φ (PHY)
(作成:2000年3月 18日/更新:2015年3月26日)
φ
(Side A)
1.
Venus (作 詞:柴山俊之/作曲:花田裕之)
2. Come On (作詞:大 江慎也,M.Alexander/作曲:大江慎也)
3. Down Down (作詞:柴山俊之/作曲:花田裕之)
4. Heavy Wavy (作詞:大江慎也/作曲:下山 淳)
5. Broken Heart (作詞:柴山俊之/作曲:花 田裕之)
(Side B)
6. Femme Fatale (作詞・作 曲:Lou Reed)
7. Street In The Darkness (作詞:柴山 俊之/作曲:花田裕之)
8. Message From・・・・・Come On,Love My Girl (作 詞:柴山俊之/作曲:花田裕之)
9. Last Soul (作詞:大江慎也/作曲:下山淳)
10. Music From Original Motion Picture "Punishment" (作曲:花田裕 之,下山淳)
発売日:1984年12月21日
LP : COLUMBIA AF-7334 (1984.12.21.)
CT : COLUMBIA CAR-1337 (1984.12.21.)
CD : COLUMBIA 30CA-1782 (1987.9.1.)
CD : COLUMBIA COCA-12578
("CD文庫1500"/1995.5.20.)
CD : TRIAD COCP-50263
(紙ジャケ /2000.3.18.)
CD : TRIAD COCA-50757
(紙ジャケ /2003.9.10.)
Produced by Shozo Kashiwagi for OUR JOY
Arranged by The Roosterz
Engineers:Yasuyuki Moriyama
Recorded and Mixed at Star Ship by Yasuyuki Moriyama,Shozo Kashiwagi
Original Album Cover Art Direction:Tomone Kaburagi and Michimasa Itaya
Cover Art:Tomone Kaburagi
Graphic Work:Ritsuko Nakamura
Photography:Kaoru Ijima
Microscope Specialist:Takehiko Hayashi
Cover Comcept:Shozo Kashiwagi
大江慎也(vocal) 花田裕之(guitar,vo,chorus) 下山淳(guitar,bass,chorus) 灘友正幸(drums) 安藤広一(keyboards)
[1984年4月〜12月]

アルバム
Good Dreams(1984年4月)発表後のルースターズは精力的にライヴ 活動を行い、数々のイベントや学園祭等に出演。7月15日にはバンド初のライヴ・ビデオParanoiac Liveを制作(10月に発売)、 8月下旬には新宿LOFTで7日間連続ライヴを施行。さらに東北地方で熱狂的な盛り上がりを見せ人気が高まる一方、そのハード・スケジュールにより大 江慎也の精神的不調は深刻化、メンバー同士の会話も減り、決して順調とはいえない状況だったようです。

 7日間連続ライヴ終了直後の1984年9月、大江慎也が再び入院。ほぼ同時期にレコード会社からは次のアルバムの要請が。しかしこの時点で用意出来たの はカヴァー曲「宿命の女」や大江慎也のオリジナル「Come On」等数える程で、後に「Venus」と なる曲も歌詞が未完成。大江慎也主導によるアルバム制作は事実上不可能に…。そこでプロデューサーの柏木省三の提案により、60年代後半のサイケデリック /フラワー・ムーヴメントを一つのモチーフとして、主な作曲を花田裕之が担当し、歌詞は柴山俊之に依頼。ベーシック・トラックを録音後、歌詞が仕上がった 時点で安藤広一がイミュレーター(サンプラー の一種)で音を重ね、下山淳は時間の許す限りギターを重ねたほかベースも兼任。レコーディングの後半は退院した大江慎也の歌入れに費やされる事に…と不本 意な状況下で制作されたためにバンドとしての一体感は薄れた分、各メンバーの次の展開も随所で見え隠れする。

 こうして完成したアルバムは美しくも儚いサウンドに。結成時からいくつもの段階を経て変化を遂げた音楽性(これは60年代イギリスのいくつかのバンドが 辿った道にも通ずる)や、その透明感とは対照的に陰鬱な詞の 世界が聴き手側の好みの分かれるところですが、発表当時は音楽誌で高く評価され、その後も日本のロック特集記事でファースト・アルバムと共に度々登場。ま た、「Venus」のCMタイアップ効果もあり過去最高の セールスを記録。ちなみにアルバム・タイトルは大江慎也の提案によるもの。(一部情報提供:Mさん、 No.007さん、Iさん、Tさん、Sさん etc.)
[抜粋:インタビュー記事より]

大江慎也
「(タイトルについて)それほど深い意味は……ただ、φです。"空集合"っていうか、 前から曲のタイトルにしたいって話はあったんです。」(抜粋:『ミュージック・ ステディ』1985年1月 号より/資料提供:No.007さん)

下山淳
φの レコーディングはほんと、時間が凄くかかったけどね。2ヶ月かかったんだけど、それまでは殆ど1ヶ月で全部終わってたから、ルースターズのレコーディング は。花田と2人で録ってたの。ほんとは1ヶ月かからないで出来たんだけど、肝心のヴォーカルの人が、来ないの。今日は1行録れたか、みたいな感じだったか ら…(中略)…だから時間がどんどん過ぎていって、2ヶ月のうち1ヶ月は彼の時間だったからさぁ(笑)」(抜粋:『Rockin' On Japan』1988年9月号より/資料提供:Sさん)

花田裕之
「僕は割と自分の作った曲を大江がどう歌っているかが楽しみで、作曲している部分が多いんですね。"VENUS"だって考えてた以 上に良くなったパターンなんです。最初僕が狙ってたところよりも」(抜粋:『Rockin' On』1985年2月号よ り)

花田裕之
「あのアルバムのレコーディングの時、 大江は何かを作れる状態じゃなかったんです。それまでオレの中では、大江の書いてきた作品をどうやって仕上げるか、曲をどうやって作って行くかっていう考 えしかなかったんです。そんな状態で頼れるっていうか、話の出来るのは下山しかいなかったし………だから二人で考えて作って行ったんです。」(抜粋:『THE ROOSTERZ STORY VOL.6』(1987年)より/資料提供:No.007さん)

[関連サイト]
 
博多の音楽雑誌BEATMAKS (第5号)』にこの頃のインタビュー記事が掲載。現在その復刻版がこちらのサイトで読む事が出来ます。
http://www.beatmaks.com/magazine/bm_05/bm_05.htm
アルバ ム・ジャケットについて:

表 ジャケットは絵の具を顕微鏡で拡大したものだそうで す。また、アナログ盤は元々帯は無く、輸入盤LP風にジャケットを薄い透明フィルムで包み、その上から左上側に丸いステッカーが貼られています(画像 左)。バンド名 の下には「NEW COMPLETE ORIGINAL ALBUM」との表記が。このステッカーはCD化の際に省かれてしまいましたが、2003年9月に紙ジャケット仕様のリマスター盤CDが発売された際にミ ニチュア化され再現されています。
CDについて:
a : COLUMBIA 30CA-1782 発売日:1987年9月1日
歌詞 : あり(ブックレットに掲載)。
アナログ盤歌詞カードの復刻 : なし。
インナー・カード(曲目表) : あり。
裏ジャケットの復刻 : トリミングされて掲載。
ボーナス・トラック : なし。
◎初CD化は1987年9月に当時の新作Passengerに合わせて発売。ブックレットには歌詞が掲載されていますが、アナログ盤の歌詞カードに あったモノクロ画は未掲載。また、裏ジャケットは何故か左上部分のみがトリミングされており、インナー・カード(トレーに入っている曲目表)では上部がト リミングされて掲載されている。ボーナス・トラックはなし。
b : COLUMBIA COCA-12578 発売日:1995年5月20日
画像なし
歌詞 : あり。
アナログ盤歌詞カードの復刻 : なし。
インナー・カード(曲目表) : なし。
裏ジャケットの復刻 : あり。
ボーナス・トラック : なし。
1995年に"CD文庫1500"というシリーズの一つとしてリリースされた廉価再発盤。ジャケット裏側に歌詞が掲載 されていますが、アナログ盤 の歌詞カードにあったモノクロ画は未掲載。また、歌詞カードでは「Broken Heart」の作曲者クレジットが何故か抜け落ちている。

 CDは透明のプラ・ケースに帯が付けられ、インナー・カード(トレーに入っている曲目表)はなし。ボーナス・トラックはなし。
c : TRIAD COCP-50263 発売日:2000年3月18日
歌詞 : あり。
アナログ盤歌詞カードの復刻 : イラスト画のみ復刻。裏側の歌詞は未掲載。
裏ジャケットの復刻 : あり。
解説書 : 新規解説書付き。
ボーナス・トラック : 4曲。
2000年リマスター音源。
2000年に結成20周年を記念して発売された紙ジャケット仕様のCD。デジタル・リマスターが施さ れ、ボーナス・トラック としてビデオパラノイアック・ライヴから「Come On To Me」「I'll Be Eyes」「Femme Fatale」「Tonight」の4曲を収録。限定盤だったため(当初は3000枚プレスされ、好評につ き半年後に追加プレスされたらしい)、現在では入手困難。
d : TRIAD COCA-50757 発売日:2003年9月10日
歌詞 : あり。
アナログ盤歌詞カードの復刻 : イラスト画・歌詞共に掲載。
裏ジャケットの復刻 : あり。
解説書 : なし。
ボーナス・トラック : なし。
2003年リマスター音源。
2003年9月10日にデジタル・リマスター・紙ジャケット仕様で再発売。アナログ盤発売時 にジャケットを被う透明フィルムに付けられたステッカーが復元されている。また、アナログ盤の時点で帯は元々ありませんでしたが、新たに帯が付けられ ています。歌詞カードは縮小版と4つ折の2種類が封入。2000年版に収録されていたボーナス・トラックはなし。
e : Virus SecurityTRIAD COZA-91〜122 発売日:2004年9月29日

◎2004年9月29日に発売さ れたボックス・セット『Virus Security』の"CD-8"にアルバム全曲を収録。
収録曲

1. Venus (作詞:柴山俊之/作曲:花田裕之)

 中期ルースターズの代表作で、作曲:花田裕之、作詞:柴山俊之による作品。発表当時"DENON CONCEPT"というオーディオのCMでイメージ・ソングとして使われていました。この曲がアルバムに収録されるまでには紆余曲折あり、当初は「I'll Be Eyes」と題され大江慎也が英語で作詞をしてお り、1984年7月15日@赤坂ラフォーレミュージアムで行われたビデオParanoiac Liveの収録で初披露。これが第1段 階。しかしビデオ編集の段階でルースターズのメンバーによって歌詞が日本語に変更され、大江慎也のヴォーカルも差し替えられてビデオParanoiac Liveに収録(第2段階。作詞:ザ・ ルースターズ/作曲:花田裕之とクレジット)。そして本作『φ』に 収録される際、第2段階の歌詞を基に柴山俊之によって書き直されています。ちなみに「1,2,3,4,Go Go in the sky」の部分は歌詞の第1段階で大江慎也が書いたもの。

 一方サウンドはフォーク・ロック〜ネオ・サイケを基調に安藤広一のシンセサイザー(ストリングスというよりメ ロトロン…The ZombiesOdessey And OracleやThe Moody Blues「Nights In White Satin」等の60年代後半サイケ時代に多用されたサンプリング・キーボードの音色に近い。ビブラートのかかり具合でそう感 じるだけかも…。音楽誌Eazy Onのアルバム・レビューではIt's A Beautiful Dayが引き合いに出されていました)や花田裕之と下山淳のギターが交差している。ギター・ソロは間奏が花田裕之、後 半が下山淳。時折聞こえるシンセ・ドラムのフィルインが時代を感じさせる。

 ライヴでは(原型を含めると)1984年7月〜1986年末ま で頻繁に取り上げられ、1988年の解散ライヴでも演奏。解散後は花田裕之/Rock'n'Roll Gypsiesが1997年3月16日@渋谷On Aie Westで演奏されたほか、大江慎也(下山淳との共演、Cuttersを含む)、花田裕之の各ソロ・ライヴ、2013〜14年にかけて行われたThe Roostersの再編ライヴでも演奏されています。

ヴァージョン/テイク違いのバリエーション:

a : "I'll Be Eyes (=I'll Be Your Eyes")

 "Venus"の未完成状態(第2段階)的なヴァージョンで、曲名も"I'll Be Eyes"となっています。ちなみに書籍によって"I'll Be Your Eyes"と紹介される場合もあり、"Your"を入れないで直訳すると「私は目です」になります…(笑)。音源自体は1984年7月15日@赤坂ラフォーレミュージアムでのライヴ・テイクで、後にライヴ・ビデ オParanoiac Liveで 発表される際、収録当日のヴォーカル・パート(=第1段階:大江慎也による未完成状態の英語詞)をカットし、新たに別の日本語詞(作詞:ザ・ルースター ズ)で歌い直さ れています。映 像が歌の部分に差し掛かるとCGやイメージ映像に切り替わるのはそのため。演奏は「Venus」とほぼ同じですが、所々まだ練られていない印象。演奏メン バーは大江慎也(vo)/花田裕之(g,cho)/下山淳(g)/安藤広一(k)/灘友正幸(d)/柞山一彦(b)。このテイクはしばらくビデオのみの収 録でしたが、『φ』の2000年紙ジャケット仕様リマスター盤のボーナス・トラックとして初 CD化。
(収録作品)
Paranoiac Live(VHS/1984年)
『φ』(CD= TRIAD COCP-50263/2000年盤紙ジャケット仕様CD)
『Virus Security』(ボックス・セット/2004年)

b : "Venus" (="I'll Be Eyes" Alternate Version)

 80年代後半〜90年代前半にかけて乱造された、メンバー非公認音源の一つ。厳密にはaの"I'll Be Eyes"と同一テイク&別ヴァージョンで、オープニングのインストゥルメンタル・パートをカット、それ以降はParanoiac Live版とは別ミックス。イントロの ギター・リフの背後から、セリフのような声がエコーに埋もれた状態で聞こえる。
(収録作品)
All About Shinya Ohe Vol.4(CD=NIPPON CROWN CRCR-6044/1992年)

c : "Venus"

 アルバム『φ』をはじめ、一般的に流通しているヴァージョン。他に下記のCD等にも収録。
(その他の収録作品)
『SUPER TWIN THE ROOSTERS(1990年)
『THE FIRST HALF COLLECTION(1992年)
『Best Songs Collection(1995年)
『The Very Best Of THE ROOSTERS(1997年)
『Virus Security』(ボックス・セット/2004年)
『ゴールデン★ベスト(2009年)

d : "Venus (Ending)"

 ライヴ・ビデオParanoiac Liveのエンディングに収録されてい る"Venus"のインストゥルメンタル・パート。この後に紹介するものとは別テイク。
(収録作品)
Paranoiac Live(VHS/1984年)
『Virus Security』(ボックス・セット/2004年)

e : "φ"

 "Venus"のインストゥル メンタル・パートにあたる部分で、作曲:花田裕之/下山淳/安藤広一とクレジット。テイク自体は『φ』の冒頭約58秒と同じですが、こちらは未編集で5分26秒 にわたり収録。この音源はアルバム『φ』発表時にはライヴのオープニングBGMとして、2004年のFuji Rock Festival出演時にはエンディングBGMとして使用されました。後に2004年発表のボックス・セットで初CD化。
(収録作品)
『Virus Security』(ボックス・セット/2004年)

f : "φ" (Short Version)

 dのテイクを2分46秒に編集したショート・ヴァージョンで、ボックス・セッ トとほぼ同時期に出版されたロック画報(17)の"Special Sampler CD"に収録。
(収録作品)
ロック画報(17)(書籍=ブルース・インターアクションズ/2004年9月)

g : Live Version (1985/2/14)

 1985年2月14日@高知グリーン・ホールでの演奏。メンバーは大江慎也 (vo)/花田裕之(g,cho)/下山淳(g)/安藤広一(k)/灘友正幸(d)/柞山一彦(b)。会場の備え付けカメラ(一台)で記録的に録画された もので画的に淡々とした印象ですが、『φ』発表直後のライヴ・テイクとしては唯一公式発表され、この1ヶ月後に大江慎 也がバンドから離れてしまうという意味でも貴重な映像。2004年発表のボックス・セットで初リリース。
(収録作品)
『Virus Security』(ボックス・セット/2004年)

h : Live Version (On Air :1986/1/1)

 替わってこちらは花田裕之リード・ヴォーカル体制となった1986年1月1日にテレビ埼玉で放送されたス タジオ・ライヴ映像(収録は恐らく1985年12月頃と思われます)。メ ンバーは花田裕之(g,vo)/下山淳(g)/灘友正幸(d)/柞山一彦(b)にサポート・メンバーで木原龍太郎(k/Blue Tonic)が加わった編成。曲の後半で花田がThe Temptations(というよりストーンズ経由)の「Just My Imagination (Running Away With Me)」の一節を歌っている。
(収録作品)
『Virus Security』(ボックス・セット/2004年)

i : Live Version (1988/7/22)

 1988年7月22日@渋谷公会堂で行われたThe Roosterzの解散ライヴでのテイクで、メ ンバーは大江慎也(vo)/花田裕之(g,cho)/下山淳(g)/穴井仁吉(b)/三原重夫(d)にサポート・メンバーで朝本浩文(k/Mute Beat)が加わった編成。大江慎也にとっては1985年3月以来のバンド合流となり、ルースターズも"FOUR PIECES"期とあって非常にパワフルな演奏(これが一般流通されずにフツーに聴けないのが惜しい…と余計なひと言)。このテイクはライヴ盤『FOUR PIECES LIVE』(1988年)ではカットされましたが、2004年にボックス・セットで初CD化(映像版が未収録なのは 恐らく素材が現存しないか、元のビデオ・テープの劣化orカビで再生不能の可能性が…推測)。
(収録作品)
『Virus Security』(ボックス・セット/2004年)

j : Live Version (2013/2/16)

 時代は一気に近づいて…2013年2月16日@福岡サンパレスで行われたライヴ・テイクで、この時初めてThe Roostersのオリジナル・メンバー4人によって演奏されています。冒頭のインストゥルメンタル・パートは省略され、曲後半のギターソロは大江慎也が 弾いている。
(収録作品)
『eating house』(DVD=BMtunes XBBV-4003/2013年)

k : Live Version (2013/10/7)
l : Live Version (2013/10/8)

 
2013 年10月7,8日@京都磔磔でのライヴ・テイクで、2日両日演奏されています。こちらも冒頭のインストゥルメンタル・パートは省略され、曲後半のギターソ ロは大江慎也が弾いている。この時はアコースティック・シュミレーターの音で弾いていますが、翌2004年のSHINYA OE AND THE CUTTERSやThe Roostes@Fuji Rock Festival'14でのライヴではフェイザーをかけて演奏しています。
(収録作品)
『All These Blues』(DVD=BMtunes BMDV-1001〜2/2014年)
2. Come On (作詞:大江慎也,M.Alexander/作曲:大江慎也)

 Chuck Berryの「Come On」とは同名異曲。アルバムの中で大江慎也が作曲した唯一の作品で、シンプルなギター・リフに大江のトーキング・スタイルorラップ風の ヴォーカルが乗 る。ライヴでは1984年7月頃から演奏され始め、大江離脱後もしばらくレパートリーに含まれていました。

◎ヴァージョン/テイク違いのバリエーション:

a : Come On To Me (Live Version:1984/7/15)

 1984年7月15日@赤坂ラフォーレミュージアムでのライヴ・ヴァー ジョンで、タイトルは「Come On To Me」となっています。演奏メ ン バーは大江慎也(vo,g)/花田裕之(g)/下山淳(g)/安藤広一(k)/灘友正幸(d)/柞山一彦(b)。ビデオParanoiac Liveで初収録され、『φ』の2000年紙ジャケット盤で初CD化。
(収録作品)
Paranoiac Live(VHS/1984年)
『φ』(CD= TRIAD COCP-50263/2000年盤紙ジャケット仕様CD)
『Virus Security』(ボックス・セット/2004年)

b : Come On To Me (Live Version:1984/9/1)

 1984年9月1日@新宿LOFT"Person To Person"でのライヴ・テイク。演奏メン バーは大江慎也(vo)/花田裕之(g)/下山淳(g)/安藤広一(k)/灘友正幸(d)/柞山一彦(b)。モノラル・オーディエンス録音でピッチがやや 遅いものの、アルバム・リリース以前の演奏が聴ける。2004発表のボックス・セットで初CD化。
(収録作品)
『Virus Security』(ボックス・セット/2004年)

c : Studio Version

 アルバム『φ』をはじめ、一般的に流通しているヴァージョン。他に下記のCD等にも収録。
(その他の収録作品)
『Best Songs Collection(1995年)
『Virus Security』(ボックス・セット/2004年)
『ゴールデン★ベスト(2009年)

d : Live Version (1985/2/14)

 1985年2月14日@高知グリーン・ホールでのライヴ映像。メンバーは大 江慎也(vo)/花田裕之(g,cho)/下山淳(g)/安藤広一(k)/灘友正幸(d)/柞山一彦(b)。2004年発表のボックス・セットで初リリース。
(収録作品)
『Virus Security』(ボックス・セット/2004年)

e : Live Version (1985/8/29)

 1985年8月29日@新宿LOFT"Person To Person III"でのライヴ・テイクで、リード・ヴォーカルは花田裕之。この時の演奏メンバーは花田裕之(g,vo)/下山淳(g)/灘友正幸 (d)/柞山一彦(b)にサポートで木原龍太郎(k/Blue Tonic)が加わった編成。2004年発表のボックス・セットで初CD化。
(収録作品)
『Virus Security』(ボックス・セット/2004年)

 f: Live Version (詳細不明)

 80年代後半〜90年代前半にかけて乱造された、メンバー非公認音源 の一つで、タイトルは何故か「Com'n」と表記されています。録音日・会場等の詳細は不明ですが、ギターやドラムを聴く限りではルースターズの演奏では なく、1987年頃の1984 featuring 大江慎也による演奏なのでは…(個人的推測)。
(収録作品)
All About Shinya Ohe Vol.4(CD=NIPPON CROWN CRCR-6044/1992年)


🔵 1985年2月11日(月)、テレビ神奈川『ファンキートマト』にゲスト出演した際の「Come On」。生放送&リップシンク。(余談:個人的にはリアルタイムでルースターズをテレビで観かけた数回のうちの一つで、この番組も毎週観ていました。にしても、保存状態のいいものがどこかしらにあるんだなぁ…と。)


3. Down Down (作詞:柴山俊之/作曲:花田裕之)

 柴山俊之作 詞、花田裕之作曲&ヴォーカル。収録曲の中では最後に作られたようで、花田裕之の ヴォーカルと重なって聞こえてくる低音 ヴォーカルは柴山俊之。 印象的なギター・リフは「Hard Rain」を弾いている最中に閃いたのでは(勝手な推測)。ライヴではアルバム発表直前の1984年11月〜1985年末までレパートリーに加わり、解散 後は花田裕之/Rock'n'Roll Gypsiesの1995年のツアーでアレンジを替えて演奏(アコースティック・ギターの他にマンドリン、サックスが加わっている)。2009年以降は花 田裕之の弾き語りライヴ"流れ"でも時々演奏されています。

◎ヴァージョン/テイク違いのバリエーション:

a: Live Version (1985/2/14)

 1985年2月14日@高知グリーン・ホールでのライヴ映像。メンバーは大 江慎也(vo)/花田裕之(g,cho)/下山淳(g)/安藤広一(k)/灘友正幸(d)/柞山一彦(b)。2004年発表のボックス・セットで初リリース。
(収録作品)
『Virus Security』(ボックス・セット/2004年)

b : Album Version

 アルバム『φ』をはじめ、一般的に流通しているスタジオ・ヴァージョン。他に下記のCD等にも収録。
(その他の収録作品)
『THE LAST HALF COLLECTION』(1989年)
『SUPER TWIN THE ROOSTERS(1990年)
『Best Songs Collection(1995年)
『Virus Security』(ボックス・セット/2004年)
『ゴールデン★ベスト(2009年)

c : Live Version (1985/8/29)

 1985年8月29日@新宿LOFT"Person To Person III"でのライヴ・テイクで、この時の演奏メンバーは花田裕之(g,vo)/下山淳(g)/灘友正幸(d)/柞山一彦(b)にサポートで 木原龍太郎(k/Blue Tonic)が加わった編成。2004年発表のボックス・セットで初CD化。
(収録作品)
『Virus Security』(ボックス・セット/2004年)


●YouTube : 花田裕之の弾き語りライヴ"流れ"での「Down Down」(2013年5月10日@栃木でのライヴより)。


4. Heavy Wavy (作詞:大江慎也/作曲:下山淳)

 下山淳が作曲、大江慎也が歌詞とリード・ ヴォーカルを担当。変則的なリズム・パターンやエキセントリックな歌詞が印象的(「僕と君とユニコーン Fun fun fun...」とか…)。また、この曲のドラムは外部ミュージシャンが叩いているとの事ですが、真相は不明。アルバムの中ではパワフルな部類の曲です が、ライヴでは一度も取り上げられていないようです。
5. BROKEN HEART (破れたハート) (作詞:柴山俊之/作曲:花田裕 之)

 絶望感漂う歌詞ともの悲しい曲調が印象的な作品。リード・ヴォーカルは大江。曲中で聞けるヴァイオリンの音は安藤がイミュレーターでサンプリングして キーボードで演奏したもの。ライヴではアルバム発表直前から取り上げられ始め、ヴォーカルが花田裕之に変わった後も1987年まで演奏されています(ボッ クス・セット『Virus Security』では大江・花田両者のライヴ・ヴァージョンを 収録)。アナログ盤で はここまでがA面でした。

◎ヴァージョン/テイク違いのバリエーション:

a: Live Version (1985/2/14)

 1985年2月14日@高知グリーン・ホールでのライヴ映像。メンバーは大 江慎也(vo)/花田裕之(g,cho)/下山淳(g)/安藤広一(k)/灘友正幸(d)/柞山一彦(b)。イントロはスタジオ版とは異なり、ドラムと ディレイをかけた下山淳のギターに変更。2004年発表のボックス・セットで初リリース。
(収録作品)
『Virus Security』(ボックス・セット/2004年)

b : Album Version

 アルバム『φ』に収録されているスタジオ・ヴァージョン。他に下記のCDにも収録。
(その他の収録作品)
『Virus Security』(ボックス・セット/2004年)

c : Live Version (1985/8/29)

 1985年8月29日@新宿LOFT"Person To Person III"でのライヴ・テイクで、リード・ヴォーカルは花田。この時の演奏メンバーは花田裕之(g,vo)/下山淳(g)/灘友正幸(d)/ 柞山一彦(b)にサポートで木原龍太郎(k/Blue Tonic)が加わった編成。2004年発表のボックス・セットで初CD化。
(収録作品)
『Virus Security』(ボックス・セット/2004年)


6. Femme Fatale (宿命の女) (作詞・作曲:Lou Reed)

 アナログ盤ではここからがB面。アルバム中唯一のカヴァー曲で、60年代後半のアメリカのロック・バンド、The Velvet Undergroundがアルバム『The Velvet Underground & Nico』(1967年)の中で発表した作品。他にBig Star(1978年)、R.E.M.(1986 年)、Duran Duran(1993年)、Tica(2009年)等複数のアーティストが取り上げていますが、日本のバンドによるカヴァーとしては最も 古いものと思われます(調べた限りではそれ以前には見当たらず。初期のラ イヴで演奏していた「We're Gonna Have A Real Good Time Together」が発売されるのは1990年になってから。ルースターズは他に「I'm Waiting For The Man」「Sweet Jane」等も取り上げている)。また、オリジナルでリード・ヴォーカルを取っていた Nicoが1986年4月に行った日本公演は、後に柏木省三プロデュースによりNico In Tokyo(1986年)して発表されています。

 このルースターズ版では花田裕之がリード・ヴォーカルで、下山淳がコーラス。ライヴでは
『Good Dreams』発表直前の1984年3月頃から約1年間にわたり演奏。解散後は花田裕之の弾き語り"流れ"やband HANADA(花田裕之/井上富雄/大西ツル/椎野恭一)のライヴで時々演奏されています。

◎ヴァージョン/テイク違いのバリエーション:

a : Live Version (1984/7/15)

 1984年7月15日@赤坂ラフォーレミュージアムでのライヴ・ヴァー ジョンで、花田裕之(g)/下山淳(g)/安藤広一(k)/灘友正幸(d)/柞山一彦(b)。『φ』収 録版とはアレンジが異なり、花田のリズム・ギターから始まり、下山のヴォリューム・ペダル奏法のギター→安藤のシンセサイザー→柞山のベース(Lou Reedの「Walk On The Wild Side」のリフを弾いている)→灘友のドラムの順で音が積み重なる構成。また、コーラス・パターンも若干異なり、安藤が高いパートを歌っている。ビデオParanoiac Liveで初収録され、『φ』の2000年紙ジャケット盤で初CD化。
(収録作品)
Paranoiac Live(VHS/1984年)
『φ』(CD= TRIAD COCP-50263/2000年盤紙ジャケット仕様CD)
『Virus Security』(ボックス・セット/2004年)

b : Alternate Take

 aとほぼ同じアレンジでレコーディングされた、スタジオ版の初期別テイク。前出の雑誌BEATMAKS (第5号)』でのインタビューでも触れられている通り、花田裕之が再録音を提案したためにこのテイクはお蔵入りとなり、2004年になってボックス・セッ ト『Virus Security』でようやく日の目を見る事に。
(収録作品)

『Virus Security』(ボックス・セット/2004年)

c : Album Version

 アルバム『φ』をはじめ、一般的に流通しているスタジオ・ヴァージョン。a,bのテイクとはアレンジが異なり、ドラムか らスタート、キーボードもシンセからエレクトリック・ピアノに変更。他に下記のCD等にも収録。
(その他の収録作品)
『Best Songs Collection(1995年)
『Virus Security』(ボックス・セット/2004年)
『ゴールデン★ベスト(2009年)

d : Live Version (1985/2/14)

 1985年2月14日@高知グリーン・ホールでのライヴ映像。メンバーは花 田裕之(g,vo)/下山淳(g,cho)/安藤広一(k,cho)/灘友正幸(d)/柞山一彦(b)。2004年発表のボックス・セットで初リリース。
(収録作品)
『Virus Security』(ボックス・セット/2004年)


7. Street In The Darkness (作詞:柴山 俊之/作曲:花田裕之)

 柴山俊之作 詞、花田裕之作曲。退廃的なムードが漂う、アルバム中特に陰鬱な作品。「首にビーズを…」は 1967〜69年頃のヒッピー・ムーヴメントを指す。ライヴではアルバム発表後からレパートリーに加わり、ヴォーカルが花田裕之に交代した1985年の夏 頃まで演奏されていたようです。解散後では花田裕之が2009年以降に弾き語りライヴ"流れ"で何度か取り上げています。

◎ヴァージョン/テイク違いのバリエーション:

a : Live Version (1985/2/14)

 1985年2月14日@高知グリーン・ホールでのライヴ映像。メンバーは大 江慎也(vo)/花田裕之(g)/下山淳(g)/安藤広一(k)/灘友正幸(d)/柞山一彦(b)。2004年発表のボックス・セットで初リリース。
(収録作品)
『Virus Security』(ボックス・セット/2004年)

b : Album Version

 アルバム『φ』に収録されているスタジオ・ヴァージョン。他に下記のCDにも収録。
(その他の収録作品)
『Virus Security』(ボックス・セット/2004年)


8. MESSAGE FROM・・・・・COME ON,LOVE MY GIRL (作詞:柴山俊之/作曲:花田裕 之)

 こちらも柴山俊之作詞、花 田裕之作曲による作品で、こちらも60年代後半のヒッピー/フラワー・ムーヴメント的な世界が展開される。キーボードが全面に出ているほ か、エンディング間際で登場するファズ・ギターが非常に効果的。ライヴでは一度も取り上げられていないようです。


9. Last Soul (作詞:大江慎也/作曲:下山淳)

 大江慎也作 詞、下山淳作 曲による幻想的で美しいフォーク・ロック作品で、下山にとっては初めて作った歌ものの 曲。アルバム発表後の出来事を思うと自己暗示的にも映る大江の歌詞(ちなみに英語の部分をGoogleとYahoo!の翻訳にかけると双方で微妙に違う結 果が出て来る)、間奏での下山のギター・ソロや直後に登場する安藤のス トリング・シンセ等どれを取っても申し分無く、アルバム後半の聴き所の一つ。NHK九州制作のテレビ番組『ピープル九州・ガラスのようにきらめいて〜ザ・ ルースターズ大江慎也の彷徨』(1990年)でもBGMとして使用されていました。

 なお、ライヴでの演奏は極めて少なく、大江慎也在籍時では1985年2月下旬〜3月15日の半月間に数回演奏されたのみで、大江慎也入院直後の1985 年3月26日@筑波で安藤広一が一度歌った後レパートリーから外れ、1986年12月17日@恵比寿で下山淳のヴォーカルで再び取り上げられています。解 散後は2000年代前半に下山淳が(KyOn Ton Rouletteを含む)ソロ・ライヴでアコースティック編成で数回演奏。2005年8月23日(深夜)には新宿ロフトプラスワンで大江慎也(vo) &下山淳(g)で演奏されたほか、2005年5月28日@下北沢440で行われた大江慎也&花田裕之のライヴ音源がOrigin Duo〜Counterattack 大江慎也&花田裕之Acoustic Live(CD+DVD=Creage POCE-3515)としてリリースされています。

10. Music From Original Motion Picture "Punishment"(作曲:花田裕之,下山淳)

 最後は花田と下山によるインストゥルメンタル・ナンバー。どうやら架空の映画のサントラのようです。ライヴでは一度も演奏されなかった代わりに Opening BGMとして使用されていたようです。
CD BONUS TRACKS (2000年3月18日発売の紙ジャケット版のみ収録)

11. Come On To Me(作詞・作曲:大江慎也)
12. I'll Be Eyes(作詞:ザ・ルースターズ/作曲:花田裕之)
13. Femme Fatale(作詞・作曲:Lou Reed)
14. Tonight(作 詞・作曲:David Bowie,Iggy Pop)

 この4曲はすべてビデオパラノイアック・ライヴからの音源で、初CD化。11 は「Come On」の事で、大江がギターを弾きながら歌ってい る。13では柞山がLou Reed「ワイルドサイドを歩 け」の有名なベース・リフを弾いている。14はIggy PopのLust For Life(1977年)収録曲で、ルースターズは彼の前座を務めた直後の1983年夏からライヴのレ パートリーに加えていました。ちなみに12,14の別ミックスがAll About Shinya Ohe Vol.4(1992年)に収録。

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●アルバム発表当時、音楽情報誌に掲載されていた『φ』の広告。(資料提供:Mさん)
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