DIS. (作成:2000年3月19日/更新:2015年2月4日)
1.She Broke My Heart's Edge (作詞:大江慎也 作曲:花田裕之)
2.I'm Swayin' In The Air (作詞:大江慎也 作曲:大江慎也)
3.She Made Me Cry (作詞:大江慎也,M.Alexander 作曲:大江慎也)
4.Desire (作詞:大江慎也 作曲:大江慎也)
5.Sad Song (作詞:大江慎也 作曲:大江慎也)
6.風の中に消えた (作詞:柴山俊之 作曲:花田裕之)
7.夜に濡れたい (作詞:柴山俊之 作曲:井上富雄)
8.Je Suis Le Vent (作詞:ヒロ・スグル,M.Alexander/作曲:花田裕之,下山淳)
発売日:1983年10月21日
LP:COLUMBIA AF-7228
CD:COLUMBIA 30CA-1781
(「DIS+Good Dreams」/1987.9.1.)
CD:COLUMBIA COCA-12576

(CD文庫1500/1995.5.20.)
CD:TRIAD COCP-50261

(紙ジャケ /2000.3.18.)
CD:TRIAD COCA-50755
(紙ジャケ /2003.9.10.)
Produced by Shozo Kashiwagi for Our Joy
Arranged by The Roosters&Shozo Kashiwagi
Engineers:Yuichi Sato & Yasuyuki Moriyama
Recorded at Star Ship & Rockwell,Aug.1983,A.M.S. in Sept.1982
Photograph:Toshikatsu Kodama
Stylist:Tomoe Kaburagi
Hair make:Miyuki Sano
Thanks to Melisa & Toshiyuki Shibayama
大江慎也(vocal) 花田裕之(guitar,chorus) 井上富雄(bass,chorus,keyboard) 下山淳(guitar,chorus,Bass-8)
灘友正幸(drums) 安藤広一(keyboards,YAMAHA DX-7,chorus)
[大江復帰〜メンバー・チェンジを経て制作されたネオサイケ・アルバム]

◎1983年6月に
大江慎也がステージ復帰するもの の、それと入れかわりに池畑潤二が脱退(1983年6月21日@日 本青年館がラスト・ステージ。後に山善のバンドを経てゼロスペクターを結成)、後任としてメンバーとは旧知の仲で、当時北九州から上京していた灘友正幸が加入。さらに1981年後半からスタッフとして関わっていた安藤広一(k)、石井聰亙監督のバンドから合流した下山淳(g)を含めた6人編成となり、このメンバーで8月にレコーディング 開始。約2週間の期間で12曲がレコーディングされ、うち8曲がこのアルバムに収録されています(「Good Dreams」「Hard Rain」「All Alone」は次作『Good Dreams』に収録され、「Plum Sour-2」は2004年まで未発表でした)。

 ジャケットに写っているのはオリジナル・メンバー3人のみ。サウンドもそれまでのビート・バンド然としたものから、フォーク・ロック&ネオ・サ イケデ リック寄りへと進化。リズム面がやや後退したものの、ギターやキーボードはより広がりを見せています。作曲面では井上富雄や花田裕之の曲が採用されるよう になり、柴山俊之も作詞家として以降本格的に関わるようになります。しかし初期の3枚のアルバムとは異なる内省的な世界観、メンバー・チェンジ、その他諸 々・・・それ までとは"何か"が変わってしまったルースターズに戸惑いを覚え、この時期を境に離れて行ったファンの方も少なからずいたようです(ルースターズをオリジ ナル・アルバムのみで接している方にとっては突然変異に感じるかもしれませんが、
『Insane』『爆裂都市』『1984』(カセットのみ)『ニュールンベルグでささやいて』『C.M.C.』『DIS.』の順に聴くと、決して 急に音楽性が変わったわけではない事が実感できると思います)。バンド側とファン側との間に温度差が生じてしまったものの、サウンド・ジャケット共に作品としての完成度は高く(音作りに関してはプロデューサーの意見も多く含まれていると思われます)、これも傑作の一つ。
[インタビュー記事より]

大江慎也
(活動休止以前と以後では、サウンドもコンセプトも、随分と変化していると思うんですよねという質問に対して)
「活動を休んでた からってこうなったわけでもないですし、退院して、メンバー集めて音を出してみたら、こんなレコードが出来ただけ。入院中にいろんな構想を練ってたってこ とは全然ないです。あまり音楽の事考えてなかったですしね。」
「メンバーが替わったってことが一番大きいと思うんですけど。過去に出したレコードでも、一枚一枚に、そういった統一したイメージは持たせているつもりな んですよね。それが発展して、今回はああいう形になっただけで、今後、まだまだ変化して行く可能性はあると思いますよ。」(抜粋:『ミュージック・ステディ』1983年11月号より/資料提供:No.007さん)

大江慎也
「いろいろと頭を巡らしてたけど、ベッドの上で作った曲はありません。入院生活とは切り離して考えてましたから。全曲歌っぽくなっ ていると思います。曲も良くなったし。ボーカルが楽器の一部だという考えをもっと広げた感じで、演奏の中にそれが埋もれた部分があっても構わないって意識 は今でもあります。全体的に、聴いた時に良くなっていればそれでいい。好きに聴いてもらっていい。」(抜粋:『DOLL』1983月??号より/資料提供:Eさん)

花田裕之「ああいうふうにしかできんかったわけやから、自然だったんやろね。でもあの頃、"大丈夫か"とよくいわれたよ。大江のこと含めてバンドがあんなに変わっちゃって。でもやってるほうは別に意識してなかったから、そういわれてもどうってことはなかったけどね。」(抜粋:『STRANGE DAYS』2003年 No.50より。)

下山淳「前と雰囲気を変えたいっ ていうのがあったみたいね、その頃。ツアーなんか行っても客は拳振り上げるだけで、コンサート途中で中断するってことが多々あるし。何か盛り上がっている だけだからね、もっと聴いてもらいたいってのがあったから。それで、ちょっと引いた感じにしよう、っていう動きがあったんだよね。だから『DIS.』は全部アコースティック・フィーチュアで、ああいう感じになったんだよね、もっとメロディ・ラインが聴ける感じっていうか。それを出した後のツアーっていうのは、全然雰囲気が違うから、怒ってた奴もいたみたいね(以下省略)。」(抜粋:『ROCKIN' ON JAPAN』1988年9月号より。)
ジャケットについて:
  ジャケット写真の撮影場所は、雑誌『DOLL』の1983年の記事を参考に調べたところ、山梨 県の塩山にある西 沢渓谷の可能性が高い(推測)。ここでメンバーは流されないよう岩にしがみつきながら1日かけて撮影が行われたそうです。
アルバム・タイトルについて:
 "ディス"と読みます。ディスカ バー、ディスチャージ、ディスカウント等で使われる"DIS"です。言葉の頭に付けてその言葉の持つ意味を否定します。DISCOVER→DIS−COVER、カヴァーはモノを覆ったりする事ですが、ディスを頭に付ける事によって、引っぺがしてみる。つまりモノを見付け る。発見と成る訳です。ちなみに米語で少し汚い言い方で、さげすむとか失望させる時にもDISを使ったりしますが、このアルバムタイトルにはそういった意味は含まれてなかった と憶えてます。(BBSより:2002年5月1日<水>、Andyさん)
LPについて:
 LP初回プレスにはオリジナル・ス テッカーがついていました(※現物未確認)。
CDについて:
a : COLUMBIA 30CA-1781 発売日:1987年9月1日
 1987年に発売された初版は『DIS+Good Dreams』というタイトルで発売され、後半 に『Good Dreams』から4曲が収録された変則的な内容。ブックレットには歌詞が掲載されていますが、表ジャケット以外の写真はすべて省略されて います。
b : COLUMBIA COCA-12576 発売日:1995年5月20日
画像なし。
 1995年に"Q盤"(CD文庫1500)という復刻盤の シリーズでようやく単体でリリース、ここで裏ジャケットが復活。ジャケット裏に歌詞が掲載されていますが、アナログ盤にあった、メンバー3人が立っている 写真は未掲載。インナー・カード(トレーに入っている曲目表)はなし。
c: TRIAD COCP-50261 発売日:2000年3月18日
 2000年に結成20周年を記念し て発売された紙ジャケット仕様のCD。デジタル・リマスターが施され、ボーナス・トラックとして「Sad Song (Winter Version)」「Heart's Edge (Remix Version)」「撃沈魚雷」「バリウム・ピルス」を収録。
 それまでの、もやのかかったような質感から一転、全体的に引き締まったサウンドに生まれ変わっています。また、それまで省かれていた歌詞カードに掲載さ れていたメンバーの写真も復刻。ただし、新規ライナー・ノーツはメンバーの担当楽器のクレジットでいくつか誤りがあるのでご注意ください。限定盤だったた め(当初は3000枚プレスされ、好評につき半年後に追加プレスされたらしい)、現在では入手困難。
d : TRIAD COCA-50755 発売日:2003年9月10日
 2003年9月10日にデジタル・ リマスター、紙ジャケット仕様で再発売。ジャケット、歌詞カード共にアナログ盤のデザインに限り無く近付けられています。なお、2000年版に付けられて いたボーナス・トラックはなし。
e : Virus SecurityTRIAD COZA-91〜122 発売日:2004年9月29日
 2004 年9月29日に発売されたボックス・セット『Virus Security』の"CD-6"にアルバム全曲に、ボー ナス・トラックとして「Sad Song (Winter Version)」「Heart's Edge (Remix Version)」を収録。

1.She Broke My Heart's Edge (Album Version) (作詞:大江慎也 作曲:花田裕之)


 大江慎也作詞、花田裕之作曲による疾走間溢れるネオ・サイケデリック・ナン バー。中期ルースターズのライヴでは欠かせないレパートリーの1つとして頻繁に演奏され、1985年後半辺りまで演奏されていたようです。

ヴァージョン/テイク違いについて:
1:シングル・ヴァージョン (Remix)
 
シングル・ヴァージョンはギターの定位が異なり、ヴォーカルのディレイ処理が強められて いる。さらに曲名が"Heart's Edge"と省略されています。
『DIS』(CD:Triad COCP-50261/2000年)
『Virus Security (CD-06)』(CD:Triad COZA-91〜117/2004年)

2:Alternate Take
 
演奏・歌詞共に異なる別テイク。
『Virus Security (CD-27)』(CD:Triad COZA-91〜117/2004年)


2.I'M SWAYIN' IN THE AIR(作詞・作曲:大江慎也)

 大江慎也の作品で、「THE AIR」とタイトルを縮めてシングル・カットもされています(テイクはアルバムと同じ)。
曲自体はフォーク・ロック調ですが、全面に出たシン セサイザーやシュールな歌詞が印象的。ギター・ソロは最初が花田、後半は下山が弾いていると思われます。
また、近年の大江慎也のソロ・ライヴではよりアップ・テンポにアレンジされて再演されています。

ヴァージョン/テイク違いについて:
1:Alternate Take
 歌詞が異なる別テイク。
『Virus Security (CD-27)』(CD:Triad COZA-91〜117/2004年)

カヴァー・ヴァージョンについて:
a:FOEが2002年発表のセカン ド・アルバム『FOE』(CD:King KICS-60005/2002 年)でこの曲を取り上げています。
b:トリビュート・アルバム第2弾『Respectable Roosters→z a-GOGO』(CD:Triad COCP-50871/2005年)の中でRadio Carolineこの曲を取り上げています。


3.SHE MADE ME CRY (作詞:大江慎也, M.Alexander 作曲:大江慎也)

 大江慎也の作品で、英語詞でMary Alexanderも共 作者としてクレジットされています。初期のThe Byrds(60年代のアメリカのバンド)を彷彿とされるフォーク・ロック調の作品で、大江の淡々としたヴォーカルもさる事ながら、花 田と下山による2本のギターが幻想的な世界を作り上げています。
 この曲は後に
大江慎也がソロ転身後もライヴで取り上げ(『Alive』のビデオ版と『All About Shinya Ohe Vol.3』では弾き語りによるライヴ・ヴァージョンが聴け る)、井上富雄Blue TonicRock'n'Roll Gypsiesのライヴで取り上げていることから、アルバムの中でも特に重要な作品だと思います。


4.DESIRE (作詞:大江慎也 作曲:大江慎也)

 このアルバムの中では比較的明るめなスカ・ビートが印象的な作品で、シング ル「I'm Swain' In The Air」のB面にも収録。アナログ盤ではここまでがA面でした。


5. SAD SONG(Album Version)(作詞:大江慎也 作曲:大江慎也)

 大江慎也のオリジナルで、これもこの時期の代表的な名曲の一つ。全体を支配 する陰鬱で神秘的な世界と大江のシュールな歌詞(小説「1984年」の影響によるものらしい)が印象的。演奏自体も、正に「絵を描くような」リード・ギ ターと、いかにも井上らしいベース・ラインが冴え渡っている。コー ド進行がどことなくIggy Pop「Neighborhood Threat」を思わせますが、この曲は当初「Sad Romance」という題名で、歌詞も発表されたものよりも異なっているようです。
 ライヴではレコーディング前の1983年夏辺りから取り上げられ、1985年12月辺りまで演奏されていたようです。
 また、2003年にはRock'n'Roll Gypsiesが再演したほか、大江慎也のライヴ・アルバム『ALIVE』(1987年)や、2005年以降のライヴでも数回演奏されています。

◎ヴァージョン/テイク違いについて:
1:Winter Version
 
ヴォーカルを差し替え、曲構成を替えた"Winter Version"が1984年1月1日にシングル発売されています。
収録アルバムは以下の通り。
『Collection 1980-1984』(LP:COLUMBIA AX-7425/1995年)
『Best Songs Collection』(CD:COLUMBIA COCA-12653/1995年)
『The Very Best of The ROOSTERS』(CD:BODY COCA-14222/1997年)
『DIS』(CD:TRIAD COCP-50261/2000年)
『Virus Security (CD-06)』(CD:TRIAD COZA-91〜117/2004年)

カヴァー・ヴァージョンについて:
 ピールアウトが1999年2月に発表したマキシ・シングル「Lucky Star」のカップ リングでこの曲をカヴァーしているほか、元有頂天ケラシンセサイザーズというグループでカヴァーしているらしいです。


6.風の 中に消えた(作詞:柴山俊之 作曲:花田裕之)

 元サンハウス柴山俊之作詞、花田裕之作曲によるフォーク・ロッ ク調の作品。メロディ・ラインやコード進行等、このアルバム以降のルースターズ・ナンバーに通ずるものがあり、大江慎也作品との違いがよく表われた作品な のではないでしょうか。
また、
花田裕之も2001〜2年頃にライヴで演奏していた事もあります。


7.夜に 濡れたい (作詞:柴山俊之 作曲:井上富雄)

 ルースターズにおける2曲目の井上富雄作品で、井上はシンセサイ ザーも弾いている。David Bowie「Ashes To Ashes」に通ずる曲調で、エンディングのアレンジ(特にベース)はどことなくLou Reed「キャロラインのはなし1」を思わ せます。


8.JE SUIS LE VENT(作詞:ヒロ・スグル, M.Alexander/作曲:花田裕之,下山淳)

 エンディングは花田裕之下山淳作曲による物悲しいインスト 中心の作品で、下山はギターの他にベースも弾いている。大 江慎也によるフランス語のポエトリー・リーディング(?)はヒロ・スグルなる人物とMary Alexanderによ るもの。

◎ヴァージョン/テイク違いについて:
a:
ビデオ『Paranoiac Live』のオープニングで別ヴァージョンが 流れています。
b:『All About Shinya Ohe Vol.4』に1983年10月16日、日本青年館でのライヴの際にBGMとして流されたものが(曲の途中から)収録。スタジオ・テイク と同一ですが、大江のヴォーカルが入っていない別ヴァージョンになっています。


CD BONUS TRACKS-(2000年発表の紙ジャケのみ)

9.SAD SONG(Winter Version)(作詞・作曲:大江慎也)

 シングル・ヴァージョン。ヴォーカルが別テイクのほか、曲の構成が換えられ ており、「しおれきった雲が・・・」の部分はカットされている。


10.SHE BROKE MY HEART'S EDGE(Remix Version)(作詞:大江慎也 作曲:花田裕之)

 シングル・ヴァージョン。ディレイ等のエコーの処理が異なり、タイトルも「HEART'S EDGE」と短 縮されている。


11.撃 沈魚雷(作詞:大江慎也 作曲:THE ROOSTERS)

 「ニュールンベルグでささやいて」参照。


12.バ リウム・ピルス(作詞:大江慎也 作曲:THE ROOSTERS)

 「ニュールンベルグでささやいて」参照。

『Good Dreams』へつづく。/ →Menuヘ戻る

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