Shazam

[Side A]
1.Hello Susie
2.Beautiful Daughter
3.Cherry Blossom Clinic Revisited
[Side B]
1.Fields Of People
2.Don't Take My Baby Blue
3.The Last Thing On My Mind
・Roy Wood(Vocals,Lead Guitar) ・Carl Wayne (Lead Vocals)
・Bev Bevan (Drums,Percussion,Vocals) ・Rick Price (Bass,Vocals)
イギリス盤LP:Regal Zonophone SLRZ-1012 (1970.2.)
アメリカ盤LP:
A&M SP-4259 (1970.5.)
Strings and Woodwind Arrengements by Tony Visconti
Produced by
Roy Wood,Carl Wayne,Rick Price in conjunction with Gerald Chevin
Recorded at Advision Studios
Original Cover Design by
Mike Sheridan (NICKLEBY)
Original Cover Photo by
Alec Byme London Photo Aency
●エース・ケフォード脱退後、4人編成となったThe Moveは1968年暮れに「Blackberry Way」(全英第1位)の大ヒットを飛ばしたものの、翌1969年2月にトレヴァー・バートンが音楽的相違で脱退。後任としてリック・プライスが加入し、8月に「Curly」(全英第12位)を発表。そして1970年2月にこのセカンド・アルバムを発表しています(ノン・チャート)。ちなみにアルバム・ジャケットのイラストは、かつてロイ・ウッドと共にバンド活動をしていたマイク・シェリダンが担当。
 時代的にはサイケデリックからハード・ロック、プログレッシヴ・ロックへと移り変わった頃で、このアルバムでもそれが反映されたものになっています。A面はロイ・ウッドのオリジナル・ナンバー、B面はカヴァー曲をプログレ風にアレンジしたものを収録。全体的に長い曲が多く、演奏もよりハードなサウンドになっているため聞き手の好みが分かれると思われますが、クオリティ自体はどの曲も高い。
 このアルバム発表後、
カール・ウェインがソロ転身のために脱退、再びメンバー・チェンジが行われます。
CDについて これまでに多数のCDが出回っていますが、個人的に把握できたものを掲載いたしました。
『Flowers In The Rain』(CD:(日)テイチク 25CP-35/1989年)
 1989年に日本のテイチクから発売されたCDで、『The Move』との2in1仕様。ブックレットには"ROY WOOD/THE MOVE REAL STORY"と題されたライナー・ノーツと歌詞が掲載。
『Shazam』(CD:(ドイツ)Repertoire REP 4296-WY/1993年)
 1993年にドイツのRepertoireから発売されたCD。ボーナス・トラックとしてライヴEP『Something Else』を収録。
『Shazam』(CD:(日)MSI MSIF-7428/1996年)
 1996年に日本のMSIが、上記ドイツRepertoire盤に帯・日本語解説書・歌詞を付けて発売。
『Shazam』(CD:(ドイツ)Repertoire REP 4691-WY/1998年)
 1998年にドイツのRepertoireから発売されたリマスター盤。ボーナス・トラックとしてライヴEP『Something Else』と、そのアウト・テイクを収録。
7.So You Want To Be A Rock'N'Roll Star 8.Stephanie Knows Who 9.Something Else 10.It'll Be Me 11.Sunshine Help Me 12.Piece Of My Heart(Outtake)
13.Too Much In Love(Outtake) 14.(Your Love Keeps Lifting Me) Higher And Higher(Outtake) 15.Sunshine Help Me(Outtake)
『Shazam』(CD:(日)Vivid Sound VFCD-2623/1999年)
 1996年に日本のVivid Soundが、ドイツRepertoire盤(1998年リマスター)に、"ザ・ムーヴ・ヒストリーPART 2(1968.5〜19702)"や曲目解説、加藤ひさし氏(The Collectors)によるコメント、歌詞を掲載したブックレットを付けて発売。
『Shazam』(CD:(日)ビクター・エンタテインメント VICP-61314/2001年)
 2001年日本のビクターから発売されたCD。内容は上記ドイツRepertoire盤(1998年リマスター)と同一ですが、"20bit K2 Mastering"という独自のマスタリングにより、音質は微妙に向上しています。
 また、ジャケットは紙ジャケット仕様で、レーベルはRegal ZonophoneではなくCubeを使用。ブックレットには解説、歌詞・対訳が掲載されていますが、ボーナス・トラック部分には何も触れられていないのが難点。
『Shazam』(CD:(英)Salvo/Fly Recirds SALVOCD-012/2007年)
 2007年8月にイギリスのSalvo(Union Square Music内のレーベル)から発売された"Deluxe Expanded Edition"と題されたCDで、ジャケットは3面開きのデジ・パック仕様(紙ジャケットと呼べなくもない)。内容については別項をご覧ください。
曲目解説

SIDE A
1.Hello Susie
(Roy Wood)
 ロイ・ウッドの作品。この曲はアンディ・フェアウェザー・ロウが在籍していたポップ・グループ、エーメン・コーナーに提供され、全英チャート第4位の大ヒットを記録(※シングルとアルバムではテイクが異なります)。エーメン・コーナーのヴァージョンがアップ・テンポでブラス・セクションを全面に出したものだったのに対し、The Moveのヴァージョンはテンポを落とし、ハードなサウンドに仕上がっています。ポップなメロディのせいか、ハード・ロックまでは行かず、90年代前半のジェリーフィッシュも通ずるパワー・ポップという印象も受けます。
 ちなみにアメリカではこのアルバムが発売される1年前、1969年2月に
「Weekend」とのカップリングでシングル・カットされる予定でしたが、未発売に終わっています。
リード・ヴォーカルはロイ・ウッドですが、ラジオ出演時にはカール・ウェインがヴォーカルをとっていました。

ヴァージョン/テイク違いについて : 
abridged
 
お蔵入りとなったアメリカでのシングル・エディットと思われるヴァージョン。イントロのギターと中盤での歌詞の一部がカットされている。
『Anthology 1966-1972』((英)Salvo/Fly Recirds SALVOBOX-406) (追記:2008年11月24日)

他のアーティストによるヴァージョン :
Amen Corner『If Paradise Is Half As Nice』(CD:(英)Castle CMDDD056/(日)Vivid VSCD-1941)


2.Beautiful Daughter (Roy Wood)
 
ロイ・ウッドの作品で、ヴォーカルはカール・ウェイン。ムーヴはクラシカルな雰囲気で美メロな曲がいくつかありますが、これはその最もたるもので、アコースティック・ギターと、トニー・ヴィスコンティのアレンジによるストリングスが印象的。
 この
曲はアルバムが発表される1年ほど前、トレヴァー・バートン在籍時に既にテレビで演奏しており、ストリングスはなく、ベヴ・ベヴァンのドラムが入っている等の違いあり(ちなみにこのテレビ映像は数年前にWOWOWで再放送されている)。また、シングル・カットの予定もありましたが実現していません。

ヴァージョン/テイク違いについて : 
(a) Alternate Mix
 
一部のCDにリヴァーヴのかかった別ミックスが収録されています。
●『Shazam』(CD:(ドイツ)Repertoire REP 4296-WY)
●『Shazam』(CD:(日)MSI MSIF-7428/1996年)
●『Shazam』(CD:(ドイツ)Repertoire REP 4691-WY)
●『Shazam』(CD:(日)Vivid Sound VFCD-2623)
●『Shazam』(CD:(日)ビクター・エンタテインメント VICP-61314)
●『HITS & RARITIES SINGLES A'S & B'S』((ドイツ)Repertoire REP 4665-WR)

(b) Reduced Mix
 
モノラル・ミックスの別ヴァージョン。ヴォーカルはダブルではなくシングル・トラック。
『Anthology 1966-1972』((英)Salvo/Fly Recirds SALVOBOX-406) (追記:2008年11月24日)


3.Cherry Blossom Clinic Revisited (Roy Wood)
 前作のラストに収録されていた
「Cherry Blossom Clinic」をプログレ風にアレンジて再録したもので、冒頭にSEと語りを加え、曲後半のインストゥルメンタル部分ではバッハの「主よ人の望みの喜びよ」やチャイコフスキーの「くるみ割り人形」のクラッシックのフレーズが登場。オリジナル・ヴァージョンではトレヴァー・バートンがリード・ヴォーカルでしたが、ここではカール・ウェインが歌っている。
SIDE B
1.FIELDS OF PEOPLE
(DAY/PIERSON)
 ここからはカール・ウェイン主体によるカヴァー大会ですが、演奏は明
らかにロイ・ウッドが主導権を握っていたと思われます。
この曲はアメリカの
Ars Novaというグループの作品。クラシック、サイケ、プログレ、インド音楽等、多彩なアレンジが凄い。

他のアーティストによるヴァージョン :
Ars Nova『Ars Nova』(CD:(米)Sundazed)



2.DON'T MAKE MY BABY BLUE (MANN/WEIL)
 
バリー・マンシンシア・ウェイルの作品で、1963年にフランキー・レインがヒットさせている。原曲はバラードだったそうですが(筆者未聴)、The Moveはこれをヘヴィ・ロック風にアレンジしている。
 なお、オリジナル・アナログ盤にはイントロを失敗してもう一度やり直す音が入っていましたが、2007年発売の英Salvo盤以外のCDではすべてカットされています。

他のアーティストによるヴァージョン :
Frankie Laine『The Collection』(CD:(米)Sony)


3.The Last Thing On My Mind (Tom Paxton)
 オリジナルはアメリカのフォーク・シンガー、
トム・パクストンの作品。アシッド・フォークを思わせるような美しい曲調で、コーラス・ワークはThe Byrdsのヴァージョンによる「Goin' Back」からの影響が伺えます。間奏でのサイケデリックな展開も聞き所。この曲もトレヴァー・バートン在籍時に既にテレビで演奏されています。
リード・ヴォーカルはカール・ウェインですが、何ケ所かロイ・ウッドにパート・チェンジします。

他のアーティストによるヴァージョン :
The Seekers『Come The Day』(1966年/CD:(英)EMI 7243 4 99769 2 4)


[追記]
 「Fields of People」「The Last Thing On My Mind」のオリジナル・アーティストによる演奏は、2006年にRhinoから発売された5枚組ボックス・セットForever Changing: The Golden Age of Elektra 1963-1973((EU)Rhino 8122 74745-2)でも聴く事が出来ます。(追記:2008年11月24日)

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