IN NURNBERG 発売日:1982年10月21日 12inch:Shan-Shan YW-7408 CD:30CA-1780

1.ニュールンベルグでささやいて
(作詞:大江慎也,中原聡子 作曲:ザ・ルースターズ)
2.撃沈魚雷
(作詞:大江慎也 作曲:ザ・ルースターズ)
3.バリウム・ピルズ
(作詞:大江慎也 作曲:ザ・ルースターズ)
4.Rosie
(作詞・作曲:大江慎也)
Produced by Shozo Kashiwagi
Arranged by The Roosters&Shozo Kashiwagi
Recorded at AMS
大江慎也
(vocal,guitar)花田裕之(guitar,chorus)
井上富雄(bass,chorus)池畑潤二(drums,Percution,Chorus)
additional;Koichi Ando,Keyboards+Kazuo Ijima,Sax for 1984

1982年3月に映画『爆裂都市』公開、そのサウンドトラックをバトルロッカーズ1984名義で発表。その後ルースターズはライヴ活動を活発に行いましたが、レコーディングに取りかかっていた9月頃から胃痛を訴えていた大江慎也は、レコーディング終了後の10月中旬頃に静養を兼ねて一旦福岡に帰省、しかしそのまま精神性体調不良で入院、ルースターズは活動停止を余儀無くされた。
 そうした出来事の直後の1982年10月21日に発表されたのがこの作品で、
PILリップ・リグ&パニックなどをリリースしているレーベル、シャン・シャンからの12インチ・ミニ・アルバム(今でいうならMaxi Singleといったところでしょうか)のフォーマットで発売されています。
 レコーディングにはゲスト・プレイヤーとして、ルースターズの別ユニットとして活動していた
1984からKazuo Ijima(sax)、後に正式メンバーとなる安藤広一(keyboards)が参加しています。


大江慎也の発売前のコメント:
「聴いても、単純に持っとくだけでも楽しいもの創ろうと思ってます。興味あるバンドはルースターズと1984。常に変化しているし、今度の音聴いたらみんなアッと驚きますよ、きっと。」(「宝島」1982年11月号より抜粋)
レコーディングについて:
 
1982年9月にA.M.S.というスタジオで行われ、9月30日に歌入れが終了するはずでしたが、大江が風邪のため中断、10月8日にオーヴァー・ダビングと大江のヴォーカルの録音、ミックス・ダウンが行われています。
 また、この期間にレコーディングされた曲は
「ニュールンベルグでささやいて」「撃沈魚雷」「バリウム・ピルズ」「Rosie」「Go Fuck」「巡航ミサイル・キャリア(=C.M.C.)」「ゴミ」「ニュー・カレドニア(=カレドニア)」の8曲。これらの曲は後々『ニュールンベルグでささやいて』『C.M.C.』『Good Dreams』の3枚に収録される事になりますが、「Go Fuck」だけはお蔵入りとなりました(後の2004年発表の『Virus Security』でようやく日の目を見る)。
(参考資料:「PLAYER」1982年12月号より/情報提供:No.007さん)
アナログ盤について:
 中古レコード店でタグに「帯なし」と記されているのをよく見かけますが、帯は元々存在していないのでご注意ください。
CDについて:
a.初CD化は1987年9月に『Insane』『C.M.C.』にアルバム未収録曲の「Hey Girl」を加えた形でリリース。
アートワークは表ジャケットのみ復刻され、裏ジャケットはカットされている。

b.2004年発表のボックス・セット『Virus Security』でリマスター化。また、ジャケットをCDサイズにした"紙ジャケット"も封入されていました。

1.ニュールンベルグでささやいて(作詞:大江慎也,中原聡子/作曲:ザ・ルースターズ)
 ルースターズの作品中、最高傑作の一つでもあり、問題作の一つ。(西)ドイツの少年の退廃をテーマにしており、当時の広告には歌詞の内容と思わしき文章が掲載されており・・・・

「さびれた駅に佇む男が かすれた声でささやく 小銭を持ってないかい ポケットにいくらかないかい バーはトルコ人の■■がいっぱい 客を探してにせブロンドが 散々五々と立っている 少年は■■■■欲しさにベンツの男をつかまえる WO コンクリート・ストリートはむし暑く ワインバーは戸を固く閉じ ヒョウがらの服、やせこけた犬が 便所にかけこむ」と書いてあります。

 前作『Insane』のB面でルースターズの音楽的変化がそれまでよりもはっきりしたものになりましたが、ここにきてさらに大きく飛躍しています。特に池畑のドラムやパーカッション、井上のファンキーなベース・プレイが以前にも増して強力なものになり、安藤によるシンセサイザーもこの曲をさらに印象強いものにしています。サウンドは全体的にニュー・ウェイヴ、特に80年代前半のイギリスのホワイト・ファンク系のグループの影響が色濃く出ています。井上さんの1999年のインタビューによると「リップ・リグ&パニックやピッグバッグなどの動き」と言ってます。

(投稿 : Mさん)
 リップ・リグ&パニックPIGBAGは、どちらも英ブリストル出身のポップ・グループというバンドから派生したバンドだと思います。(ちょい前にCDが遂に再発)今の再発のレーベルは解りませんが、当時は3つともラフ・トレードからリリースされてた様な気が。この流れはまー最終的にはマッシヴアタックに通じるんだけど。
 
リップ・リグ&パニックはジャズのトランペット奏者ドン・チェリーの娘ネナ・チェリーなんかが在籍しててピカソのドローイングのジャケがたしか1stかな…。
 そんで、
PIGBAGは当時シングルがHITしてて(「PAPA'S GOT A BRAND NEW PIG BAG」っつー曲。今聴いても全然イケてるJAZZ FU〜NK!!)日本でもホンダのスクーターのCFに使われてこちらでもかなり流行りました。よく火曜日のツバキハウスで(ロンドンナイト!!)かかってました。
 当時
「Nurnberg」は皆、はっきり言って「Nurnberg」のイントロのSAXはモロ!「PAPA'S GOT〜」のパクリじゃねーかって言ってる奴多数有りでした。でも、今だと"サンプリング"とか"引用"ってゆー文脈で語られるんだろうな。やはり奴らはモダン過ぎた。
ただこの曲については、上記のバンドよりも英で流行った
ファンカラティーナの影響が大ありで(キッド・クレオール&ココナッツとかファンカポリタンとか色々いたなー。キッド〜なんかサントリーかなんかのCMにまで出演してた)、その辺りのエッセンスはあのエヴァーグリーンの代名詞アズテック・カメラの1stや、後のネオアコ系と呼ばれてしまう連中にも感じられます。

レコーディングについて:
 
リズム・トラック以外のパート、ヴォーカル、コーラス、サックス、パーカッション等のオーヴァー・ダビングの作業は2時間35分かかったとの事。(参考資料:「PLAYER」1982年12月号より/情報提供:No.007さん)

オリジナル・ヴァージョン収録のCD: (追記:2009年6月22日)
 この曲には本作品に収録されているオリジナル・ヴァージョンの他に、別ヴァージョンや複数のライヴ・ヴァージョンが存在します。本作品収録のオリジナル・ヴァージョンが収録されているCDは以下の通り。
『INSANE+IN NURNBERG & C.M.C.』(CD:Columbia 30CA-1780/1987年)
『Best Songs Collection』(CD:Columbia COCA-12653〜4/1995年)
『The Very Best Of THE ROOSTERS』(CD:BODY COCA-14222/1997年)
『Good Dreams (2000年版紙ジャケ)』(CD:Triad COCP-50262/2000年)
『Virus Security』(CD:Triad COZA-91〜117/2004年)

ヴァージョン/テイク違いについて:
 『Good Dreams』に"Health-Mix"と題された別ヴァージョンが収録されています。イントロのサックスはカットされいるほか、大江のヴォーカルが差し換えられ、下山淳のフィード・バック・ギターが追加されています。収録CDは以下の通り。
『The Roosterz Collection』(CD:Columbia COCA-6973〜4/1990年)
『The First Half Collection』(CD:Columbia COCA-10350/1992年)
『Good Dreams』(CD:Columbia COCA-12577/1995年)
『Good Dreams (2000年版紙ジャケ)』(CD:Triad COCP-50262/2000年)
『Good Dreams (2003年版紙ジャケ)』(CD:Triad COCP-50756/2003年)
『Virus Security』(CD:Triad COZA-91〜117/2004年)
『ゴールデン☆ベスト』(CD:Triad COCP-35449〜50/2009年)

ライヴ・ヴァージョンについて:
 
ライヴでは1982年6月頃から演奏され始め、レコード発売までの間に歌詞やアレンジを何度か変えています。大江慎也在籍時の1985年3月15日までにかけて取り上げられ、その後の1985年5〜7月辺りまでは下山淳のヴォーカルで演奏されていたようです。
 また、1988年7月の渋谷、有明でのライヴでオリジナル・メンバーがゲスト出演した際にも演奏され、解散後は1999年に"Who The Fuck Is The Rooster?"名義で花田裕之のヴォーカルで、2004年7月の新宿LOFT、Fuji Rock Festival'04ではオリジナル・メンバーによって再演されています。商品化されているライヴ・ヴァージョンは以下の通り。

1:1982年7月4日、千代田公会堂でのライヴ・テイク。
『Virus Security (CD-21)』(CD:Triad COZA-91〜117/2004年)
2:1982年8月18日、大阪Bourbon Houseでのライヴ・テイク。
『Virus Security (CD-22)』(CD:Triad COZA-91〜117/2004年)
3:1983年10月16日、日本青年館でのライヴ・テイク。
『All About Shinya Ohe Vol.4』(CD:日本クラウン CRCR-6044/1992年)
『Magnitude Story』(VHS:King's World KWV-005/1993年)
『Virus Security (DVD-2)』(DVD:Triad COZA-91〜117/2004年)
4:1984年7月15日、赤坂ラフォーレミュージアムでのライヴ・テイク。
『Paranoiac Live』(VHS:Columbia/1984年)
『Virus Security (DVD-2)』(DVD:Triad COZA-91〜117/2004年)
5:1985年2月14日、高知グリーンホールでのライヴ・テイク。
『Virus Security (DVD-4)』(DVD:Triad COZA-91〜117/2004年)
6:1988年7月22日、渋谷公会堂でのライヴ・テイク。
『Virus Security (CD-16)』(CD:Triad COZA-91〜117/2004年)
7:2004年7月26日、新宿LOFTでのライヴ・テイク。
『RE・BIRTH II』(DVD:Triad COBA-50867〜8/2005年)
8:2004年7月30日、Fuji Rock Festival'04でのライヴ・テイク。
『RE・BIRTH II』(DVD:Triad COBA-50867〜8/2005年)

カヴァー・ヴァージョンについて:
1: 朝本浩文(ram jam world) & 吉村健一によるカヴァー・ヴァージョン。というか、大江慎也のリード・ヴォーカルがサンプリングされているので、どちらかというとRemix的な仕上がり。
『RESPECTABLE ROOSTERS』(CD:Triad COCP-50061/1999年)
2: この曲以外にも「C.M.C.」や「Sad Song」等も取り上げているPealoutによるカヴァー・ヴァージョン。
『Rolls』(CD:PEAL OF YOUTH POYP-10002 /2004年)


2.撃沈魚雷(作詞:大江慎也/作曲:ザ・ルースターズ)
 「Mona」でのボ・ディドリー風ジャングル・ビートを更に発展・強力にした作品。大江の「C.M.C.」にも通ずる歌詞、池畑のドラムが特に凄い。
この曲は1982年の夏頃からライヴで取り上げられ、
大江慎也脱退後も「Mona」とのメドレー形式で演奏されていました。また、1999年5月に行われたイベント"Respectable Roosers"ではWho The Fuck Is The Rooster?名義で演奏され、2003年6月18日、Rock'n'Roll Gypsiesのライヴでは大江慎也のリード・ヴォーカルで演奏されています。

レコーディングについて:
歌入れとオーヴァー・ダビングの作業は35分で終了し、マラカス、タンバリン、パーカッション類に(マルチ・トラックの)4チャンネル分を使用。(参考資料:「PLAYER」1982年12月号より/情報提供:No.007さん)

ライヴ・ヴァージョンについて:
1:1982年8月18日、大阪Bourbon Houseでのライヴ・テイク。
『Virus Security (CD-22)』(CD:Triad COZA-91〜117/2004年)
2:1982年9月4日、横浜Shell Gardenでのライヴ・テイク。
『Virus Security (CD-22)』(CD:Triad COZA-91〜117/2004年)


3.バリウム・ピルズ(作詞:大江慎也/作曲:ザ・ルースターズ)
 この曲を聴くと、大江がこの半年の間に何があったのかが分かるような、いろんな意味でショッキングな歌詞が気になってしまう。ジョン・リー・フッカーのブギー調のリズムを取り入れたサウンドに、安藤広一によるシンセが被さっていますが、当初はテクノ調のリズムで、歌詞も若干事なっていました。

◎レコーディングについて:
歌入れとオーヴァー・ダビングの作業は50分で終了。
(参考資料:「PLAYER」1982年12月号より/情報提供:No.007さん)

ライヴ・ヴァージョンについて:
1:1982年8月18日、大阪Bourbon Houseでのライヴ・テイク。
『Virus Security (CD-22)』(CD:Triad COZA-91〜117/2004年)
2:1982年9月4日、横浜Shell Gardenでのライヴ・テイク。
『Virus Security (CD-22)』(CD:Triad COZA-91〜117/2004年)


4.Rosie (In Nurnberg Version)(作詞・作曲:大江慎也)
 ファースト・アルバム及びデビュー・シングルとして発表された曲のリメイク・ヴァージョンで、スカ・ビートだったものをテンポを落としてレゲェ風のアレンジに替えられていますが、実はこの曲が作られた時点でこのテンポだったことが1999年に発売されたCD『I'm A King Bee』で明らかになっています。大江のヴォーカルは心ここに在らずといった印象を受けます。

レコーディングについて:
歌入れの作業は1時間15分かかったそうです。(参考資料:「PLAYER」1982年12月号より/情報提供:No.007さん)

ヴァージョン/テイク違いについて:
1:アナログ盤はその後発売されたCDとは違い、フル・エンディングではなくフェイド・アウトします。未CD化。(情報提供:vox2さん)
2:1987年に発売されたCD『INSANE+ニュールンベルグでささやいて+C.M.C.』では「クスリに酔いしれる」の部分が「ただただ酔いしれる」と差し換えられています。
3:2000年に発売された『THE ROOSTERS』の紙ジャケットCDのボーナス・トラック、及びボックス・セット『Virus Security (CD-04)』に収録されたものは歌詞はオリジナルのままですが、曲はフェイド・アウトせずにフル・エンディングになっています。

IN NURNBERG

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