The Roosters 発売日:1980年11月25日

1. Tequila 作曲:Chuck Rio 8. Do The Boogie 作詞:柴山俊之/作曲:鮎川誠
2. 恋をしようよ 作詞・作曲:大江慎也 9. 新型セドリック 作詞・作曲:大江慎也
3. C'mon Everybody 作詞・作曲:Edward Cochran 10. どうしようもない恋の唄 作詞:南浩二/作曲:大江慎也
4. Mona (I Need You Baby) 作詞・作曲:Ellas Modaniels 11. 気をつけろ 作詞・作曲:大江慎也
5. Fool For You 作詞・作曲:大江慎也 12. Rosie (Album Version) 作詞・作曲:大江慎也
6. Hurry Up 作詞・作曲:大江慎也
7. In And Out 作曲:The Roosters
LP:COLUMBIA AF-7017-AX
MT:COLUMBIA CAR-1012
CD:COLUMBIA 30CA-1779
(「THE ROOSTERS+a-GOGO」/1987.9.1.)
CD:COLUMBIA COCA-11107
("Q盤"/1993.10.21.)
CD:TRIAD COCP-50258
(紙ジャケ/2000.3.18.)
CD:TRIAD COCA-50752
(紙ジャケ/2003.9.10.)
Produced by Shozo Kashiwagi
Arranged by The Roosters
Engineers:AMS All Stars/Yuichi Sato
Recorded at AMS in August&September 1980
Photograph:Seiji Kotoura
Thanks To E.R.Land,Matsuda Music Center,Polo
大江慎也(vocal,guitar,harmonica)花田裕之(guitar,chorus)
井上富雄(bass,chorus)池畑潤二(drums)

●1979年10月にバンド結成、そして1年後の1980年11月にリリースされた記念すべきファースト・アルバム。
帯に書いてあるキャッチ・フレーズは
「腑抜け野郎の脳天をたたき割れ!」
 
収録曲はオリジナルが8曲、カヴァーが4曲という構成で、彼等のRoots Musicである初期のThe Rolling Stonesが得意としていたR&B(リズム&ブルース)、ロカビリー、ブギー、モータウン・サウンド、ブリティッシュ・ビート、レゲェ/スカといったスタイルをベースに、パンキッシュでハイテンションなロックン・ロールを聞かせる。
また、この頃
大江慎也はインタビューで「観ている人間がヘドを吐くくらいにドギツイ音楽をやってみたい」とも語っている。あまり色々書くととんでもない事になりそうなので(笑)これを聴いて頭をたたき割って下さい(笑)
日本のロック・シーンにおいて絶対に外せない、重要作品の一つ。
(1999年11月作成/2006年7月2日 訂正)


大江慎也のコメント:
「バリバリに満足してるですよ。録音もね。オレはこないだまでストーンズの最初の3枚しか知らんかった(※注:1年後の『宝島』でのインタビューで大江が「嘘をついていた」と発言しており、実際は最初の3枚以降のアルバムも聴いている)。九州にいた頃から、あの音を出したくて、マイク・セットしたりして研究してたんです。そのやり方を覚えとって、ビクターと契約している時に音録ってみたらクソみたいなのが出来て。なんやかやケンカして、話がポシャってしもうた。それで新しいプロデューサーの柏木さんと、彼がいろいろ教えてくれて、いい音が出来た。」(参考資料:『ミュージック・マガジン』1981年4月号より抜粋)
レコーディングについて:
 
1980年8月上旬に2日間かけて約36曲が録音されたといわれ、この時にお蔵入りとなった音源は80年代後半から90年代半ばにかけて、メンバー非公認の形でリリースされてしまいます。
『Unreleased』(1987年)
『All About Shinya Ohe Vol.1』(1992年)
『Rock'n'Roll Bible』(1993年)

 2000年以降、権利関係の整理等により、改めて下記の2作品で発表される事になります。
『The Roosters』(CD:TRIAD COCP-50258/2000年)
『THE BASEMENT TAPES〜SUNNY DAY 未発表スタジオ・セッション』(2003年)
『Virus Security』(2004年)


ジャケットについて:
 
表ジャケットに使われている写真は東京・西新宿の廃虚(現在、都庁が立っている付近という説がありますが、正確な場所は不明)で撮影されたものらしい。裏ジャケットの写真も新宿駅付近で撮影されたものだといわれています。撮影現場の壁にペイントされた"THE ROOSTERS"の文字もしばらくそのまま残されていたようでしたが、80年代半ばにタイルが貼られ、現在は観る事は不可能。
 また、インパクトのあるメンバーのスーツ姿も、(後のメンバーのインタビューによると)本来は60年代のBritish Beatを意識したつもりだったはずが、結果的にはそれとは何か違った印象になってしまったそうで・・・(笑)
 一般的にルースターズといえば、このアルバム・ジャケットのルックスを思い浮かべる方も多いようですが、残された写真や映像で確認してみたところ、実際にこの姿だった期間は2〜3ヵ月ほどだったようです。

CDについて:
a : COLUMBIA 30CA-1779 (発売日:1987年9月1日)
 
初CD化は1987年9月に『a-GOGO』との2 in1仕様、さらに「Leather Boots」を加えてのリリース。アートワークは表ジャケットのみ復刻され、裏ジャケットや柴山俊之によるライナー、歌詞カードの裏に印刷されてあったメンバーの写真等はすべてカットされています。
 また、
「Rosie」の歌詞の一部が編集され("クスリに酔いしれる"が、"ただただ酔いしれる"になっている)、歌詞カードでも"クスリ"の部分が空白になっています。このCDは現在でも新品・中古ともによく見かけます(2007年2月現在)。

b : COLUMBIA COCA-11107 (発売日:1993年10月21日)
 1993年に"Q盤"(CD文庫1500)という復刻盤のシリーズでようやく単体でリリース、ここで裏ジャケットが復活。当初はインナー・カード(トレーに入っている曲目表)はありませんでしたが、後のプレスでは"定番シリーズ"と題された時につけられています。また「Rosie」はここでも"ただただ酔いしれる"と編集されたものが収録。

c : TRIAD COCP-50258 (発売日:2000年3月18日)
 
2000年3月18日、デビュー20周年を記念して完全限定盤・紙ジャケット仕様でリリース。アナログ盤のデザインを忠実に再現(ただし、帯や歌詞カードは異なる)され、歌詞カードの裏に印刷されてあったメンバーの写真もここで復活。ライナー・ノーツにはオリジナル・アナログ盤に掲載されていた柴山俊之によるものと、新たに書かれた村野弘正氏による文章が掲載。
 音はリマスターされ、
「Rosie」もオリジナル・アルバム・ヴァージョンで復活。さらに4曲のボーナス・トラックが収録。曲自体は後にボックス・セット『Virus Security』にも収録されましたが、「Little By Little」は新たにRemixされたものが収録されたため、このミックスは2000年版の紙ジャケットCDでしか聴く事ができないのでご注意ください(別に曲さえ聴ければいいという方にとってはどうでもいいことですが)。限定盤だったため(当初は3000枚プレスされ、好評につき半年後に追加プレスされたらしい)、現在では入手困難。

d : TRIAD COCA-50752 (発売日:2003年9月10日)
 
2003年9月10日に再び紙ジャケット仕様でリリースされましたが、オリジナル・アナログ盤のデザインを忠実に再現するというコンセプトのため、デビュー20周年を記念盤のボーナス・トラックは未収録。
歌詞カードはアナログ盤についていたものを縮小したものと、4つ折にしたものと2種類が付いており、これまでのCDでは未掲載だったメンバーのプロフィールが復活。

e : 2004年9月29日に発売されたボックス・セット『Virus Security』の"CD-1"に全曲収録、さらに「Rosie」(Single Version)、「Hey Girl」(Single Version)がボーナス・トラックとして収録されています。

[曲目解説] ※これまでライヴ・ヴァージョンのデータを記載していましたが、スペースの都合上割愛させていただきました。ご了承ください<(_ _)>

1.Tequila(作曲:Chuck Rio)
 オープニングは1958年にアメリカのバンド、
The Champsが全米No.1ヒットさせたラテン調のナンバーで、後にThe Venturesをはじめ、数多くのバンドが取り上げた名曲。ルースターズのヴァージョンはDr. Feelgoodのアルバム『Down By The Jetty』(1975年)のテイクを参考にしていると思われ、ビートが強調され、よりシャープな印象を受けます。


2.恋をしようよ(作詞・作曲:大江慎也)
 疾走感溢れるビートと"やりたいだけ"という歌詞が強烈な初期の傑作で、代表曲の一つ。The Rolling Stonesのファースト・アルバムにも「恋をしようよ」という邦題の曲が入っていますが同名異曲で、これは大江慎也のオリジナル作品。大江慎也の力強いギターのカッティングや井上・池畑による跳ねるビートも強力。ギター・ソロは花田。
 彼等の作品の中ではパンク色が強い印象を受けますが、根底にあるのはR&B。British Beatの代表的グループ、
The Kinks「I'm A Lover Not A Fighter」(1964年発表の『The Kinks』収録)のイントロのリフと、Chuck Berry「Thirty Days」のギター・ソロを組み合わせるといった彼等の音楽的センスにも注目したい所。
 また、フジテレビの深夜番組
『エブナイSAT』(日曜日AM 3:00〜4:40/2001年4月15日〜2002年放送)の中でこの曲がBGMとして使われていました。

カヴァー・ヴァージョンについて:
2003年秋公開の映画の『Rockers』中で出演者の俳優・中村俊介のヴォーカルでこの曲が取り上げられており、
サントラ用の演奏は
Rock'n'Roll Gypsiesが担当しています。
・トリピュート盤『Respectable Roosters→z a-GOGO』(2005年9月)の中で斉藤和義がカヴァーしています。


3.C'mon Everybody(作詞・作曲:Edward Cochran)
 「Summertime Blues」「Somethin' Else」「Twenty Flight Rock」等のヒットで知られるアメリカのロカビリー・シンガー、エディ・コクランが1958年10月にシングルとして発表した曲で、全米第35位を記録。ルースターズのヴァージョンではエディ・コクランのオリジナルにはなかったギター・ソロが加えられており、曲をさらに強力なものに。ちなみに花田裕之によるギター・ソロはダブル・トラックでレコーディングされ、大江のギターは中央にミックスされています。
 この曲はHumble PieやUFO、
布袋寅泰等、多くのアーティストによってカヴァーされていますが、2006年には大江慎也が元ルースターズのメンバーと共にこの曲を再レコーディング、アルバム『THE GREATEST MUSIC』"iTMS edition"(iTunes Music Storeでのダウンロードのみ入手可能)で発表されています。

他のアーティストによるヴァージョン:(2005年7月18日更新)
Humble Pie『Smokin'』(1972年/(日)A&M POCM-1888)
Humble Pie『Greatest Hits Live』(2003年/(米)King Biscuit Flower Hour Records KBFR-40004 2)
Led Zeppelin『DVD』(2003年/(日)Warner Music Vision WPBR-90198=DVD)
布袋寅泰『Guitarhythm』(1989年/(日)東芝EMI)
V.A.『Backbeat』(1994年/(日)東芝EMI)
Sid Vicious『Too Fast To Live, Too Young To Die』(2004年/(日)東芝EMI VJCP-68636=CCCD)


4.Mona (I Need You Baby)(作詞・作曲:Ellas Modaniels)
 "ジャングル・ビート"と呼ばれる独特のリズム・パターンで人気を博したR&Bシンガー&ギタリスト、ボ・ディドリーが1957年にシングル「Hey Bo Diddley」のB面として発表した曲で、ルースターズThe Rolling Stonesの(イギリス盤の)ファースト・アルバム『The Rolling Stones』(1964年/及び米編集のアルバム『The Rolling Stones Now!』)収録テイクを参考にしたと思われます。
ストーンズのテイクではゆるやかなアフリカン・ビートにトレモロのかかったギターが大きな特徴だったのに対し、
ルースターズはテンポをスピード・アップし強力なギターのカッティングが印象的。歌詞は大江慎也が一部日本語で歌っていますが、その解釈はオリジナルの歌詞に忠実なのにも注目したいところ。
 ライヴではデビュー直前から解散まで、常にレパートリーとして含まれていることが多く、演奏スタイルも更に改良が加えられ、
The Rolling Stones「Not Fade Away」The Kinks「Cadillac」を思わせるストレートなビートにアレンジされています(さらに、Rock'n'Roll Gypsiesのライヴではその両方のリズム・パターンを組み合わせて演奏されることが稀にある)。

他のアーティストによるヴァージョン:(2006年7月2日更新)
Bo Diddley『Universal Master Collection』(2000年/CD:(日)Universal UICY-1010)
The Rolling Stones『The Rolling Stones』(1964年/CD:(日)London POCD-1911/※1995年の再発盤CD。鮎川誠によるライナー・ノーツ付き。)
The Rolling Stones『Now!』(1965年/CD:(日)Universal)
The Nashville Teens『Tobacco Road』(1964年/CD:(EU)Repertoire REP-4858)
The Pretty Things『Live At The Heartbreak Hotel』(1984年/CD:(ドイツ)LINE LICD 9.00075 O)
Steve Marriott『Scrubbers』(1996年/CD:(EU)Repertoire REP 4603-WP)
The Privates『Buzz A While』(2001年)


5.Fool For You (作詞・作曲:大江慎也)
 大江慎也の作品で、「俺らを愛してくれるなら何でもお前の意のままに」という歌詞が強烈に印象に残る。
曲自体は
「All Your Love」で知られているブルース・マン、オーティス・ラッシュの1962年の作品「Homework」を改作したもので、こちらはルースターズのようなシャープなビートではなく、ゆったりとしたテンポで、ブラス・セクションが印象的。オムニバス盤『THE BEST OF DUKE-PEACOCK BLUES』(CD:(日)MCA/MVCM-395)に収録。
 この
「Homework」(Peter Green在籍時の)Fleetwood Macの1969年の録音『BLUES JAM IN CHICAGO VOL.2』や、ギョガンレンズ(曲の後半に"Fool For You"の歌詞が登場する)、The MindbendersJ・ガイルズ・バンド陣内孝則(Platinam Sax名義。ギターは花田裕之)ドクター・フィールグッド(これがルースターズの演奏に最も近いアレンジ)等も取り上げています。
 また、
ザ・ロック・バンド(アナーキーの別名)がカヴァーしており、1988年に仙台で行なわれたライヴ・イベント"ロックン・ロール・オリンピック"ではザ・ロック・バンド+大江・下山・池畑による演奏が実現しています。

ヴァージョン/テイク違いについて:
・ルースターズ名義のものではありませんが、Rock'n'Roll Gypsiesによるライヴ映像(2003年3月30日、新宿リキッド・ルーム)がアルバム『I(ファースト)』の初回版のみに付いていたDVDに収録。


6.Hurry Up (作詞・作曲:大江慎也)
 大江慎也の作詞・作曲による高速ブギー・ナンバーで、大江慎也の(右チャンネルから聞こえる)ギター・プレイは必聴。アルバムの中でも初期の段階で書かれたものと思われ、恐らく1978年の後半か、1979年初頭に作曲されたものと思われます。ルースターズの前身にあたる人間クラブ(1979年1〜8月にかけて活動)時代は南浩二のリード・ヴォーカルでライヴで演奏されていたようです。

ヴァージョン/テイク違いについて:
・ルースターズ名義のものではありませんが、人間クラブのヴァージョンが『人間クラブ』(CD:ポートレイト/PORT-002)に収録。


7.In And Out (作曲:The Roosters)
 インストゥルメンタル作品。メンバー全員による作曲になっていますが、「ピンク・パンサー」で有名なヘンリー・マンシーニ「Peter Gunn」のリフから発展・改作したもので、エマーソン,レイク&パーマー、The Monkees、ザ・レモ・フォー、The Pirates等も取り上げています。
 また、2001年3月には
ミック・グリーンミッシェル・ガン・エレファントとの共演シングル『KWACKER』でも取り上げられています。アナログ盤ではここまでがA面。
8.Do The Boogie (作詞:柴山俊之/作曲:鮎川誠)
 アナログ盤B面のトップに収録されたブギー・ナンバー。各メンバーの個性的な演奏が堪能できる1曲ですが、特に間奏での大江花田のギターの掛け合いは聴きどころ。ライヴ・テイクはさらにハイ・テンションな演奏で、『The Basement Tapes〜Sunny Day Live AT 渋谷Egg Man 1981.7.14.』(2003年)や『Virus Security』(2004年)の"CD-19"辺りがオススメ。
 この曲のベースになっているのは
The Rolling Stonesの'72年のアルバム『メイン・ストリートのならず者』に収録されていたスリム・ハーポのカヴァー「Shake Your Hips」がルーツと思われますが、九州の伝説のロック・バンド、サンハウス柴山俊之鮎川誠による「BOOGIEしよう(踊る阿呆)」(中倉さんのサイト"SUNHOUSE SITE"で歌詞を見る事が出来ます)を、ルースターズのプロデューサーであり、初期にサンハウスと関わりを持っていた柏木省三のアイデアによって、このアルバムで取り上げられています。
また、
サンハウスのアルバム『仁輪加』収録の「ぶんぶん」「DO THE BOOGIE」を発展させたものと思われます。

豆情報:1987年に発売されたCD(『a-GOGO』との2in1)では「トゥー・ザ・ブギー」と誤植印刷されています。

カヴァー・ヴァージョンについて:
ミッシェル・ガン・エレファント『Respectable Roosters』('99年)やライヴで取り上げています。


9.新型セドリック(作詞・作曲:大江慎也)
 強烈なギター・リフとスピード感溢れるビートが印象的な大江慎也の作品。
この曲はアレンジが全く異なる2つのテイクが存在し、
『I'M A KING BEE』に収録されているテイクではヴィンス・テイラー「新型キャデラック」(クラッシュギターウルフでお馴染み)からヒントを得たものと思われるアレンジになっており、 このアルバムに収録されているテイクではアメリカのギタリスト、リンク・レイ「Hidden Charms」のギター・リフから発展させたのではないかと思われます。

ヴァージョン/テイク違いについて:
a:『I'M A KING BEE』ではアレンジの異なる別テイクが聴けます。
b:『THE BASEMENT TAPES〜SUNNY DAY 未発表スタジオ・セッション』では1980年、ビクターのスタジオで録音されたテイクを聴くことが出来ます。
カヴァー・ヴァージョンについて:
・トリピュート盤『Respectable Roosters→z a-GOGO』(2005年9月)の中でMo'some Tonebenderがカヴァーしています。


10.どうしようもない恋の唄(作詞:南浩二/作曲:大江慎也)
 初期の傑作。これも人間クラブ時代の曲で、当時のヴォーカリストだった南浩二が作詞している(但し、ルースターズのヴァージョンは歌詞の一部が異なり、「好きだと何度言ったって・・・」という部分が省かれています)。何よりも大江のヴォーカルと泣きの入ったギター・ソロが特に素晴らしい。後の1981年2月に「Hey Girl」とカップリングでシングル・カットされ(コロムビアAH11AX)、人気テレビ番組「ヤング・オー・オー」でこの曲を演奏しています。
 曲調はいわゆる"モータウン・サウンド"を取り入れたもので、
「DANCING IN THE STREET」のヒットで知られるマーサ&ザ・ヴァンデラス「Heatwave」(ザ・フーザ・ジャムルルザ・コレクターズもカヴァー。サンハウス「もしも」の元ネタ)風だが、各楽器のアレンジはザ・ジャムのアルバム『In The City』に収録されている「I GOT BY IN TIME」の影響も伺えます。

ヴァージョン/テイク違いについて:
・ルースターズ名義ではありませんが、人間クラブのヴァージョンが『人間クラブ』(CD:ポートレイト/PORT-002)に収録。

カヴァー・ヴァージョンについて:
a:UAオリジナル・ラヴがライヴで取り上げたほか、MAD3『ROCK'N'ROLL KINGDOM』というアルバムでカヴァーしています。
b:2003年秋公開の映画の『Rockers』中で出演者の俳優・中村俊介のヴォーカルでこの曲が取り上げられており、サントラ用の演奏はRock'n'Roll Gypsiesが担当しています。


11.気をつけろ(作詞・作曲:大江慎也)
 大江慎也の作品で、チャック・ベリーやカール・パーキンス辺りにも通ずるスタイルのロックン・ロールで、その後の大江慎也を暗示させるようなパラノイアックな歌詞が印象的。「気をつけなぁーっ」と歌っているのでネット上で曲名を「気をつけな」と書いている方をよく見かけますが、「気をつけろ」ですのでお間違いなく・・・。ちなみに初期のライヴでは時折「朝から晩まで注射器ばっかり打ち続け」と歌っていた事もあったようです。

◎ヴァージョン/テイク違いについて:
a:アルバム『I'M A KING BEE』にデモ・テイクが収録されています。
b:Rock'n'Roll Gypsiesによるライヴ・テイク(2001年10月14日、北九州博覧祭)がアルバム『Who The Fuck Is The Rooster?』(CD:IMAGINE/DLCI-2013)に収録。


12.Rosie (Album Version)(作詞・作曲:大江慎也)
 1980年11月1日に発表されたデビュー・シングル。70年代後半のイギリスでパンク以降に登場したスペシャルズマッドネス(ホンダのCMが懐かしい)等のスカ・ビートを取り入れた作品で、ロックン・ロール・ナンバーが続いたこのアルバムの中では異彩を放つ。
 '95年には
花田裕之がシングル「Love Hurt」で再演しており、こちらも必聴。
カヴァーは
SORROW東京スカパラダイス・オーケストラのヴァージョンが存在します。

ヴァージョン/テイク違いについて:
a:1999年に発表されたCD『I'M A KING BEE』に収録されていた初期ヴァージョンはスロー・テンポで、「クスリに体を持ち崩す」と歌われる(ビデオ『EARLY LIVE 1981』も同じ)。"場末のホール"も"場末のディスコ"になっている。
b:シングル・ヴァージョンはシングル用にミックスされたもので、アルバム・ヴァージョンとは曲の長さや編集に違いがあります。シングル・ヴァージョンのドラムだけのイントロには左からギターは入ってなく、ヴォーカルにはディレイがかかっています(アルバム・ヴァージョンはリヴァーヴ)。
c:アルバムがCD化された際(1987年に出た"2in1"と"Q盤""定番シリーズ")では「クスリに酔いしれる」が「ただただ酔いしれる」に差し替えられている。
d:'82年の12インチ『ニュールンベルグにささやいて』では再びスロー・テンポにアレンジされた別テイクの"In Nurnberg Version"が収録されています。曲はフェイド・アウトし、このヴァージョンはCD化されていません。
e:CD『インセイン+ニュールンベルグにささやいて+C.M.C.』収録の"In Nurnberg Version"は、フェイド・アウトせずに完奏します。こちらも歌詞は「クスリに酔いしれる」が「ただただ酔いしれる」に差し替えられている。
f:2000年版紙ジャケのボーナス・トラックに収録された"In Nurnberg Version"は基本的にはdと同じですが、フェイド・アウトせずに完奏します。
g:Rock'n'Roll Gypsiesによるライヴ・テイク(2001年10月14日、北九州博覧祭)がアルバム『Who The Fuck Is The Rooster?』(CD:IMAGINE/DLCI-2013)に収録。


CD BONUS TRACKS (2000年3月18日発売の紙ジャケット版のみ収録)

13.Rosie(Single Version)(作詞・作曲:大江慎也)
 
アルバム・ヴァージョン(4:45)とは曲の長さもミックスも異なるシングル・ヴァージョン(3:39)。


シングル「ロージー」/コロムビア AK747AX
※画像はkonさん提供。なんと、メンバー全員のサイン入り!! ジャケットをクリックすると拡大で見る事が出来ます(無断転載厳禁)。
14.Hey Girl (Single Version)(作詞・作曲:大江慎也)
 
大江慎也作詞・作曲による、50年代後半〜60年代初頭に一世風靡した"ロッカ・バラード"調の作品。
シングル
「どうしようもない恋の唄」のB面として発表されていますが、オリジナル・アルバムには未収録。
LPでは'85年の
『COLLECTION 1980-1984』で初収録され、'87年の『インセイン+IN NURNBERG & C.M.C.』(COLUMBIA 30CA-1780)で初CD化。

ヴァージョン/テイク違いについて:
a:『I'M A KING BEE』(1999年)に初期別テイクが収録されています。
b:『ALL ABOUT SHINYA OHE VOL.1』『THE BASEMENT TAPES〜SUNNY DAY 未発表スタジオ・セッション』に別ヴァージョンが収録されています。
c:『Virus Security』(2004年)に新たにRemixされたものが収録されています。
カヴァー・ヴァージョンについて:
・トリピュート盤『Respectable Roosters→z a-GOGO』(2005年9月)の中でThe Back Honeがゲストに安藤広一を迎えてカヴァーしています。


15.Little By Little (作詞・作曲:Nanker Phelge,Phil Spector/日本語訳詩:大江慎也)
 The Rolling Stonesのファースト・アルバム『The Rolling Stones』(1964年)に収録されていたナンカー・フェルジ(ストーンズのメンバー全員)とフィル・スペクター(ザ・ロネッツJohn LennonGeorge HarrisonRamones等を手がけた大物プロデューサー)の作品で、大江慎也が日本語に訳して歌っています。
 
ルースターズは元々この曲をシングル「ロージー」のB面として発表する予定だったそうですが、「恋をしようよ」に変更されたためお蔵入りに。『Unreleased』(1987年)でようやく陽の目を見ています。
また、初期のライヴでは頻繁に取り上げられており、次第に後の
「Fly」を思わせるアレンジに変化していきます。

ヴァージョン/テイク違いについて:
a:『Unreleased』(1987年)に別ミックスが収録されています。
b:『18 Years』(1989年)に別テイクが収録されています。
c:『Virus Security』(2004年)に新たにRemixされたものが収録されています。


16.Rosie(In Nurnberg Version)(作詞・作曲:大江慎也)
 1982年発表の12インチ『ニュールンベルグにささやいて』に収録されているスロー・テンポのヴァージョン。
未編集のヴァージョンがCD化されたのはこれが初めて(ただし、アナログ盤は途中でフェイド・アウトする。このヴァージョンはCD化されていない)。
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