何かを作れる状態じゃなかったんです。それまでオレの中では、大江の書いてきた作品をどうやって仕上げるか、曲をどうやって作って行くかっていう考 えしかなかったんです。そんな状態で頼れるっていうか、話の出来るのは下山しかいなかったし………だから二人で考えて作って行ったんです。」 (『THE ROOSTERZ STORY VOL.6』(1987年)より/資料提供: No.007さん) [関連サイト] 1 : 博多の音楽雑誌『BEATMAKS (第5号)』にこの頃のインタビュー記事が掲載。その復刻版がこちらのサイトで再掲載されています。 http://www.beatmaks.com/magazine/bm_05/bm_05.htm 2 : Re:minder - リマインダー『ルースターズのキーボーディストが語る!80年代はシンセサイザーカンブリア紀だ』 貴重な証言。安藤広一さんが「ニュールンベルグでささやいて」「C.M.C.」『φ(PHY)』の制作にまつわるエピソードを語っています。(掲載 : 2023年1月29日) |
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アルバ ム・ジャケット | |||
🔵 ジャケット : 印象的なアルバム・
ジャケットは、エメラルド・グリーンの絵の具を顕微鏡で拡大したもの。 🔵 アナログ盤 : 元々帯は無く、薄く透明なシュリンクでジャケットを包装(輸入盤LPでよく見られるパターン)。その上に、丸いステッカーが左上に貼られてい ます(画像 左)。 🔵 ステッカー : バンド名 の下に「NEW COMPLETE ORIGINAL ALBUM」との表記あり。このステッカーはCD化の際に省かれてしまいましたが、2003年9月発売の"紙ジャケット仕様"再発盤CDでミニチュア再 現されています。 |
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CD | |||
1 : COLUMBIA 30CA-1782 発売日 : 1987年9月1日 | |||
[仕
様] 🔵 歌詞 : あり(ブックレットに掲載) 🔵 アナログ盤歌詞カードの復刻 : なし 🔵 インナー・カード(曲目表) : あり 🔵 裏ジャケットの復刻 : トリミングされて掲載 🔵 ボーナス・トラック : なし |
初CD化は1987年9月。『THE ROOSTERZ CD COLLECTION』と題された復刻シリーズの一つとして、当時の新作『Passenger』と同時発売。ブックレットには歌詞が掲載されていますが、アナログ盤の歌詞カードに あったモノクロ画は未掲載。 また、裏ジャケットは何故か左上部分のみがトリミングされ、インナー・カード(トレーに入っている曲目表)も上部がト リミングされている。 |
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2 : COLUMBIA COCA-12578 発売日 : 1995年5月20日 | |||
[仕
様] 🔵 歌詞 : あり 🔵 アナログ盤歌詞カードの復刻 : なし 🔵 インナー・カード(曲目表) : なし 🔵 裏ジャケットの復刻 : あり 🔵 ボーナス・トラック : なし |
1995年に"CD文庫1500"という廉価盤シリーズの一つとしてリ
リース
されたCD。ジャケット裏側に歌詞が掲載
されていますが、アナログ盤
の歌詞カードにあったモノクロ画は未掲載。また、歌詞カードでは「Broken
Heart」の作曲者クレジットが何故か抜け落ちている。 初盤CDとの見分けは簡単で、1995年盤は透明のプラ・ケース+帯という仕様。本来トレーに入っている 曲目表が無く、外側からCDの盤面が見える。 |
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3 : TRIAD COCP-50263 発売日 : 2000年3月18日 | |||
[仕
様] 🔵 歌詞 : あり 🔵 アナログ盤歌詞カードの復刻 : イラスト画のみ復刻。裏側の歌詞は未掲載。 🔵 裏ジャケットの復刻 : あり 🔵 解説書 : 新規解説書付き 🔵 ボーナス・トラック : 4曲 🔵 2000年リマスター音源 |
2000年に結成20周年記念で発売されたCD。デジタ
ル・リマスター/紙ジャケッ
ト仕様。当初は3000枚プレスされ、好評につ
き半年後に追加プレスされたらしい。 ボーナス・トラック としてビデオ『パラノイアック・ライヴ』から「Come On To Me」「I'll Be Eyes」「Femme Fatale」「Tonight」(Iggy Popのカヴァー)の4曲を収録。ビデオ音声が基ですが、音源で収録されたCDはこれのみ。 |
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4 : TRIAD COCA-50757 発売日 : 2003年9月10日 | |||
[仕
様] 🔵 歌詞 : あり 🔵 アナログ盤歌詞カードの復刻 : イラスト画・歌詞共に掲載 🔵 裏ジャケットの復刻 : あり 🔵 解説書 : なし 🔵 ボーナス・トラック : なし 🔵 2003年リマスター音源 |
2003年9月10日にデジタル・リマスター・紙ジャケッ ト仕様で再発売。アナログ盤発売時 にジャケットを被う透明フィルムに付けられたステッカーが復元されている。また、アナログ盤の時点で帯は元々ありませんでしたが、新たに帯が付けられ ています。歌詞カードは縮小版と4つ折の2種類を封入。2000年版に収録されていたボーナス・トラックはなし。 | ||
5 : 『Virus Security』TRIAD COZA-91〜122 発売日 : 2004年9月29日 | |||
[仕
様] 🔵 ボックス・セットの一部として収録 🔵 音源 : 2003年リマスター 🔵 盤 : 表ジャケットをプリントしたピクチャー・レーベル 🔵 ジャケット : 表・裏共に付属ブックレットに掲載 🔵 歌詞 : 付属ブックレットに掲載 |
ボックス・セット『Virus Security』の"CD-8"にアルバム全曲を収録。 | ||
6 : COLUMBIA COCP-40425 発売日 : 2018年7月25日 |
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[仕
様] 🔵 音源 : 2018年リマスター 🔵 盤 : UHQCDを採用 🔵 歌詞 : あり |
2018年7月25日発売の再発盤。盤はUHQCDを採用。 |
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主な配信版 (COKM-44610/2023年11月1日配信開始) |
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◉ iTunes/Apple Music ◉ mora ◉ OTOTOY (ファイル形式選択可) ◉ mysound ◉ LINE MUSIC ◉ レコチョク ◉ Spotify ◉ Amazon Music/mp3 ◉ TOWER RECORDS MUSIC ◉ YouTube |
● 2023年11月1日、紆余曲折を経てルースターズの主要作品118曲の配信がスタート(註 :
シングル用音源、解散後に発掘された各種レア・トラックを除く。本作だと2000年盤CDボーナス・トラックのライヴ音源、Box Setで発掘された「Femme
Fatale」初期別テイク、「φ」("Vénus"のイントロ全長版)等は今回配信対象外になります)。なおこの配信に合わせ、コロムビアが特設サイトをオープンしています。https:
//columbia.jp/roosters/ ● ←のリンクは個人的把握内でリストアップしてみましたが、実際にはもう少しあると思われます。定額制のストリーミング配信、1曲から購入可能なダウンロード版等種類も様々。(掲載 : 2023年11月1日) ● 追記 (2023年11月4日) : YouTubeでアルバム『φ (PHY)』を再生すると、1曲目「Vénus」がMV(以前YouTube用に短く編集されたヴァージョン)が自動再生されてしまいます。もしや『DIS.』も・・・と思って確認したら「I'm Swayin' In The Air」もMV(ミュージック・ビデオ。昔"プロモーション・ビデオ"と呼ばれていたもの)が再生されます。配信開始日の11月1日時点では通常音源が フツーに自動再生されていたのですが・・・もしこれ書いた後に元に戻っていたらスミマセン。これはYouTubeで全般的にある現象で、他のアーティスト のアルバムでも"1曲に別ヴァージョン/別ミックスが複数存在するもの"や、MVが存在する曲は適切な音源がかからない場合がありますのでご注意を…と、念のためメモ。 |
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