DIS. (Part 1) |
作成 : 2000年3月19日/更新 : 2023年11月4日 |
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1. She Broke My Heart's Edge (作詞:大江慎也 作曲:花田裕之) 2. I'm Swayin' In The Air (作詞・作曲:大江慎也) 3. She Made Me Cry (作詞:大江慎也,M.Alexander 作曲:大江慎也) 4. Desire (作詞・作曲:大江慎也) |
5. Sad
Song (作詞:大江慎也 作曲:大江慎也) 6. 風の中に消えた (作詞:柴山俊之 作曲:花田裕之) 7. 夜に濡れたい (作詞:柴山俊之 作曲:井上富雄) 8. Je Suis Le Vent (作詞:ヒロ・スグル,M.Alexander/作曲:花田裕之,下山淳) |
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発売日 : 1983年10月21日 | |||
大江慎也 (vocal) 花田裕之 (guitar,chorus) 井上富雄 (bass,chorus,Synthesizer on Track 7) 安藤広一 (keyboards,YAMAHA DX-7,chorus) 下山淳 (guitar,chorus,Bass on Track 8) 灘友正幸 (drums) |
Produced by Shozo Kashiwagi for Our Joy Arranged by The Roosters & Shozo Kashiwagi Engineers : Yuichi Sato & Yasuyuki Moriyama Recorded at Star Ship & Rockwell, Aug.1983, A.M.S. Photograph : Toshikatsu Kodama Stylist : Tomone Kaburagi Hair make : Miyuki Sano Thanks to Melisa & Toshiyuki Shibayama |
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[各種フォーマット] LP : COLUMBIA AF-7228 (アナログ盤/1983.10.21.) MT : COLUMBIA CAR-1238 (カセット・テープ/1983.10.21.) CD : COLUMBIA 30CA-1781 (「DIS+Good Dreams」/1987.9.1.) CD : COLUMBIA COCA-12576 ("CD文庫 1500"/1995.5.20.) CD : TRIAD COCP-50261 (紙ジャケット仕様 /2000.3.18.) CD : TRIAD COCA-50755 (紙 ジャケット仕様/2003.9.10.) UHQCD : Columbia COCP-40423 (UHQCD/2018.7.25.) 配信版 : Columbia COKM-44608 (2023年11月1日) |
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The Roosters : 1983年8月〜12月 |
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[大江復帰〜メンバー・チェンジを経て制作されたネオ
サイケ・アルバム] 前回『C.M.C.』か らの続き。1983年6月に大江慎也がステージ復帰と入れ替わりで池畑 潤二が脱退。それに伴い、メンバー とは学生時代からの友人・灘友正幸が後任として参加。さらに1981年からスタッフとして関わっていた安藤広一(k)、石 井聰亙監督のバンドを通じてメンバーと合流した下山淳(g)を含めた6人編成となり、同 年8月にアルバムのレコーディング 開始。約2週間の期間で12曲がレコーディングされ、うち8曲が本作に収録(「Good Dreams」「Hard Rain」「All Alone」は 次作『Good Dreams』に、「Plum Sour-2」は2004年まで未発表でした)。 (帯より : 未完の塔を見おろして、孤高のロック・バンド、ルースターズが、ついに新しい姿を見せる。6th.) 1983年10月21日アルバム発売。帯(↑)に書かれた"孤高のロック・バンド"のキャッチコピーは、音楽誌『ROCKIN' ON (1983年8月号)』で『C.M.C.』のディスク・ レビューで担当ライターが書いたもので、以降(良くも悪くも)アーティスト紹介で度々使われること に。サウンドもそれまでの ビート系ロック・バンド然としたものから、海外の音楽シーンと歩調を合わすか のようにネオ・サ イケデ リックやアコースティック調なものに進化。リズム面がやや後退したものの、その分ベースのグルーヴが前に、キーボードやギターはさらに広がりをみ せる。作曲面では大江慎也の他に井上富雄や花田裕之の 曲も採用され、柴山俊之も作詞家として本格的に関わるようになります。 どこかThe Doorsを思わせるダークな雰囲気は既に『Insane』のB面か ら兆候がありましたが、これと別ユニット・1984の実験的なサウンドを融合させた結果が本作のようにも思えたり。1984のカセット・アルバム は現在聴くのが困難ですが、そこでは『ニュールンベルグでささやい て』と『DIS.』を 結びつけるようなサウンドが聞き取れる。それがプロデューサーの思惑でこうなったのか、持ち寄った曲をバンドで やったら自然とこうなったのか、果たして・・・。 メンバー・チェンジ、大江慎也の変貌、作品毎に先へ先へと進むルースターズ・サウンド・・・この 混乱状態を境 に心離れしてしまった人、さらに気持ちを熱くした人、新たなサウンドに惹きつけられた人など、反応も様々。現在でも聴く側の好みは分かれるものの、サウン ド・ジャケット共に完成度は高く、これも決して外せない作品。 |
[抜粋
: イ
ンタビュー記事より] (レ コーディング期間中のコメント) 大江慎也 「発 想から言うと『OLD WORLD NEW WORLD』というのが基本にあって(註 : このワードは同年8月17〜19日@新宿LOFT 3 DAYS LIVEでも使用)、これは単に、病気前と病気後のルースターズとかじゃなく、今、世代によるズレ、隔たりってすごいでしょ。それを全部包み込むみたいな のを創ろうと思って---メッセージ性を前面に出すんじゃなく、今までの作品は自分一人で考えるのが多かったけど、今回は最初から全員でアイデアを出し、 曲も作っています(以下省略)。」 (『音楽専科』1983年9月号より) (「活動休止以前と以後では、 サウンドもコンセプトも、随分と変化していると思うんですよね」という質問に対して) 大江慎也 「活動を休んでた からってこうなったわけでもないですし、退院して、メンバー集めて音を出してみたら、こんなレコードが出来ただけ。入院中にいろんな構想を練ってたってこ とは全然ないです。あまり音楽の事考えてなかったですしね。」 「メンバーが替わったってことが一番大きいと思うんですけど。過去に出したレコードでも、一枚一枚に、そういった統一したイメージは持たせているつもり な んですよね。それが発展して、今回はああいう形になっただけで、今後、まだまだ変化して行く可能性はあると思いますよ。」(『ミュージック・ ステ ディ』1983年11月号より/資料提供:No.007さ ん) 大江慎也 「い ろいろと頭を巡らしてたけ ど、ベッドの上で作った曲はありません。入院生活とは切り離して考えてましたから。全曲歌っぽくなっ ていると思います。曲も良くなったし。ボーカルが楽器の一部だという考えをもっと広げた感じで、演奏の中にそれが埋もれた部分があっても構わないって意識 は今でもあります。全体的に、聴いた時に良くなっていればそれでいい。好きに聴いてもらっていい。」 (『DOLL』1983月??号より/資料提供:Eさん) 花田裕之 「あ あいうふうにしかできんかったわけ やから、自然だったんやろね。でもあの頃、"大丈夫か"とよくいわれたよ。大江のこと含めてバンドがあんなに変わっちゃって。でもやってるほうは別に意識 してなかったから、そういわれてもどうってことはなかったけどね。」 (『STRANGE DAYS』2003年 No.50より) 下山淳 「前 と雰囲気を変えたいっ ていうのがあったみたいね、その頃。ツアーなんか行っても客は拳振り上げるだけで、コンサート途中で中断するってことが多々あるし。何か盛り上がっている だけだからね、もっと聴いてもらいたいってのがあったから。それで、ちょっと引いた感じにしよう、っていう動きがあったんだよね。だから『DIS.』は全部アコースティック・フィーチュアで、ああいう感じになっ たんだよね、もっとメロディ・ラインが聴ける感じっていうか。それを出した後のツアーっていうのは、全然雰囲気が違うから、怒ってた奴もいたみたいね(以 下省略)。」 (『ROCKIN' ON JAPAN』1988年9月号より) |
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アル
バム・ジャケット |
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🔵 ジャケット写真の撮影は、山梨
県甲府市・塩山周辺の渓流にて。以前ここで西
沢渓谷と紹介しましたが、渓流は他にも複数あり、正確な場所は不明(←の動画も断定は出来ませんが、雰囲気は近いですね)。メンバーは流されない
よう岩にしがみつきながら、1日がかりで撮影を行ったそ
うです。 ちなみに写真は別テイクがあり、ポスターに使用(LP特典か販売促進用かは不明)されたほか、ボックス『Virus Securyty』(2004年)のDVD-3のト レーの背後に掲載されています。(『DOLL』1983年より/資料提供:Eさん) 🔵 ジャケット上部、アーティスト名とタイトルの間に何やら英文が。LPでも文字が潰れ気味で読み辛く、何と書いてあるかは、考案した人に尋ねないと判らない ような…(笑) |
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ア
ル
バム・タイトル |
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"
ディス"と読みます。ディスカ
バー、ディスチャージ、ディスカウント等で使われる"DIS"です。言葉の頭に付けてその言葉の持つ意味を否定します。DISCOVER→DIS−COVER、カヴァーはモノを覆ったり
する事ですが、ディスを頭に付ける事によって、引っぺがしてみる。つまりモノを見付け
る。発見と成る訳です。ちなみに米語で少し汚い言い方で、さげすむとか失望させる時にもDISを使ったりしますが、このアルバムタイトルにはそういった意
味は含まれてなかった
と憶えてます。(BBSより:2002年5月1日<水
>、Andyさん) |
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アナログ盤 |
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アナログ盤LPの初回プレスに
はオリジナル・ス
テッカーが付いていました(※現物未確認)。初回盤の場合、帯の左側にステッカーに関する文字が入っている。 |
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カセット・テープ |
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裏ジャケットは上
部に写真("DIS."の文字が入っていない)、下部に曲目を掲載。歌詞カードはLPがグレー地白抜き文字なのに対し、カセットは普通に白地黒文字。 |
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各種CD |
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1 : COLUMBIA 30CA-1781 | 発売日 : 1987年9月1日 | ||
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[仕
様] Track 1〜8・・・『DIS.』 9. ゴミ 10. Good Dreams 11. Hard Rain 12. All Alone |
1987年に発売の初版CD は『DIS+Good Dreams』と いうタイトルで発売され、後半 に『Good Dreams』から4曲収録の変則的内容。ブックレットには歌詞が掲載されています が、表ジャケット以外の写真はすべて省略されて います。 | |
2 : COLUMBIA COCA-12576 | 発売日 : 1995年5月20日 | ||
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1995年に"Q盤"(CD文庫
1500)という復刻盤の
シリーズで初の単体リリース、ここで裏ジャケットが復活。ジャケット裏に歌詞が掲載されていますが、アナログ盤にあった、メンバー3人が立っている
写真は未掲載。インナー・カード(トレーに入っている曲目表)はなし。 |
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3 : TRIAD COCP-50261 | 発売日 : 2000年3月18日 | ||
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[仕
様] Track 1〜8・・・『DIS.』 (Bonus Tracks) 9. Sad Song (Winter Version) 10. Heart's Edge (Remix Version) 11. 撃沈魚雷 12. バリウム・ピルス |
● 2000年に結
成20周年記念で発売されたCD。当初は3000枚プレスされ、好評につき半年後に追加プレスされ
たらしい。 ● 初 のデジタル・リマスター、紙ジャケット仕様。 ● ボーナス・トラックとしてシングルから「Sad Song (Winter Version)」「Heart's Edge (Remix Version)」、12インチから「撃沈魚雷」「バリ ウム・ピルス」を収録。 ● 歌詞カード掲載のメン バーの写真が初復刻(ただし歌詞カード全体は完全復刻されていない)。 ● 新規解説書 付き。ただし一部記述や担当楽器表記に誤りあり。2004年発表のボックス・セットの解説では改善されています。 |
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4 : TRIAD COCA-50755 | 発売日 : 2003年9月10日 | ||
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[仕
様] ● 2003年9月10日発売の再発盤 ● 2003年デジタル・ リマスター ● ジャケット・歌詞カード共に、 LP デザインをミニチュア復刻した紙ジャケット仕様。 ● 歌詞カードは縮小したものとは別に、別の紙がもう1枚封入されている。 ● ボーナス・トラック : 無し |
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5 : 『Virus Security』TRIAD COZA-91〜122 | 発売日 : 2004年9月29日 | ||
[仕
様] ● 仕様 : ボックス・セットの一部として収録 ● 音源 : 2003年リマスター ● 盤 : 表ジャケットをプリントしたピクチャー・レーベル ● ジャケット : 表・裏共に付属ブックレットに掲載 ● 歌詞 : 付属ブックレットに掲載 |
Track 1〜8・・・『DIS.』 (Bonus Tracks/7インチ・シングルより) 9. Sad Song (Winter Version) 10. Heart's Edge (Remix Version) |
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6 : COLUMBIA COCP-40423 | 発売日 : 2018年7月25日 | ||
[仕
様] ● 音源 : 2018年リマスター ● 盤 : UHQCDを採用 ● 歌詞 : あり |
2018年7月25日発売の再発盤で、
盤はUHQCDを採用(他社で
いう"SHM-CD"のような、通常のCDとは異なる素材を使用)。 |
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主な配信版 (COKM-44608/2023年11月1日配信開始) |
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◉ iTunes/Apple Music ◉ mora ◉ OTOTOY (ファイル形式選択可) ◉ mysound ◉ LINE MUSIC ◉ レコチョク ◉ Spotify ◉ Amazon Music/mp3 ◉ TOWER RECORDS MUSIC ◉ YouTube |
● 2023年11月1日、紆余曲折を経てルースターズの主要作品118曲の配信がスタート(註 :
ただしシングル用音源、解散後に発掘された各種レア・トラックを除く。本作の場合「Sad Song (Winter Version)」「Heart's Edge (Remix)」は今回の配信対象外になります)。なおこの配信に合わせ、コロムビアが特設サイトをオープンしています。https:
//columbia.jp/roosters/ ● ←のリンクは個人的把握内でリストアップしてみましたが、実際にはもう少しあると思われます。定額制のストリーミング配信、1曲から購入可能なダウンロード版等種類も様々。(掲載 : 2023年11月1日) ● 追記 (2023年11月4日) : YouTubeでアルバム『DIS.』を再生すると、2曲目「I'm Swayin' In The Air」が通常音源ではなくMV(ミュージック・ビデオ)が自動再生されてしまいます。配信初日の11月1日時点では通常音源が フツーに流れるようになっていたのですが・・・もしこれ書いた後に元に戻っていたらスミマセン。これはYouTubeで全般的にある現象で、他のアーティ ストのアルバムで"1曲に別ヴァージョン/別ミックスが複数存在するもの"は適切な音源がかからない場合がありますのでご注意を…と、念のためメモ。 |
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