DIS. 発売日:1983年10月21日

1.She Broke My Heart's Edge
2.I'm Swayin' In The Air
3.She Made Me Cry
4.Desire
5.Sad Song
6.風の中に消えた
7.夜に濡れたい
8.Je Suis Le Vent
LP:COLUMBIA AF-7228
CD:COLUMBIA 30CA-1781
(「DIS+Good Dreams」/1987.9.1.)
CD:COLUMBIA COCA-12576

("Q盤"/1995.5.20.)
CD:TRIAD COCP-50261

(紙ジャケ/2000.3.18.)
CD:TRIAD COCA-50755
(紙ジャケ/2003.9.10.)
Produced by Shozo Kashiwagi for Our Joy
Arranged by The Roosters&Shozo Kashiwagi
Engineers:Yuichi Sato & Yasuyuki Moriyama
Recorded at Star Ship & Rockwell,Aug.1983,A.M.S. in Sept.1982
Photograph:Toshikatsu Kodama
Stylist:Tomoe Kaburagi
Hair make:Miyuki Sano
Thanks to Melisa & Toshiyuki Shibayama
大江慎也(vocal) 花田裕之(guitar,chorus) 井上富雄(bass,chorus,keyboard) 下山淳(guitar,chorus,Bass-8)
灘友正幸(drums) 安藤広一(keyboards,YAMAHA DX-7,chorus)

◎1983年6月に大江慎也がステージ復帰するものの、それと入れかわりに池畑潤二が脱退(1983年6月21日、日本青年館がラスト・ステージ。その後、山善のバンドを経てゼロスペクターを結成)、後釜として、北九州時代の仲間でもあった灘友正幸が加入、この時点で下山淳(g)安藤広一(k)を含めた6人編成となり、このメンバーで8月にレコーディング開始。12曲がレコーディングされ、うち8曲がこのアルバムに収録されています。
 ジャケットにはオリジナル・メンバー3人しか写っておらず、サウンドもそれまでのビート・バンド然としたものから、フォーク・ロック寄りかつサイケデリックなものへ。リズム面がやや後退した反面、ギターやキーボードはより音に広がりを見せ、これまでとはまた違った新たな一面を築き上げている。
 これまでも作品ごとに進化を遂げてきましたが、初期の3枚のアルバムとは異なる内省的な音・世界観だった事、メンバー・チェンジ、その他諸々・・・それまでとは"何か"が変わってしまったルースターズに戸惑いを覚え、この時期を境に離れて行ったファンの方も少なからずいたようです(ルースターズをオリジナル・アルバムのみで接している方にとっては、このアルバムは突然変異に感じるかもしれませんが、
『Insane』『爆裂都市』『1984』(カセットのみ)『ニュールンベルグでささやいて』『C.M.C.』『DIS.』の順に聴くと、決して急に音楽性が変わったわけではない事が実感できると思います)。
 しかし、そういったマイナス要素もある中で、新たな進化を遂げているのも事実で(音作りに関してはプロデューサーの意見も多く含まれていると思われますが)、サウンド・ジャケット共に完成度は高く、これも傑作アルバムだと思います。


ジャケットについて:
 ジャケット写真の撮影場所は、
雑誌『DOLL』の1983年頃の記事を参考に調べたところ、恐らく山梨県の塩山にある西沢渓谷かと思われます(推測)。ここで1日かけて撮影が行われたそうです。
アルバム・タイトルについて:
 "ディス"と読みます。ディスカバー、ディスチャージ、ディスカウント、等などで使われる"DIS"です。
言葉の頭に付けてその言葉の持つ意味を否定します。
DISCOVER→DIS−COVER、カヴァーはモノを覆ったりする事ですが、
ディスを頭に付ける事によって、引っぺがしてみる。つまりモノを見付ける。発見と成る訳です。
ちなみに米語で少し汚い言い方で、さげすむとか失望させる時にもDISを使ったりしますが、
このアルバムタイトルにはそういった意味は含まれてなかったと憶えてます。
(The Roosters(z)掲示板、2002年5月1日<水>、Andyさんの投稿より。)
LPについて:
LP初回プレスにはオリジナル・ステッカーがついていました。
CDについて:
a:1987年の初版は後半に『Good Dreams』からの曲が収録された変則的な形でリリース。
表ジャケット以外の写真はすべて省略されています。

b:1995年の"Q盤"でようやくオリジナルな形でリリースされ、裏ジャケットが復活。
ただし歌詞カードにあったメンバーの写真は省略されています。

c:2000年の紙ジャケではデジタル・リマスターが施され、ボーナス・トラックを4曲収録。それまでの、もやのかかったような質感から一転、全体的に引き締まったサウンドに生まれ変わっています。それまで省かれていた歌詞カードに掲載されていたメンバーの写真も復刻。ただし、新規ライナー・ノーツはメンバーの担当楽器のクレジットでいくつか誤りがあるのでご注意ください。

d:2003年9月10日にデジタル・リマスター、紙ジャケット仕様で再発売。ボーナス・トラックはなし。

1.She Broke My Heart's Edge (Album Version)(作詞:大江慎也 作曲:花田裕之)
 大江慎也作詞、花田裕之作曲による疾走間溢れるネオ・サイケデリック・ナンバー。中期ルースターズのライヴでは欠かせないレパートリーの1つとして頻繁に演奏され、1985年後半辺りまで演奏されていたようです。

ヴァージョン/テイク違いについて:
1:シングル・ヴァージョン(Remix)
 
シングル・ヴァージョンはギターの定位が異なり、ヴォーカルのディレイ処理が強められている。さらに曲名が"Heart's Edge"と省略されています。
『DIS』(CD:Triad COCP-50261/2000年)
『Virus Security (CD-06)』(CD:Triad COZA-91〜117/2004年)

2:Alternate Take
 
演奏・歌詞共に異なる別テイク。
『Virus Security (CD-27)』(CD:Triad COZA-91〜117/2004年)


2.I'M SWAYIN' IN THE AIR(作詞・作曲:大江慎也)
 大江慎也の作品で、「THE AIR」とタイトルを縮めてシングル・カットもされています(テイクはアルバムと同じ)。
曲自体はフォーク・ロック調ですが、全面に出たシンセサイザーやシュールな歌詞が印象的。ギター・ソロは最初が花田、後半は下山が弾いていると思われます。
また、近年の大江慎也のソロ・ライヴではよりアップ・テンポにアレンジされて再演されています。

ヴァージョン/テイク違いについて:
1:Alternate Take
 歌詞が異なる別テイク。
『Virus Security (CD-27)』(CD:Triad COZA-91〜117/2004年)

カヴァー・ヴァージョンについて:
a:FOEが2002年発表のセカンド・アルバム『FOE』(CD:King KICS-60005/2002年)でこの曲を取り上げています。
b:トリビュート・アルバム第2弾『Respectable Roosters→z a-GOGO』(CD:Triad COCP-50871/2005年)の中でRadio Carolineこの曲を取り上げています。


3.SHE MADE ME CRY(作詞:大江慎也,M.Alexander 作曲:大江慎也)
 大江慎也の作品で、英語詞でMary Alexanderも共作者としてクレジットされています。初期のThe Byrds(60年代のアメリカのバンド)を彷彿とされるフォーク・ロック調の作品で、大江の淡々としたヴォーカルもさる事ながら、花田と下山による2本のギターが幻想的な世界を作り上げています。
 この曲は後に
大江慎也がソロ転身後もライヴで取り上げ(『Alive』のビデオ版と『All About Shinya Ohe Vol.3』では弾き語りによるライヴ・ヴァージョンが聴ける)、井上富雄Blue TonicRock'n'Roll Gypsiesのライヴで取り上げていることから、アルバムの中でも特に重要な作品だと思います。
4.DESIRE(作詞:大江慎也 作曲:大江慎也)
 このアルバムの中では比較的明るめなスカ・ビートが印象的な作品で、シングル「I'm Swain' In The Air」のB面にも収録。アナログ盤ではここまでがA面でした。

5. SAD SONG(Album Version)(作詞:大江慎也 作曲:大江慎也)
 大江慎也のオリジナルで、これもこの時期の代表的な名曲の一つ。全体を支配する陰鬱で神秘的な世界と大江のシュールな歌詞(小説「1984年」の影響によるものらしい)が印象的。演奏自体も、正に「絵を描くような」リード・ギターと、いかにも井上らしいベース・ラインが冴え渡っている。コード進行がどことなくIggy Pop「Neighborhood Threat」を思わせますが、この曲は当初「Sad Romance」という題名で、歌詞も発表されたものよりも異なっているようです。
 ライヴではレコーディング前の1983年夏辺りから取り上げられ、1985年12月辺りまで演奏されていたようです。
 また、2003年にはRock'n'Roll Gypsiesが再演したほか、大江慎也のライヴ・アルバム『ALIVE』(1987年)や、2005年以降のライヴでも数回演奏されています。

◎ヴァージョン/テイク違いについて:
1:Winter Version
 
ヴォーカルを差し替え、曲構成を替えた"Winter Version"が1984年1月1日にシングル発売されています。
収録アルバムは以下の通り。
『Collection 1980-1984』(LP:COLUMBIA AX-7425/1995年)
『Best Songs Collection』(CD:COLUMBIA COCA-12653/1995年)
『The Very Best of The ROOSTERS』(CD:BODY COCA-14222/1997年)
『DIS』(CD:TRIAD COCP-50261/2000年)
『Virus Security (CD-06)』(CD:TRIAD COZA-91〜117/2004年)

カヴァー・ヴァージョンについて:
 ピールアウトが1999年2月に発表したマキシ・シングル「Lucky Star」のカップリングでこの曲をカヴァーしているほか、元有頂天ケラシンセサイザーズというグループでカヴァーしているらしいです。


6.風の中に消えた(作詞:柴山俊之 作曲:花田裕之)
 元サンハウス柴山俊之作詞、花田裕之作曲によるフォーク・ロック調の作品。メロディ・ラインやコード進行等、このアルバム以降のルースターズ・ナンバーに通ずるものがあり、大江慎也作品との違いがよく表われた作品なのではないでしょうか。
また、
花田裕之も2001〜2年頃にライヴで演奏していた事もあります。
7.夜に濡れたい(作詞:柴山俊之 作曲:井上富雄)
 ルースターズにおける2曲目の井上富雄作品で、井上はシンセサイザーも弾いている。David Bowie「Ashes To Ashes」に通ずる曲調で、エンディングのアレンジ(特にベース)はどことなくLou Reed「キャロラインのはなし1」を思わせます。
8.JE SUIS LE VENT(作詞:ヒロ・スグル,M.Alexander/作曲:花田裕之,下山淳)
 エンディングは花田裕之下山淳作曲による物悲しいインスト中心の作品で、下山はギターの他にベースも弾いている。大江慎也によるフランス語のポエトリー・リーディング(?)はヒロ・スグルなる人物とMary Alexanderによるもの。

◎ヴァージョン/テイク違いについて:
a:
ビデオ『Paranoiac Live』のオープニングで別ヴァージョンが流れています。
b:『All About Shinya Ohe Vol.4』に1983年10月16日、日本青年館でのライヴの際にBGMとして流されたものが(曲の途中から)収録。スタジオ・テイクと同一ですが、大江のヴォーカルが入っていない別ヴァージョンになっています。


CD BONUS TRACKS-(2000年発表の紙ジャケのみ)

9.SAD SONG(Winter Version)(作詞・作曲:大江慎也)
 シングル・ヴァージョン。ヴォーカルが別テイクのほか、曲の構成が換えられており、「しおれきった雲が・・・」の部分はカットされている。


10.SHE BROKE MY HEART'S EDGE(Remix Version)(作詞:大江慎也 作曲:花田裕之)
 シングル・ヴァージョン。ディレイ等のエコーの処理が異なり、タイトルも「HEART'S EDGE」と短縮されている。
11.撃沈魚雷(作詞:大江慎也 作曲:THE ROOSTERS)
 「ニュールンベルグでささやいて」参照。

12.バリウム・ピルズ(作詞:大江慎也 作曲:THE ROOSTERS)
 「ニュールンベルグでささやいて」参照。

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