Various Artists : Rock'n'Roll Jam '70

[Disc 1]
1. I'm Crying〜Coloured Rain/Mops
2. Jenny Jenny
/Mops
3. Don't Bring Me Down/Mops
4. Who Knows What Tomorrow May Bring/Mops
5. Tobacoo Road/Mops
6. Boom Boom/鈴木ヒロミツとクニ河内セッション
7. Something/ザ・ハプニングス・フォー+1
8. I Say A Little Prayer/ザ・ハプニングス・フォー+1
9. Spinning Wheel/ザ・ハプニングス・フォー+1
10. Blue Moon Of Kentucky/ザ・ハプニングス・フォー & 小林勝彦
11. Night Time Is Right Time/ザ・ハプニングス・フォー & 小林勝彦
[Disc 2]
1. Together 'Till The End Of Time/デイヴ平尾とクニ河内セッション
2. Micky/The Golden Cups
3. Killing Floor/The Golden Cups
4. フィルモアより遠く離れて/エディ藩セッション
5. All Is Loneliness/Flowers
6. Piece Of My Heart/Flowers
7. You Shook Me/Flowers
8. Cozmic Blues/Flowers
9. How Many More Times/小林勝彦セッション
LP:Express EP-7744〜5 (1970.4.5.)
CD:Express TOCT-8720〜21 (1994.12.14./音蔵)
CD:P-Vine PCD-72289 (2002)
デイヴ平尾(vo) エディ藩(g) ケネス伊東(b) ミッキー吉野(k) アイ高野(d,vo) 
◎1969 年末にマモル・マヌーがソロ歌手として独立し、ルイズルイス加部、林恵文が脱退。替わってエディ藩とケネス伊東が復帰、ドラムにはカーナビーツからアイ高 野が加入し、1970年1月1日から第4期カップスが始動。その直後の1970年1月26日に日比谷・ヤング・メイツでモップスハプニングス・フォーフラワーズとの合同ライヴが行われ、4月に2枚組LPとして発売されたのがこのアルバム。時代がGS〜ニュー・ロックへと変化する過程だけでなく、各バンドにとっても節目にあたる時期の記録として興味深い音源。

 ところで、カップスのキャリアのでこの"第4期"が最も影が薄いと感じるのは気のせいでしょうか。リアルタイムで発表された音源はこのライヴ盤の4曲と シングル「にがい涙/悪魔にだまされた」(1970年5月)のみ。シングルはメンバー自身による初の日本語オリジナル曲だったものの、前作か ら1年以上のブランク、LPも1970年内はこのライヴ盤と2枚組ベストが出たのみと、前年に比べて極端に少ない。音楽の流行が現代よりもめまぐるしく変 化していた時代、一般的には GSブームと共に忘れ去られていた可能性も…。当のカップスは、レパートリーが当時のアメリカン・ロック中心となり、一部を除き全体的にレイド・ バック寄りなサウンドに(こうした変化は2003年のボックス・セット収録の
『Hello Party』でより明確なものに)。また、アイ高野はカーナビーツ時代とは全く異なる演奏スタイルを要求され、メンバーのオリジナル曲が再び登場するようになったのもこの頃。

 このライヴ盤とシングル発表後の1970年9月、バンドにとって支柱的な役割を果たしていたケネス伊東が、アメリカの輸送船勤務のために脱退(当時アメ リカのミュージシャンの多くがベトナム戦争の煽りを受けていた)。後任としてパワーハウスから柳ジョージが加入。また、エディ藩やミッキー吉野は当時他の ミュージシャンとのライヴやセッションを行っており、そうした活動を経た後、ほぼ全曲オリジナル曲によるアルバム制作に取りかかります。
[Disc 1]
1.I'm Crying〜Coloured Rain/Mops
2.Jenny Jenny
/Mops
3.Don't Bring Me Down/Mops
4.Who Knows What Tomorrow May Bring/Mops
5.Tobacoo Road/Mops

 1〜 5は鈴木ヒロミツや星勝が在籍していたモップスの演奏。彼らは1967年11月にサイケデリック・バンドとしてデビューしましたが、1年後にGS路線から 脱却し、約1年後の1969年11月に東芝音楽工業(※当時のレコード会社の名称)に移籍。ここではニュー・ロック路線へと方向転換〜「月光仮面」 (1971年)のヒットが出るまでの過渡期の様子が聴けます。
1I'm Crying」3Don't Bring Me Down5Tobacoo Roadは彼らのルーツ・ミュージックにあたるThe AnimalsやEric Burdon & Warのカヴァー。ちなみに1でノー・クレジットでTrafficのColoured Rainを演奏していますが、やはりEric Burdon & The Animals経由のアレンジで演奏。2Jenny Jenny」(Little Richard)と4Who Knows What Tomorrow May Bring(Traffic)では星勝がリード・ヴォーカル。

6.Boom Boom/鈴木ヒロミツとクニ河内セッション

 このアルバムでは数曲に出演者同士でのセッションが含まれており、この曲では鈴木ヒロミツ(vo)、クニ河内(p)、チト河内(d)、ミッキー吉野 (k)、エディ藩(g)、小林勝彦 (steel g)、石間秀樹(g)、橋本健(b)という編成でJohn Lee Hooker〜The Animalsのヒット曲「Boom Boom」を演奏。曲の冒頭で内田裕也による英語のMCが聴ける。

7.Something/ザ・ハプニングス・フォー+1
8.I Say A Little Prayer/ザ・ハプニングス・フォー+1
9.Spinning Wheel/ザ・ハプニングス・フォー+1

 7〜9は1967年に「あなたが欲しい」でデビューしたザ・ハプニングス・フォーの演奏。元々ギターレス&キーボード主体の4人編成バンドでしたが、ここでは篠原信彦のオルガンが加わり、ギターの音も入っている(クレジットなし)。The Beatlesの7「Something」では途中でProcol Harumの「Homburg」のワン・フレーズを挿入。Dionne Warwickの8「小さな願い」はラテン調にアレンジ。9
Spinning WheelはBlood,Sweat & Tearsの1969年のヒット曲で、管楽器がない分ピアノが前面に出ている。

10.Blue Moon Of Kentucky/ザ・ハプニングス・フォー & 小林勝彦
11.Night Time Is Right Time/ザ・ハプニングス・フォー & 小林勝彦

 ここからはフラワーズから小林勝彦のスティール・ギターを交えてのセッション。10「Blue Moon Of Kentucky」は1946年にBill Monroeが書いたブルー・グラス・ナンバーで、Elvis Presleyのカヴァーでも知られる曲。11「Right Time」はThe Animalsのヴァージョンでも知られるRay Charlesのナンバー。

[Disc 2]
1.Together 'Till The End Of Time (作詞・作曲 : Frank Wilson)


 クレジット上はデイヴ平尾クニ河内セッションとなっていますが、カップスにクニ河内(ザ・ハプニングス・フォー)のピアノが加わった編成。オリジナルはEvery Little Bit Hurts」「You've Made Me So Very Happy」で 知られるタムラ/モータウンの女性シンガー、Brenda Hollowayが1966年に発表した曲で、その後The Spencer Davis Groupもカヴァー。カップス版は恐らくAl Kooper & Mike Bloomfieldの2枚組ライヴ盤『フィルモアの奇跡』(1968年)経由でのカヴァーと思われます。
2. Mickey (作曲 :ミッキー吉野)

 
ミッキー吉野作曲によるファンキーなインストゥルメンタル・ナンバーで、元々のタイトルは「Boue Boue」。ハモンド・オルガンをメインにデイヴ平尾がスキャットを付けています。ちなみにそのオリジナル・タイトルでの別テイクが書籍『ロック画報 (12)』(2003年)付録のSpecial Sampler CDに収録されています。
3. Killing Floor (作詞・作曲 : Chester Burnett)

 
オリジナルは「Spoonful」「The Red Rooster」等で知られているブルース・シンガー、ハウリン・ウルフの作品で、他にThe Electric FlagやJimi Hendrix等がカヴァーしていたほか、Led Zeppelinが「The Lemon Song」と改題して取り上げていた事も。カップス版はThe Metersを思わせるファンク・サウンドにアレンジ。ちなみ2003年発表のボックス・セットではアップ・テンポの別テイクが聴けます(そっちの方がエキサイティングな演奏)。
4. フィ ルモアより遠く離れて (作曲 :エディ藩)

 エディ藩を中心にしたセッションで、エディ藩(g)、ミッキー吉野(ハモンド・オルガン)、アイ高野(ドラムス)、ザ・ハプニングス・フォーからク ニ河内(ピアノ)、ぺぺ吉弘(ベース)という編成。ジャズ・スタイルによる10分にわたる演奏で、エディ藩のウエス・モンゴメリーを思わせるギター・プレイやクニ河内のピアノが聴き所。

5. All Is Loneliness (作曲:Moondog)/Flowers
6. Piece Of My Heart (作詞・作曲:J.Ragovoy / Burt Berns)
/Flowers
7. You Shook Me (作詞・作曲 : Willie Dixon)
/Flowers
8. Kozmic Blues (作詞・作曲:Janis Joplin / G.Mekler)
/Flowers

 5〜 8は内田裕也が1967年に結成したフラワーズによる演奏で、麻生レミ(vo)、小林勝彦 (steel g)、奥進(g)、橋本健(b)、和田ジョージ(d)にジョー山中(vo/当時はジョー・アキラ)と石間秀樹(g,Sitar)が新たに加わった編成。こ のライヴの翌月にバンドが再編され、フラワー・トラべリン・バンドへと変化を遂げる事になり、その直前の音源としても興味深い記録。5,6,8はJanis Joplin、7はLed Zeppelin経由でのカヴァー。5
All Is Lonelinessでは石間秀樹がシタールを演奏。

9. How Many More Times (作詞・作曲 : Jimmy Page / Robert Plant / John Paul Jones / John Bonham)/小林勝彦セッション

 大ラスはLed Zeppelinのファースト・アルバムからの曲をデイヴ平尾(vo)、クニ河内(k)を交えてのセッション。
作成:2000年11月21日/更新:2003年9月27日,2014年12月7日
→The Fifth Generationへつづく。
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