The Fifth Generation (Return of The Golden Cups 8)
The Fifth Generation
[A面]
1. Hi-Jack(Instrumental)
2. 24時間
3. Feel This Way
4. Web
5. Cross Eyed Woman
[B面]
1. Tears Of Rage (怒りの涙)
2. V.D. (Vernards Going Doomed Again)
3. Woman's Gone
4. Underture:Empty Dream
LP:CAPITOL CPC-8042 (1971.1.10.)
LP:
P-Vine PLP-7618 (2002.3.25.)
CD:
EXPRESS TOCT-8711 (1994.12.14.)
CD:
Capitol TOCT-25386 (2004.6.30./リマスター盤)
デイヴ平尾(vo) / エディ藩(g,vo) / アイ高野(d,g,vo) / ミッキー吉野(k,vo) / 柳ジョージ(b,vo)

◎ケネス伊東が再びビザの関係上により脱退、1970年9月 に後釜として元パワー・ハウスの柳ジョージが加入、直後にこのアルバムが製作されます。このアルバムは1970年9月から11月にかけてレコーディングさ れ、The Bandのカヴァー「怒りの涙」を除いてすべてメンバーのオリジナル作品という意欲作。アルバム・タイトルの"Fifth Generation"は"第5期ゴールデン・カップス"を意味するものだそうです。

 楽曲はすべて編集で繋がれており、ビートルズの 『SGT.Pepper's Lonely Heart's Club Band』('67年)以降に多く登場した"トータル・コンセプト・アルバム"風の仕上がりに。音楽面ではアメリカのスワンプ・ロックや、カップス本来の 持ち味であるブルース/ソウル・フィーリングを感じさせつつ、この頃ジャズ界で起こりつつあったクロスオーヴァー的な要素も見受けられ、海外での音楽的動 向を素早く取り入れています。さらに殆どの作曲/アレンジをミッキー吉野が担当した事もあり、後のゴダイゴを予見させるポップなサウンド/アレンジが非常 に魅力的。また、このアルバムではミッキー吉野以外のメンバーがリード・ヴォーカルをとっている曲が多く含まれ、逆にデイヴ平尾が2曲しか歌っていないの もこのアルバムの特徴。

  このアルバムが出た1971年頃は既にはっぴいえんどが" 日本語のロック"を展開していましたが、カップスはあくまで"英語派"(とはいっても同時期にシングル盤で「にがい涙」という日本語オリジナル曲を出 している)。ジャケットやアナログ盤の歌詞カード等から察すると海外進出も念頭にあったような印象も受けますが、実はレコーディング終了直後の1970年 10月下旬、バンドにとって致命傷的なアクシデントが起こり、その影響でテレビ出演は自粛、アルバムに大きな貢献を果たしたミッキー吉野はバンドを脱退 (→後にアメリカの音楽学校へ)、 以後カップスはしばらくの間4人編成で活動する事に。

 GSの崩壊〜ニュー・ロッ ク〜フォークへと流行が激変した70年代前半、このアルバムは発売されていた事すら認知されず、近年も映画 『ワンモアタイム』でも一切触れられる事無く長 い間埋もれたまま不遇な運命を辿った作品ですが、もしこのアルバムを見かけた際は一度でもいいので聴く事を強く薦めます。これは大袈裟に感じるかと思われ ても仕方がありませんが、今ご覧になっているページも、このアルバムを一人でも多くの方に知ってもらいたいがために作ったようなものなので…。個人的には 『Super Live Session』と同等に大好きな作品(どのアルバムもそれぞれ独特の持ち味があるので、さすがにどれか1枚には絞れない(笑))。


[追記 1]
 このアルバムについては書籍『ロック画報 12』(ブルース・インターアクションズ/2003年6月発行)に「幻の傑作アルバムレコーディング秘話」という記事で詳しく記載されていますので是非一 読を。
ロック画報 (12) ロック画報 (12)
(2003/06)
不明

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[追記 2]
 2008年に発表されたミッキー吉野の2枚組発掘音源集『
ME AND'70s』(G-matics/GMT-005〜6)のDisc 1に、1970年に製作されながらも未発表のままだったミッキー吉野のソロ・アルバム用の音源が収録され、随所に『Fifth Generation』を彷佛させるサウンドを聴く事ができます。
ME AND’70s(紙ジャケット仕様) ME AND’70s(紙ジャケット仕様)
(2008/09/26)
ミッキー吉野

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[音源配 信について/更新:2010年11月19日]
この作品は以下のサイトでダウンロード購入ができます(※対応OS、ファイル形式にご注意ください。また、サービス終了等の理由によりリング切れに夏てい る場合がありますがご了承ください)。
●mora(モーラ) :
http://mora.jp/package/80312032/0370006118911/
●OnGen : http://www.ongen.net/search_detail_album/album_id/al0000003432/
●Listen Japan : http://listen.jp/store/album_4988006118911.htm  

1. Hi-Jack(Instrumental) (作曲 : エディ藩)

 オープニングは
エディ藩によるハードなインスト・ナンバー。イントロのアコースティック・ギターによるスライド奏 法が聞き物。タイトルの"Hi-Jack"は1970年3月に起きた"よど号ハイジャック事件"から来ているそうです。1970年10月23日、11月1 日録音。
2. 24時間 / Twenty-Four Hours (I Beg For Your Love) (作詞 : John Aguinalds / 作曲 : ミッキー吉野)

 
ミッキー吉野の作品。後のゴダイゴを彷佛とさせるポップなナ ンバーで、デイヴ平尾が力強いヴォーカルを聞かせます。何故かギターが入っていませんが、これはレコーディング 当日にエディ藩が欠席したためだそうです。しかしながらピアノ、ドラム、ファズ・ベースという編成は90 年代に活躍したベン・フォーズ・ファイヴを彷佛とさせます(追記:これを記載した数年後、CDのライナーや書籍等でもこのバンドを 引き合いに書かれているのを見かけましたが、ライターの方が偶然同じ印象を抱いたのか、はたまた…)。1970年10月9日、11月1日録音。
3. Feel This Way (作詞・作曲 : エディ藩)

 
エディ藩作 曲の、カントリー・タッチのアコースティック・ナンバー。曲の終盤にバンドの演奏が始まる。逆回転によるディレイなど、ミキシングにも施工が凝られてい る。1970年10月30日録音。
4. Web (作詞 : John Aguinalds / 作曲 : ミッキー吉野)

 
ミッキー吉野の作品で、柳ジョージがヴォーカル。このアルバムの中では比較的ポップな曲調で、ミッキー吉野のエレクトリック・ピアノが印象的。前の曲とクロスして 曲が始まります。1970年10月9日、30日録音。
5. Cross Eyed Woman (やぶにらみの女) (作詞・作曲 : 柳ジョージ)

 
ピーター・グリーン時代のフリートウッド・マックを思わせるスロー・ブルース・ナンバー。柳ジョージが書いたオリジナルとしては初の作品のようです。この曲は柳ジョージのベスト盤『30th 1969〜1999』に 収録されているほか、柳ジョージ&レイニー・ウッドによるリメイク版がアルバムTime In Change(1978年)に収録されています。1970 年10月17日、22日録音。
収録されている主な編集盤:
柳ジョージ『30th 1969〜1999』(日 本クラウン)
6. Tears Of Rage (怒りの涙) (作詞・作曲 : Bob Dylan,Richard Manuel)

 アナログ盤ではここからがB面。ここまで来たら最後まで一気にフル・ヴォリュームで聴くに限ります(笑)。アルバム中唯一のカヴァーで、
ザ・バンドのファースト・アルバム『Music From Big Pink』('68年)のオープニングを飾っていたボヴ・ディランリチャード・マニュエルの作品。父 親が、成長して変わり果てた娘を嘆いて泣いている・・・といった内容。デイヴ平尾のヴォーカル、ミッキー吉野のオルガンが特に素晴 らしく、このアルバムのハイライトの一つになっています。1970 年9月20日、12月1日録音。
7. V.D. (VERNARDS GOING DOOMED AGAIN) (作詞 : John Aguinalds / 作曲 : ミッキー吉野)

 
サイケデリックなムードと途中の激しい"フリーク・アウト"が強烈なミッキー吉野の作品で、John Aguinaldsなる 人物の歌詞はどこかドラッグ的な要素を感じさせる。リード・ヴォーカルはアイ高野で、エディ藩柳ジョージがバッキング・ヴォーカルを担当。ちなみに後半の鳥のSEはランチャーズの曲でも使用されています。1970年10月17日、27日、30日録音。
収録されている主な編集盤:
『GS ミーツ・ニュー・ロック 1969-1971』(パレード/SPW-10033)
8. Woman's Gone (作 詞 : John Aguinalds / 作曲 : ミッキー吉野)

 ミッキー吉野の作品で、日本ではこの2〜3年後に浸透するクロスオーヴァー/フュージョン風のインプロヴィゼーションが展開されるハードなナン バー。ミッキー吉野のクールなエレクトリック・ピアノ、アイ高野のドラム、そして何と言っても柳ジョージ迫 力のあるヴォーカルが聞きもの。この声が発表当時注目されなかった事が実に惜しい。1970年10月9日、27日録音。
9. Underture:Empty Dream (作詞 : Christopher / 作曲 : アイ高野)

 アルバムのラストは
アイ高野のフォーク調のオリジナルで、ギターも弾いている。ミッキー吉野がチェレスタ、エディ藩がアコースティック・ギ ターを担当。1970年10月23日、30日録音。
収録されている主な編集盤:
『GS ミーツ・イングリッシュ』(パレード/SPW-10029)
原文作成 :1998年夏 / 加筆訂正 : 2010年11月19日
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