The Roosters (作成:1999年8月/更新:2013年11月14日)
1. Tequila (作 曲:Chuck Rio)
2. 恋をしようよ (作詞・作曲:大江慎也)
3. C'mon Everybody (作詞・作曲: Edward Cochran)
4. Mona (I Need You Baby) (作詞・作曲:Ellas Modaniels)
5. Fool For You (作詞・作曲:大江慎也)
6. Hurry Up (作詞・作曲:大江慎也)
7. In And Out (作曲:The Roosters)
8. Do The Boogie (作 詞:柴山俊之/作曲:鮎川誠)
9. 新型セドリック (作詞・作曲:大江慎也)
10. どうしようもない恋の唄 (作詞:南浩二/作曲:大 江慎也)
11. 気をつけろ (作詞・作曲:大江慎也)
12. Rosie (Album Version) (作詞・作曲:大江慎也)
大江慎也 (vocal, guitar,harmonica)
花田 裕之 (guitar,chorus)
井上富雄
(bass,chorus)
池畑潤二
(drums)
発売日:1980年11月25日
Produced by Shozo Kashiwagi
Arranged by The Roosters
Engineers:AMS All Stars/Yuichi Sato
Recorded at AMS in August&September 1980
Photograph:Seiji Kotoura
Thanks To E.R.Land,Matsuda Music Center,Polo
LP : COLUMBIA AF-7017-AX
MT : COLUMBIA CAR-1012
CD : COLUMBIA 30CA-1779 (「THE ROOSTERS+a-GOGO」/1987.9.1.)
CD : COLUMBIA COCA-11107 ("CD文庫"/1993.10.21.)
CD : TRIAD COCP-50258 (紙ジャケ+ボーナス・トラック入り/2000.3.18.)
CD : TRIAD COCA-50752 (紙ジャケ/2003.9.10.)

●1979年10月にバンド結成、そして1年後の1980年11月にリ リースされた記念すべきファースト・アルバム。帯に書いてあるキャッチ・フレーズは「腑抜け野郎の脳天をたたき割れ!」

 収録曲はオリジナルが8曲、カヴァー及び提供曲が4曲という構成。全体を通してパンキッシュでハイテンションなロッ クン・ロールが聴けますが、それだけには留まらず、彼等のRoots Musicの一つでもあるR&B(リズム&ブルース)を中心に、ロカビリー、ブギー、モータウン・サウンド、ブリティッシュ・ビート、レ ゲェ/スカといった、あらゆるスタイルがちりばめられている。

  当時のインタビューを拾ってみると「観ている人間がヘドを吐くくらいにドギツイ音楽をやってみたい」というコメントも残していますが、大江慎也が実践しようとしていたのは、日本人によるリズム&ブルース。これはデビュー直後の『週間ポスト』(1981年1月16日号)掲載のインタビューから、近年の『ロッ ク画報 17』(2004年9月)や『words for a book』(2005年6月)、テレビ番組『大江慎也ドキュメント〜何処へ行こうか〜』(2007年8月/フジテレビ721)まで、 常に一貫している。

  このアルバム以前の日本のロック・シーンを振り返ると、ザ・タイガースやザ・テンプターズといった60年代後半に登場したGSは、ライヴでストーンズをレ パートリーにしていたり、The Golden Cupsやザ・ダイナマイツはソウルやホワイト・ブルース、70年代には(デビュー前の)ビートルズやフィフティーズの要素を含んだロックン・ロール・バ ンドのCAROL、BLUESを深く追求した上で日本語の詞を乗せROCK化させたサンハウスといった先陣がいましたが、このアルバムで聴けるサウンドの 解釈や日本語の乗せ方をした バンドは見当たらない。同時期のバンドを見渡してみてもエネルギーやスピード感は近いようで、ルースターズとは決定的に何かが違う。単純にカッコイイの一 言で済ませられる or 過大評価っぽく写るかもしれないけど、こういう事実は少なからず認識しておいてもいいのでは・・・って、あまり色々書くととんでもない事になり そうなので、これを聴いて頭をたたき割られて下さい(笑)。日本のロック・シーンにおいて絶対に外せない、重要作品の一つ。

大江慎也 のコメント
参考資料:『ミュージック・マガジン』1981年4月号より抜粋
 「バリバリに満足してるですよ。録音もね。オレはこないだまでストーンズの最初の3枚しか知らんかった(※1)。九州にいた頃から、あの音を出したくて、マイク・ セットしたりして研究してたんです(※2)。そのやり方を覚えとって、ビクターと契約している時に音録ってみたらクソみたいなのが出来て。なんやかやケンカして、 話がポシャってしもうた。それで新しいプロデューサーの柏木さんと、彼がいろいろ教えてくれて、いい音が出来た。」
※1:これは若気の至り的な発言で、1年後の『宝島』でのイン タビューで大江が「嘘をついていた」と発言しており、実際は最初の3枚以降のアルバムも聴いている。

※2
:後に『I'M A KING BEE』として発表されたデビュー前の北九州時代の音源を聴くと、確かにそれを裏付けるような形跡が伺えます。で、上京後に録音されたものが『THE BASEMENT TAPES〜SUNNY DAY 未発表スタジオ・セッション』(2003年)のDisc 1-1〜9で聴けますが、バンドが望んでいたものとは言い難い湿った音に…。
レコー ディングについて

 1980年8月上旬に2日間かけ、約36曲が録音されたといわれ(「2枚組で制作された」と言ってる方を時々見かけますが、 「アルバム2枚分にあたる量の曲がレコーディングされた」という事です)、こ の時にお蔵入りとなった音源は、ルースターズとプロデューサーとの契約が終了した80年代後半〜90年代半ばにかけ、メンバー非公認の形でリリースされ、ファンを混乱させる事態に発展。そうした事を受け、2000年以降に権利関係の整理が行われています。

(本作のアウトテイクで、メンバー非承認で発売されたもの)
『Unreleased』(CD:日本クラウン ECD-1002/1987年)
『All About Shinya Ohe Vol.1』(CD:日本クラウン CRCR-6041/1992年)
『Rock'n'Roll Bible』(CD:KINGS WORLD KWCD-801/1993年)
(本作のアウトテイクを含む、メンバー公認で発売されたもの)
『The Roosters』(CD:TRIAD COCP-50258/2000年)
『THE BASEMENT TAPES〜SUNNY DAY 未発表スタジオ・セッション』(2003年)
『Official Perfect Box "Virus Security" Sub Over Sentence.』(2004年)
ジャケッ トについて

[表ジャケット]
 
表ジャケットに使われている写真は東京都 新宿区・西新宿の廃虚で撮影されたものらしい。 恐らく夜に撮影が行われた事や、既に30年以上が経過しているため、正確な場所はもはや特定不能。また、この時撮影された別ショットはバンド・スコアや雑誌の記事等 に使用されています。

[裏ジャケット: 2013年11月14日一部追記]
 
裏ジャケットの撮影場所はインタ ビュー記事やファンの証言を基に調査したところ、西新宿2丁目・都庁第二本庁舎裏の公園通りある角筈橋(つのはずばし)の下で撮影されたものと思われます。通 路の広さからすると新宿中央公園側でしょうか。すぐ近くには首都高速4号新宿線の入口があります。撮影現場の壁にペイントされた"THE ROOSTERS"の文字もしばらくそのまま残されていたようでしたが、80年代半ばに上からタイルが貼られ、現在は当時の面影は残っていません。最寄駅 は地下鉄大江戸線・都庁駅前。ちなみに1983年暮頃に撮影された「Sad Song」のプロモーション・ビデオの後半も新宿副都心で撮影されており、お近くに寄られた際は是非…って、行ったところで何もないので、記念写真を撮る くらいしかする事はないでしょう…(笑)

 また、インパクトのあるメンバーのスーツ姿、(後のメンバーのインタビューによると)本来はアメリカのブルース・ミュージシャンや60年代の British Beatを意識したつもりだったはずが、結果的にはそれとは何か違った印象になってしまったそうで・・・(笑)。一般的にルースターズといえばこのアルバ ム・ジャケットのルックスを思い浮かべる方も多いですが、残された写真や映像で確認してみたところ、実際にこの姿だった期間は数ヶ月だったようです。
CDにつ いて
これまで発売されたCDの形態、特徴等を書いてみました。
a : COLUMBIA 30CA-1779 発売日:1987年9月1日
●歌詞 : あり(ブックレットに掲載)。
●インナー・カード(曲目表) : あり。
●裏ジャケットの復刻 : なし。
●アナログ盤時代の解説書の復刻 : なし。
●ボーナス・トラック : 1曲。

初CD化は1987年9月に『a-GOGO』との2 in1仕様、さらにアルバム未収録曲の「Leather Boots」を加えてのリリース。アートワークは表ジャケットのみ復刻され、 ジャケット内の"THE ROOSTERS"の文字の下に"+a-GOGO"と書き足されているのが特徴。ブックレットには歌詞が掲載されていますが、裏ジャケットや柴山俊之によるライナー、歌詞カードの裏に印刷されてあったメンバーの写真等はすべてカットされています。
 また、
「Rosie」は歌詞の一部が編集され("クスリに酔いしれる"が、 "ただただ酔いしれる"になっている)、歌詞カードでも"クスリ"の部分が空白になっています。このCDは現在で も新品・中古ともによく見かけます(2009年12月現在)。
b : COLUMBIA COCA-11107 発売日:1993年10月21日
●歌詞 : あり。
●インナー・カード(曲目表) : あるものとないものがある。
●裏ジャケットの復刻 : あり。
●アナログ盤時代の解説書の復刻 : なし。
●ボーナス・トラック : なし。

1993年に"Q盤"(CD文庫1500)という復刻盤のシリーズでようやく単体でリリース、ここで裏ジャケットが復活。当初はインナー・カー ド(トレーに入っている曲目表)がなく、帯も白地に薄い緑が入ったシンプルなデザインでしたが、後のプレスでは"定番COLLECTION"と題され、帯のデザインが変更され、インナー・カードも付けられています。
 また
「Rosie」はここでも"ただただ酔いしれる"と編集されたものが収録。長い間流通し、新品・中古共に頻繁に見かけ るCDですが、難点はライナー・ノーツの不在や「Rosie」の歌詞差し換えも含め、オリジナルLP から受ける独特の質感からは程遠く、必ずしもこのアルバムの良さを伝えるものにはなっていないのが惜しい所。
c : TRIAD COCP-50258 発売日:2000年3月18日
●歌詞 : あり。
●裏ジャケットの復刻 : あり。
●アナログ盤時代の解説書の復刻 : 一部あり+新規解説書付。
●ボーナス・トラック : 4曲。

 2000 年3月18日、デビュー20周年を記念してデジタル・リマスター・紙ジャケット仕様でリリース(完全限定盤)。アナログ盤のデザインを忠実に再現(ただ し、帯や歌詞カードは異なる)され、歌詞カードの裏に印刷されてあったメンバーの写真もここで復活。ライナー・ノーツにはオリジナル・アナログ盤に掲載さ れていた柴山俊之によるものと、新たに書かれた村野弘正氏による文章が掲 載。
 音はリマスターされ、
「Rosie」もオリジナル・アルバム・ヴァージョンで復活。さらに4曲のボーナス・トラックが収録。このうち「Little By Little」は後にボックス・セット『Official Perfect Box "Virus Security" Sub Over Sentence.』にも収録されましたが、 新たにRemixされたものが収録されたため、「Little By Little」このミックスは2000年版の紙ジャケットCDでしか聴く事ができな いのでご注意ください。限定盤だったため(当初は3000枚プレスされ、好評 につき半年後に追加プレスされたらしい)、現在では入手困難。
d : TRIAD COCA-50752 発売日:2003年9月10日

●歌詞 : あり。
●裏ジャケットの復刻 : あり。
●アナログ盤時代の解説書の復刻 : あり。
●ボーナス・トラック : なし。


 2003年9月10日に再びデジタル・リマスター・紙ジャケット仕様でリリースされましたが、オリジナ ル・アナログ盤のデザインを忠実に再現するというコンセプトのため、デビュー20周年を記念盤のボーナス・トラックは未収録。

 歌詞カードはアナログ盤についていたものを縮小したものと、4つ折にし たものと2種類が付いており、これまでのCDでは未掲載だったメンバーのプロフィールが復活。このCDも限定盤ですが、新品・中古共に比較的入手は可能 (2009年12月現在)。

e : Virus SecurityTRIAD COZA-91〜122 発売日:2004年9月29日
 2004年9月29日に発売されたボックス・セット『Official Perfect Box "Virus Security" Sub Over Sentence.』の"CD-1"にアルバム全曲に、ボーナス・トラックとして「Rosie」(Single Version)、「Hey Girl」(Single Version)が収録されています。
曲目解説
※これまでライヴ・ヴァージョンのデータを記載していましたが、ス ペースの都合上割愛させていただきました。ご了承ください。

1.Tequila (作曲:Chuck Rio)

 オープニングは1958年にアメリカのバンド、The Champsが全米No.1ヒットさせたラテン調のナンバーで、後にThe Venturesをはじめ、数多くのバンドが取り上げた名曲。ルースターズのヴァージョンはDr. Feelgoodのアルバム『Down By The Jetty』(1975年)のテイクを参考にしていると思われ、ビートが強調され、よりシャープな印象を受けます。


2.恋をしようよ(作詞・作曲:大江慎也) / (外部リンク) コード : 楽器.me

 疾走感溢れるビートと"やりたいだけ"という歌詞が強烈な初期の傑作 で、代表曲の一つ。The Rolling Stonesのファースト・アルバムにも「恋をしようよ」という邦題の曲が入っていますが同名異曲で、これは大江慎也のオリジナル作品。大江慎也の力強いギターのカッティ ングや井上・池畑による跳ねるビートも強力。ギター・ソロは花田。
 彼等の作品の中ではパンク色が強い印象を受けますが、根底にあるのはR&B。British Beatの代表的グループ、
The Kinks「I'm A Lover Not A Fighter」(1964 年発表の『The Kinks』収録)のイントロのリフと、Chuck Berry「Thirty Days」のギター・ソロを組み合わせるといった彼等の音楽的センスにも注目し たい所。
 また、フジテレビの深夜番組
『エブナイ SAT』(日曜日AM 3:00〜4:40/2001年4月15日〜2002年放送)の中でこの曲がBGMとして使われていました。

カヴァー・ヴァージョンについ て:(※カヴァー・ヴァージョンについてはこちらにも記載しました。)
2003年秋公開の映画の『Rockers』中で出 演者の俳優・中村俊介のヴォーカルでこの曲が取り上げられており、サントラ用の演奏はRock'n'Roll Gypsiesが担当しています。

・トリピュート盤『Respectable Roosters→z a-GOGO』(2005年9月)の中で斉藤和義がカヴァーしています。

・2008年5月発表のLOFT RECORDS10周年記念盤アルバムに、うつみようこによるカヴァー・ヴァージョンを収録。
●Variuos Artists『COVER TO THE PEOPLE ~LOFT RECORDS 10th aniv. COVER SONG COMPILATION~』(番号不明/2008年)

OKAMOTO'S2010年5月26日に発表したアルバムの中でこの曲をカヴァーして います。
『10'S』(CD+DVD:ARIOLA JAPAN BLCL-99〜100/2010年)(更 新:2010年5月26日)


3.C'mon Everybody(作詞・作曲:Edward Cochran) / (外部リンク) コード : 楽器.me

 「Summertime Blues」「Somethin' Else」「Twenty Flight Rock」等のヒットで知られるアメリカのロカビリー・シン ガー、エディ・コクランが1958年10月にシングルとして発表した(全米第35位)。ルースターズのヴァージョンではエ ディ・コクランのオリジナルにはなかったギター・ソロが加えられており、曲を さらに強力なものに。ちなみに花田裕之によるギター・ソロはダブル・トラックでレコーディングされ、大江のギターは中央にミックスされています。

 この曲はHumble PieやUFO、布袋寅泰等、多くのアーティストによってカヴァーされていますが、2006年には大江慎也が元ルースターズのメンバーと共にこの曲を再レ コーディング、アルバム『THE GREATEST MUSIC』"iTMS edition"(iTunes Music Storeでのダウン ロードのみ。現在は入手不可能)で発表されています。

他のアーティストによるヴァー ジョン:(更新:2005年7月18日)
Humble Pie『Smokin'』(1972年/(日)A&M POCM-1888)
Humble Pie『Greatest Hits Live』(2003年 /(米)King Biscuit Flower Hour Records KBFR-40004 2)
Led Zeppelin『DVD』(2003年/(日)Warner Music Vision WPBR-90198=DVD)
布袋寅泰『Guitarhythm』(1989年/(日)東芝EMI)
V.A.『Backbeat』(1994年/(日)東芝 EMI)
Sid Vicious『Too Fast To Live, Too Young To Die』(2004年/(日)東芝EMI VJCP-68636=CCCD)


4.Mona (I Need You Baby)(作詞・作曲:Ellas Modaniels)

 "ジャングル・ビート"と呼ばれる独特のリズム・パターンで人気を博し たR&Bシンガー&ギタリスト、ボ・ディドリーが1957年にシングル「Hey Bo Diddley」のB面として発表した曲で、ルースターズThe Rolling Stonesの(イギリス盤の)ファースト・アルバム『The Rolling Stones』(1964年/及び米編集のアルバム『The Rolling Stones Now!』) 収録テイクを参考にしたと思われます。

 ストーンズのテイクではゆるやかなアフリカン・ビートにトレモロのか かったギターが大きな特徴だったのに対し、ルー スターズはテンポをスピード・アップし強力なギターのカッティングが印象的。 歌詞は大江慎也が一部日本語で歌っていますが、その解釈はオリジナルの歌詞に忠実なのにも注目したいところ。

 ライヴではデビュー直前から解散まで、常にレパートリーとして含まれて いることが多く、演奏スタイルも更に改良が加えられ、The Rolling Stones「Not Fade Away」The Kinks「Cadillac」を思わせるストレートなビートに アレンジされています(Rock'n'Roll Gypsiesのライヴでは、その両方のリズム・パターンを組み合わせて演奏されることが稀にある)。

他のアーティストによるヴァー ジョン:(更新 : 2006年7月2日)
Bo Diddley『Universal Master Collection』(2000年/CD:(日)Universal UICY-1010)
The Rolling Stones『The Rolling Stones』(1964年/CD:(日)London POCD-1911/※1995年の再発盤CD。鮎川誠によるライナー・ノーツ付き。)
The Rolling Stones『Now!』(1965年/CD:(日)Universal)
The Nashville Teens『Tobacco Road』(1964年/CD:(EU)Repertoire REP-4858)
The Pretty Things『Live At The Heartbreak Hotel』(1984年/CD:(ドイツ)LINE LICD 9.00075 O)
Steve Marriott『Scrubbers』(1996年/CD:(EU)Repertoire REP 4603-WP)
The Privates『Buzz A While』(2001年)


5.Fool For You (作詞・作曲:大江慎也) / (外部リンク) 歌詞 : リッスンミュージック / コード : 楽器.me

 大江慎也の作品で、「俺ら を愛してくれるなら何でもお前の意のままに」という歌詞が強烈に印象に残る。曲自体は「All Your Love」で知られているブルース・マン、オーティス・ラッシュの1962年の作品「Homework」を改作したもので(…こういう話題に対して顔をしかめる方もいるかと思いますが、Bluesという音楽 ではよくあることです)、こちらはルースターズのようなシャープなビートではなく、ゆったりとしたテンポで、ブラス・セクションが印象的(『THE BEST OF DUKE-PEACOCK BLUES』CD:(日)MCA/MVCM-395に収録)。

 この「Homework」(Peter Green在籍時の)Fleetwood Macの1969年の録音『BLUES JAM IN CHICAGO VOL.2』や、ギョガンレンズ(曲の後半に"Fool For You"の歌詞が登場する)、The MindbendersJ・ガイルズ・バンド陣内孝則(Platinam Sax名義。ギターは花田裕之)ドクター・フィールグッド(これがルースターズの演奏に最も近いアレンジ)等も 取り上げています。
 また、
ザ・ロック・バンド(アナーキーの別名)がカヴァーしており、1988年に 仙台で行なわれたライヴ・イベント"ロックン・ロール・オリンピック"ではザ・ロック・バンド+大江・下山・池畑による演奏が実現しています。

ヴァージョン/テイク違いにつ いて:
・ルースターズ名義の ものではありませんが、Rock'n'Roll Gypsiesによるライヴ映像(2003 年3月30日、新宿リキッド・ルーム)がアルバム『I(ファースト)』の 初回版のみに付いていたDVDに収録。


6.Hurry Up (作詞・作曲:大江慎也) / (外部リンク) コード : 楽器.me

 大江慎也の作詞・作曲によ る高速ブギー・ナンバーで、大江慎也の(右チャンネルから聞こえる)ギター・プレイは必聴。アルバムの中でも初期の段階で書かれたものと思 われ、恐らく1978年の後半か、1979年初頭に作曲されたものと思われます。ルースターズの前身にあたる人間クラブ(1979年1〜8月にかけて活動)時代は南浩二のリード・ヴォーカルでライヴで演奏されていたようです。

ヴァージョン/テイク違いにつ いて:
・ルースターズ名義の ものではありませんが、人間クラブのヴァージョンが『人間クラブ』(CD:ポートレイト/PORT-002)に収録。


7.In And Out (作曲:The Roosters)

 インストゥルメンタル作品。メンバー全員による作曲になっていますが、「ピンク・パンサー」で有名なヘンリー・マンシーニ「Peter Gunn」のリフから発展・改作したもので、エマーソン,レイク&パーマー、The Monkees、ザ・レモ・フォー、The Pirates等も取り上げています。
 また、2001年3月には
ミック・グリー ンミッシェル・ガン・エレファントとの共演シングル『KWACKER』でも取り上げられています。アナログ盤ではここまでがA面。


8.Do The Boogie (作詞:柴山俊之/作曲:鮎川誠) (外部リンク) 歌詞 : リッスンミュージック / コード : 楽器.me

 アナログ盤ではここからがB面。アメリカのブルース・マン、スリム・ ハーポ(強いて挙げれば「Shake Your Hips」)や、「Boom Boom」等で知られるジョン・リー・フッカーが得意としていたブギー・スタイルのナンバーで、ルースターズにとっては先輩格にあたる九州の伝説のロッ ク・バンド、サンハウスの元メンバー、柴山俊之の作詞、鮎川誠作曲によるもの。
 この曲はサンハウスとして発表された曲ではありませんが、サンハウスがデビュー前、1973年頃にライヴで演奏していた
「BOOGIEしよう(踊る阿呆)」(中倉さんのサイト"SUNHOUSE SITE"で歌詞を見る事が出来ま す)でも同様のリズム・スタイルで演奏されており、それが後に「ぶんぶん」(アルバム『仁輪加』収録)やこの「Do The Boogie」へと進化・発展していったと思われます。この曲がアルバムの1曲として取り上げられたのは、プロデューサーの柏木省三(初期にサンハウスと関わりを持っていた)のアイデアによるもの。カヴァーと言うよりも、提供曲と捉えた方が妥当なのではないでしょうか。

 また、The Beatlesの「All My Loving」がそうであったように、各メンバーのプレイヤーとしての個性を知る上では恰好の楽曲でもあり(特に大江慎也のカッティングが際立ってい る)、井上富雄の躍動感溢れるベースや、間 奏での大江慎也と花田裕之のギターの掛け合いも聴きどころ。
 スタジオ版での池畑潤二のドラムは(録音とミックスのバランスのためか)やや控えめな印象ですが、むしろライヴで本領が発揮されており、特に途中からテ ンポを徐々に上げ、終盤で一気に加速する
『The Basement Tapes〜Sunny Day Live AT 渋谷Egg Man 1981.7.14.』(2003年)や、パワー全開の『Virus Security』(2004年)の"CD-19"は必聴。

 ライヴでは1980年秋、このアルバ ムの発表前後から取り上げられ、1988年の"Four Pieces"名義で行われたライヴ辺りまで、メンバー・チェンジ後も長きにわたって演奏され続け、2004年、Fuji Rock Festivalでのラスト・ライヴでも演奏。2002年以降の現在ではRock'n'Roll Gypsiesや花田裕之のアコースティック・ライヴ"流れ"でも頻繁に演奏され続けています。

小ネタ:1987年に発 売されたCD(『a-GOGO』との2in1)では「トゥー・ザ・ブギー」と誤 植印刷されています。

カヴァー・ヴァージョンについ て:
ミッシェル・ガン・エ レファント『Respectable Roosters』('99年)やライヴで取り上げています。


9.新型セドリック(作詞・作曲:大江慎也) (外部リンク) コード : 楽器.me

 強烈なギター・リフとスピード感溢れ るビートが印象的な大江慎也の作品。この曲はアレンジが全く異なる2つのテイクが存在し、『I'M A KING BEE』に収録されているテイクではヴィンス・テイラー「新型キャデラック」(クラッシュギターウルフでお馴染み)からヒントを得たものと思われるアレンジになっており、 このアルバムに収録されているテイクではアメリカのギタリスト、リンク・レイ「Hidden Charms」のギター・リフから発展させたのではないかと思われます。

◎ヴァージョン/テ イク違いについて:
a:『I'M A KING BEE』ではアレンジの異なる別テイクが聴けます。
b:『THE BASEMENT TAPES〜SUNNY DAY 未発表スタジオ・セッション』では1980 年、ビクターのスタジオで録音されたテイクを聴くことが出来ます。
◎カヴァー・ヴァージョンにつ いて:
・トリピュート盤『Respectable Roosters→z a-GOGO』(2005年9月)の中でMo'some Tonebenderがカヴァーしています。


10.どうしようもない恋の唄(作詞:南浩二/作曲:大江慎也) (外部リンク) 歌詞 : リッスンミュージック / コード : 楽器.me

 初期の傑作。これも人間クラブ時代の曲で、当時のヴォーカリストだった南浩二が作詞している(但し、ルースターズのヴァー ジョンは歌詞の一部が異なり、「好きだと何度言ったって・・・」という部分が省かれています)。何よりも大江のヴォーカルと泣きの入ったギター・ソロが特 に素晴らしい。後の1981年2月に「Hey Girl」とカップリングでシングル・カットされ(コロムビア AH11AX)、人気テレビ番組「ヤング・ オー・オー」でこの曲を演奏しています。
 曲調はいわゆる"モータウン・サウンド"を取り入れたもので、
「DANCING IN THE STREET」の ヒットで知られるマーサ&ザ・ヴァンデラス「Heatwave」(ザ・フーザ・ジャムルルザ・コレクターズも カヴァー。サンハウス「もしも」の元ネタ)風だが、各楽器のアレンジはザ・ジャムのアルバム『In The City』収録の「I GOT BY IN TIME」の影響も伺えます。

おまけ : コード進行

 この曲のコード進行についての投稿がBBSにありましたのでリンクを貼ります。
http://tinygoddess.webspace.ne.jp/bbs/tinygoddess_tree_r_443.html

ヴァージョン/テイク違いにつ いて:
・ルースターズ名義で はありませんが、人間クラブのヴァージョンが『人間クラブ』(CD:ポートレイト/PORT-002)に収録。

カヴァー・ヴァージョンについ て:
a:UAオリジナル・ラヴがライヴで取り上げたほか、MAD3『ROCK'N'ROLL KINGDOM』というアルバムでカヴァーしています。
b:2003年秋公開の映画の『Rockers』中で出 演者の俳優・中村俊介のヴォーカルでこの曲が取り上げられており、サントラ用の演奏はRock'n'Roll Gypsiesが担当しています。


11.気をつけろ(作詞・作曲:大江慎也) (外部リンク) 歌詞 : リッスンミュージック / コード : 楽器.me

 大江慎也の作品で、「気を つけなぁーっ」と歌っているのでネット上で曲名を「気をつけな」と書いている方をよく見かけますが、「気をつけろ」ですのでお間違いなく・・・(笑) チャック・ベリーやカール・パーキンス辺りにも通ずる50年代スタイルのロックン・ロール。ちなみに初期のライヴでは時折「朝から晩まで錠剤ばかり飲み続け」を「朝 から晩まで注射器ばっかり打ち続け」と歌っていた事もあったようです。

ヴァージョン/テイク違いにつ いて:
a:アルバム『I'M A KING BEE』にデモ・テイクが収 録されています。
b:Rock'n'Roll Gypsiesによるライヴ・テイク(2001 年10月14日、北九州博覧祭)がアルバム『Who The Fuck Is The Rooster?』(CD:IMAGINE/DLCI-2013)に収録。


12.Rosie (Album Version)(作詞・作曲:大江慎 也) (外部リンク) 歌詞 : リッスンミュージック / コード : 楽器.me

 1980年11月1日に発表されたデビュー・シングル。70年代後半の イギリスでパンク以降に登場したスペシャル ズマッドネス(ホンダのCMが懐かしい)等のスカ・ビートを取り入 れた作品で、ロックン・ロール・ナンバーが続いたこのアルバムの中では異彩を放つ。ちなみに1995年には花田裕之がシングル「Love Hurt」で再演しており、こちらも必聴。カヴァーはSORROW(川村カオリ)東京スカパラダイ ス・オーケストラのヴァージョンが存在します。

ヴァージョン/テイク違いにつ いて:
a:1999年に発表されたCD『I'M A KING BEE』に収録されていた初期ヴァージョンはスロー・テンポで、「クスリに体を持ち崩す」と歌われる(ビデオ『EARLY LIVE 1981』も同じ)。"場末のホール"も"場末のディスコ"になっている。
b:シ ングル・ヴァージョンはシングル用にミックスされたもので、アルバム・ヴァージョンとは曲の長さや編集に違いがあります。シングル・ヴァージョンのドラム だけのイントロには左からギターは入ってなく、ヴォーカルにはディレイがかかっています(アルバム・ヴァージョンはリヴァーヴ)。
c:アルバムがCD化された際(1987年に出た"2in1"と"Q盤""定番シリーズ")では「クスリに 酔いしれる」が「ただただ酔いしれる」に差し替えられている。
d:'82年の12インチ『ニュールンベルグにささやいて』では再びスロー・テンポにアレンジされた別テイクの"In Nurnberg Version"が収録されています。曲はフェイド・アウトし、このヴァージョンはCD化されていません。
e:CD『インセイン+ニュールンベルグにささやいて+C.M.C.』収録の"In Nurnberg Version"は、フェイド・アウトせずに完奏します。 こちらも歌詞は「クスリに酔いしれる」が「ただただ酔いしれる」に差し替えられている。
f:2000年版紙ジャケのボーナス・トラックに収録された"In Nurnberg Version"は基本的にはdと同じですが、フェイド・アウトせずに完奏します。
g:Rock'n'Roll Gypsiesによるライヴ・テイク(2001 年10月14日、北九州博覧祭)がアルバム『Who The Fuck Is The Rooster?』(CD:IMAGINE/DLCI-2013)に収録。


CD BONUS TRACKS:2000年3月18日発売の紙ジャケット版のみ収録。

13.Rosie(Single Version)(作詞・作曲:大江慎也)

 アルバム・ヴァージョン(4:45)とは曲の長さもミックスも異なるシングル・ヴァージョン(3:39)。


14.Hey Girl (Single Version)(作詞・作曲:大江慎 也) / 外部リンク : Yahoo! ミュージック・歌詞

 大江慎也作詞・作曲による、50年 代後半〜60年代初頭の"ロッカ・バラード"調の作品。シングル「どうしようもない恋の唄」のB面として発表されていますが、オリジナル・アルバムには未収録。
LPでは'85年の
『COLLECTION 1980-1984』で初収録され、'87年の『インセイン+IN NURNBERG & C.M.C.』(COLUMBIA 30CA-1780)で初CD化。

ヴァージョン/テイク違いにつ いて:
a:『I'M A KING BEE』(1999年)に初期別テイクが収録されています。
b:『ALL ABOUT SHINYA OHE VOL.1』『THE BASEMENT TAPES〜SUNNY DAY 未発表スタジオ・セッション』に別ヴァージョンが収録されています。
c:『Virus Security』(2004年)に新たにRemixされたものが収録されています。
カヴァー・ヴァージョ ンについて:
・トリピュート盤『Respectable Roosters→z a-GOGO』(2005年9月)の中でThe Back Honeがゲストに安藤広一を迎えてカヴァーしています。


15.Little By Little (作詞・作曲:Nanker Phelge,Phil Spector/日本語訳詩:大江慎也)
 The Rolling Stonesのファースト・アルバム『The Rolling Stones』(1964年)に収録されていたナンカー・フェルジ(ストーンズのメンバー全員)とフィル・スペクター(ザ・ロネッツJohn LennonGeorge HarrisonRamones等を手がけた大物プロデューサー)の作品で、大江慎也が日本語に訳して歌っています。
 
ルースターズは元々この曲をシングル「ロー ジー」のB面として発表する予定だったそうですが、「恋をしようよ」に変更されたためお蔵入りに。『Unreleased』(1987年)でようやく 陽の目を見ています。
また、初期のライヴでは頻繁に取り上げられており、次第に後の
「Fly」を思わせるアレンジに変化していきます。

ヴァージョン/テイク違いにつ いて:
a:『Unreleased』(1987年)に別ミックスが収録されています。
b:『18 Years』(1989年)に別テイクが収録されています。
c:『Official Perfect Box "Virus Security" Sub Over Sentence.』(2004年)に新たにRemixされたものが収録されています。


16.Rosie(In Nurnberg Version)(作詞・作曲:大江慎也)
 
1982年発表の12インチ『ニュールンベルグにささやいて』に収録されているス ロー・テンポのヴァージョン。
未編集のヴァージョンがCD化されたのはこれが初めて(ただし、アナログ盤は途中でフェイド・アウトする。このヴァージョンはCD化されていない)。

おまけ

(写真左)  シングル「ロージー/恋をしようよ」(コロムビア AK747AX)
●許可を得て
提供していただいたこの画像はkonさん所有のシングル盤より(※無断転載厳禁!!)。なんと、メンバー全員のサイン入り!!
メンバーのサインは、在籍時と脱退/解散後以降とでは書き方を変えている方もいるようで(特に大江さんのは数パターン存在する)、これはデビュー間もない 頃のもの。
(資料提供 : konさん/掲載:2001年1月)
余談 : ちなみに上の話とは別に、続いてこちらも是非ご覧ください・・・(謎)
(掲載:2011年5月14日 /期間限定)
『THE ROOSTERS』のバンド・スコアの表紙。アルバムとは別ショット。メンバーのポーズが微妙に異なる。
(資料提供 : No.007さん)
『a-GOGO』へつづく。/ →Menuヘ戻る

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